日本株や米国株、投資信託などを売買する際は、原則として取引手数料が発生します。
また米国株など海外の株式を購入する場合は、取引手数料に加えて両替による為替手数料が発生する点も忘れてはいけません。
なお投資信託の保有時に発生する信託報酬(主な保有コスト)は、手数料には含まれません。投資信託の場合、購入手数料が無料の銘柄は増えていますが、一般的な対面証券で日本株や米国株を売買する場合は必ず手数料負担が必要です。
一方、SBI証券をはじめとした大手ネット証券のNISAであれば日本株や米国株、投資信託の取引手数料が無料または実質無料です。SBI証券や楽天証券、松井証券で米ドルに両替して米国株を買う外貨決済であれば為替手数料も無料になります。
この記事では、手数料が無料の証券会社や無料である理由を解説します。
大手ネット証券のNISAなら一部商品の手数料が無料
大手ネット証券のNISAであれば一部商品の取引手数料が無料(または実質無料)になります。
【大手ネット証券のNISAで手数料が無料・実質無料になる商品】
無料 | 実質無料 (キャッシュバック) |
|
---|---|---|
SBI証券 | 日本株 単元未満株 米国株 投資信託 |
なし |
楽天証券 | ||
三菱UFJ eスマート証券 (旧auカブコム証券) |
||
松井証券 | ||
マネックス証券 | 日本株 単元未満株 (購入時) 投資信託 |
単元未満株 (売却時) 米国株 中国株 |
(2025年2月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
SBI証券や楽天証券、松井証券は、米国株の購入に必要な米ドルの為替手数料も無料です(あらかじめ両替して米国株を買う外貨決済に限る)。
各社の特徴は、以下の見出しで紹介します。
SBI証券:日本株ならNISA以外でも手数料無料

【SBI証券の概要】
取扱銘柄数 | 米国株 | 5,377 |
---|---|---|
日本株 | 全銘柄 (東証・名証・福証・札証) |
|
投資信託 | 2,573 | |
IPO(※) | 60 | |
クレカ積立 | 対応カード | 三井住友カード・Olive |
ポイント 還元率 |
0~3.0% | |
ポイント 投資 |
対応 ポイント |
Vポイント Pontaポイント |
対象商品 | 投資信託 投信積立 日本株 単元未満株 |
(2025年2月14日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
SBI証券は、2024年9月末から業界ではじめて日本株の手数料完全無料化を実施したネット証券です。NISA口座以外で日本株を売買する場合でも取引金額を問わず無料になります。
個人投資家に人気のあるIPO(新規公開株)に強く、2013年3月期から連続して12年以上、業界最多の取扱数を維持しています。日本株や米国株、投資信託、その他外国株も豊富に取り扱っているので、さまざまな商品に興味がある人でも利用しやすいでしょう。
クレカ積立(クレカ決済による投信積立)やポイント投資にも対応しており、サービス内容も充実しています。楽天ポイントやdポイントなどSBI証券でポイント投資ができないポイントをよく利用する人を除けば最もおすすめできる証券会社の一つといえるでしょう。
\取扱商品が豊富でサービス内容も充実/
SBI証券について詳しくはこちら
SBI証券で口座開設する手順を解説|メリットや利用者の口コミも紹介
楽天証券:日本株ならNISA以外でも手数料無料

【楽天証券の概要】
取扱銘柄数 | 米国株 | 5,099 |
---|---|---|
日本株 | 東証・名証上場銘柄 | |
投資信託 | 2,580 | |
IPO(※) | 41 | |
クレカ積立 | 対応カード | 楽天カード |
ポイント 還元率 |
0.5~2.0% | |
ポイント 投資 |
対応 ポイント |
楽天ポイント |
対象商品 | 投資信託 投信積立 日本株 単元未満株 米国株 バイナリーオプション |
(2025年2月14日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
楽天証券は、楽天グループのサービス利用者にとってメリットの大きいネット証券です。楽天カードでのクレカ積立に対応しており、年会費無料のカードでも0.5%(一部銘柄は1.0%)のポイント還元が受けられます。
クレカ積立で貯まった楽天ポイントは、投資信託や日本株、米国株に1ポイントから利用可能です。ほかにも「楽天銀行との連携(マネーブリッジ)で普通預金金利が最大0.18%になる」「一定条件を満たせば楽天市場のポイント還元率が最大1%上がる」などお得なサービスが充実しています。
楽天グループのサービスをよく利用する人は、楽天証券で投資を始めましょう。
\楽天会員ならお得に利用できる/
楽天証券について詳しくはこちら
楽天証券でのNISAの始め方!おすすめ銘柄や他社からの変更方法
マネックス証券

【マネックス証券の概要】
取扱銘柄数 | 米国株 | 5,038 |
---|---|---|
日本株 | 全銘柄 (東証・名証・福証・札証) |
|
投資信託 | 1,799 | |
IPO(※) | 36 | |
クレカ積立 | 対応カード | dカード・マネックスカード |
ポイント 還元率 |
0.2~3.1% | |
ポイント 投資 |
対応 ポイント |
dポイント マネックスポイント |
対象商品 | 投資信託 |
(2025年2月14日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
マネックス証券は、2024年1月4日からNTTドコモと業務提携を開始し、ドコモやdポイントを利用する人向けのサービスを充実させたネット証券です。2024年9月27日からは、dカードでのクレカ積立に対応しており月5万円までなら年会費無料のカードでも1.1%のポイント還元が受けられます。
取扱銘柄数や手数料の安さは、SBI証券や楽天証券に及ばないものの、NTTドコモやdポイントをよく使う人であれば選択肢の一つになるでしょう。
\クレカ積立で最大1.1%還元/
マネックス証券について詳しくはこちら
マネックス証券のメリットとは?ドコモとの提携によるメリットも解説
三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)
【三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)の概要】
取扱銘柄数 | 米国株 | 1,994 |
---|---|---|
日本株 | 全銘柄 (東証・名証・福証・札証) |
|
投資信託 | 1,855 | |
IPO(※) | 16 | |
クレカ積立 | 対応カード | au PAY カード |
ポイント 還元率 |
0.5~1.0% | |
ポイント 投資 |
対応 ポイント |
Pontaポイント |
対象商品 | 投資信託 投信積立 単元未満株 |
(2025年2月14日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)は、auのスマホを使う人にお得なサービスのあるネット証券です。NISA口座を三菱UFJ eスマート証券で開設して「auマネ活プラン+」に加入すれば、au PAY ゴールドカードのクレカ積立のポイント還元率が12ヵ月間3.0%に増えます(13ヵ月目以降は2.0%)。
またauじぶん銀行に口座があれば、auマネーコネクト(証券口座との連携)を設定することで普通預金金利が+0.1%に上がります。auのサービスをよく利用する人は、三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)で投資を始めてみましょう。
\auのサービス利用者にお得/
三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)について詳しくはこちら
auカブコム証券のメリット徹底解説!auユーザー必見の特典とは
松井証券

【松井証券の概要】
取扱銘柄数 | 米国株 | 4,786 |
---|---|---|
日本株 | 全銘柄 (東証・名証・福証・札証) |
|
投資信託 | 1,885 | |
IPO(※) | 41 | |
クレカ積立 (2025年5月開始) |
対応カード | JCBカード |
ポイント 還元率 |
0~1.0% | |
ポイント 投資 |
対応 ポイント |
松井証券ポイント |
対象商品 | 投資信託 投信積立 (どちらも3銘柄のみ対応) |
(2025年2月14日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
松井証券は、顧客サポートに力を入れているネット証券です。手数料の安さは、SBI証券や楽天証券に追随したうえで日本株や米国株の銘柄相談を電話で受け付けるなど独自のサービスを提供しています。
原則としてネット証券は、取引に関する相談ができないため、銘柄選びや取引のタイミングに悩む人は、松井証券のほうが投資を始めやすいでしょう。クレカ積立やポイント投資は、ほかの4社に劣りますが、顧客サポートの手厚さを重視するなら松井証券がおすすめです。
\銘柄選びの相談が電話でできる/
松井証券について詳しくはこちら
松井証券の口コミ分析でわかった!おすすめポイントと注意点、対応策まで解説
手数料無料でサービスを提供できる理由
ネット証券が手数料無料でサービスを提供できる理由は、各社ともに手数料以外で十分な収益を上げているからです。また「それぞれの大手ネット証券会社が実施しているから」という理由で無料にせざるを得ない側面もあるでしょう。
日本株の手数料完全無料化を最初に発表したのは、SBI証券です。ほかのネット証券は、顧客流出を防ぐために(本当は無料にしたくないが)NISAでの日本株、米国株の手数料無料化に踏み切ったとも考えられます。
ただし赤字覚悟というわけではなく、手数料以外で十分な収益を上げているからこそ手数料を無料にできるともいるでしょう。
【大手ネット証券の営業収益(売上高)に占める取引手数料の割合】
SBI証券 | 約12.6%(※) |
---|---|
楽天証券 | 約18.1%(※1) |
マネックス証券 | 約43.7%(※2) |
三菱UFJ eスマート証券 | 約23.9%(※) |
松井証券 | 約48.4%(※) |
※1)楽天証券は2024年12月期の損益計算書
※2)マネックス証券は2024年3月期の損益計算書
それぞれに投資信託の信託報酬など取引手数料以外の収益も含む
特に大手ネット証券のなかでも手数料に頼らない体制を整えつつあるSBI証券と楽天証券は、手数料無料でも経営に問題はないといえるでしょう。
手数料以外の証券会社の比較ポイント
NISAで日本株や米国株、投資信託を買う場合、大手ネット証券はどこでも取引手数料無料または実質無料のため、大きな差はありません。ほかのサービスにも目を向けて比較し、自分に合う証券会社を選んだほうがいいでしょう。
クレカ積立(クレカ決済による投信積立)
2025年2月12日時点では、松井証券を除く大手ネット証券はクレカ積立に対応していますが、対応カードやポイント還元率が異なります。ポイント還元率が高くても年会費が発生すると逆に損をすることのほうが多いため、年会費無料のカードで比較しましょう。
【大手ネット証券のクレカ積立(年会費無料のカード)】
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス 証券 |
三菱UFJ eスマート証券 |
松井証券 | |
主な対応 カード |
三井住友 カード |
楽天カード | dカード | au PAY カード | JCBカード |
ポイント 還元率 |
0~0.5% | 0.5~1.0% | 0.2~1.1% | 0.5% | 0~0.5% |
(2025年2月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
普段使うカードが対応したネット証券を選ぶほうが便利ですが、ポイント還元だけで選ぶのであればマネックス証券がおすすめです。月5万円までの積立金額なら還元率は1.1%となり、ほかの大手ネット証券よりも高くなります。
\クレカ積立で最大1.1%還元/
ポイント投資
ポイント投資もクレカ積立と同様に、対応ポイントや対象商品が異なります。
【大手ネット証券のポイント投資】
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス 証券 |
三菱UFJ eスマート証券 |
松井証券 | |
対応 ポイント |
Vポイント Pontaポイント |
楽天ポイント | dポイント マネックスポイント |
Pontaポイント | 松井証券 ポイント |
対象商品 | 投資信託 投信積立 日本株 単元未満株 |
投資信託 投信積立 日本株 単元未満株 米国株 VO(※) |
投資信託 | 投資信託 投信積立 単元未満株 |
投資信託 投信積立 (3銘柄のみ) |
(2025年2月8日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
自分が貯めているポイントが使えるか、投資したい商品に使えるかの2点で比較して決めましょう。
ポイント投資について詳しくはこちら
ポイント投資が可能なおすすめのポイントとネット証券を徹底解説!
IPO(新規公開株)
以下の大手ネット証券の場合、どこでも日本株や主要な米国株や投資信託は取り扱っているため、大差ありませんが、IPO(新規公開株)は差があります。
【大手ネット証券のIPO】
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス 証券 |
三菱UFJ eスマート証券 |
松井証券 |
60 | 41 | 36 | 16 | 41 |
IPOは、当選さえすれば上場日に売るだけで利益が出る確率がそこそこ高い点から個人投資家に根強い人気があります。購入申込者が多いため、どの証券会社で応募してもめったに当たりませんが、IPO投資を始める場合は取扱数の多いSBI証券を選びましょう。
\IPOの取扱数が業界最多/
SBI証券のIPOについて詳しくはこちら
SBI証券のIPOは取扱数が業界最多!特徴や買い方を紹介
手数料無料の証券会社を選んだ場合の注意点
手数料無料の証券会社(ネット証券)を選んだ場合の注意点は、以下の2つです。
顧客サポートは期待できない
ネット証券は、実店舗を持たずにコストを削減しているからこそ手数料を無料にしています。問い合わせは、電話やチャットなどに限られるため、手厚い顧客サポートは期待できません。
ただし実際に筆者はネット証券を利用していますが、年に1回問い合わせるかどうかの頻度です。よほどのことがない限りサポートを頼ることはありませんし、ネットで調べれば操作方法くらいは簡単にわかります。
IPOは大手対面証券と比べて弱い
ネット証券は、IPOの取扱数こそ野村證券などと大差ないものの引受株数(引受金額)を見ると大手対面証券が強い傾向です。
【IPOの引受金額上位5社】
野村證券 | 約1,995億円 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 約1,571億円 |
みずほ証券 | 約1,496億円 |
大和証券 | 約934億円 |
SMBC日興証券 | 約792億円 |
大手ネット証券は、大手対面証券と比べてIPOの引受株数が少なくSBI証券や楽天証券は口座数が多いため、当選確率は極めて低いでしょう。億単位の資金がある人がIPO投資を始める場合は、大手対面証券に口座を開設したほうがIPOでまとまった株数を融通してもらえる可能性があります。
富裕層は、手数料が高い点を考慮しても大手対面証券を利用するメリットは大きいでしょう。
手数料の安さにこだわるなら大手ネット証券のNISAがおすすめ
手数料の安さにこだわる場合は、日本株や米国株、投資信託の取引手数料が無料または実質無料になる大手ネット証券のNISAがおすすめです。なかでもSBI証券は、手数料に依存しないビジネスモデルを確固たるものにしています。
経営状態も良いため「ゼロ革命」を掲げて手数料競争を加速させたSBI証券が、有料化(改悪)するリスクは極めて低いです。手数料無料の証券会社で投資を始めたい場合は、SBI証券を選びましょう。
\IPOの取扱数が業界最多/