SBI証券のIPOは、業界最多の取扱数を誇ります。IPO(新規公開株)とは、証券取引所で取引できない未上場会社が、上場することで新たに取引できるようになる株式のことです。
一部の証券会社がIPOを上場前に引き受け、それを投資家に販売しています。資産1億円以上の富裕層は、対面証券で申し込んだほうが優先割当の可能性がある分有利ですが、そうでないならIPO投資はSBI証券がおすすめです。
この記事では、SBI証券のIPOの特徴や買い方を紹介します。
\IPOの取扱数が業界最多/
SBI証券のIPOの特徴
SBI証券のIPOの主な特徴は、以下の3つです。
取扱数が業界最多
SBI証券のIPOは、業界最多の取扱数を誇ります。
【IPO取扱数上位5社】
2023年度 (2023年4月~2024年3月) | 2022年度 (2022年4月~2023年3月) | 2021年度 (2021年4月~2022年3月) |
---|---|---|
SBI証券:90社 | SBI証券:92社 | SBI証券:117社 |
松井証券:67社 | 楽天証券:64社 | SMBC日興証券:76社 |
楽天証券:62社 | 松井証券:59社 | みずほ証券:75社 |
SMBC日興証券:62社 | マネックス証券:54社 | 楽天証券:70社 |
マネックス証券:56社 | みずほ証券:51社 | 野村證券:62社 |
2012年度からIPO取扱数トップの座を守っており、今後も維持できる可能性が高いです。取扱数が豊富なSBI証券であれば買いたいIPOを逃すことなく申し込めるでしょう。
\IPOの取扱数が業界最多/
IPOチャレンジポイントを利用すると当選確率が上がる
SBI証券には、“IPOチャレンジポイント”という独自のポイント制度があります。IPOチャレンジポイントを利用して申し込むことで、IPOの当選確率を上げることが可能です。ポイントを使って落選しても返還されるため、気軽に利用できます。
SBI証券の場合、当選株数の30%は申込ポイント数の多い人から当選する仕組みになっており、IPOの落選回数が多い人ほどチャレンジポイントが貯まって当たりやすくなります。落選しても根気強くIPOに申し込める人であれば、SBI証券でIPOチャレンジポイントを貯めるメリットは大きいでしょう。
主幹事の実績があり他のネット証券と比べて当選株数が多い
SBI証券は、IPOの主幹事の実績が豊富にあります。主幹事(証券会社)とは、IPOを支援する幹事証券会社のなかでも中心的な役割を果たす証券会社のことです。
IPOは、主幹事が株数の大半を引き受けることが多いため、主幹事の実績があるSBI証券は他のネット証券と比べて当選株数が多い傾向があります。
【IPOの主幹事実績数上位5社】
2023年度 (2023年4月~2024年3月) | 2022年度 (2022年4月~2023年3月) | 2021年度 (2021年4月~2022年3月) |
---|---|---|
SMBC日興証券:23社 | SMBC日興証券:22社 | みずほ証券:31社 |
大和証券:22社 | みずほ証券:21社 | SMBC日興証券:25社 |
みずほ証券:21社 | 大和証券:20社 | 野村證券:24社 |
SBI証券:21社 | SBI証券:15社 | SBI証券:20社 |
野村證券:20社 | 野村證券:12社 | 大和証券:14社 |
IPOの主幹事数を見ると上位5社にランクインしているネット証券は、SBI証券だけです。ネット証券でIPOに申し込みたい場合は、主幹事実績の豊富なSBI証券を選びましょう。
\IPOの主幹事実績数が豊富/
SBI証券のIPOの買い方・流れ
SBI証券のIPOは、以下の4ステップで購入できます。SBI証券では、IPOの抽選時に申し込んだ分の預り資産(買付余力)が必要になるため、不足している場合は抽選前に入金しましょう。
1.銘柄を選んでブックビルディングの申込を選択
まずは、銘柄を選んでブックビルディングの申し込みを選択しましょう。SBI証券のスマホサイトへログイン後、「IPO・POトップ」というボタンを押し、未申込から申込期間中の銘柄にある「ブックビル申込」を選択してください。
2.株数・価格・ポイントの使用有無を選択
申込画面で「株数」「価格」「使用IPOチャレンジポイント」の使用有無を選択します。よほど当選株数が多い銘柄を除いて100株当選するかどうかなので、株数は100株で十分です。
価格は「ストライクプライス」を選びましょう。SBI証券のIPOの抽選では、IPOの公募価格(決定価格)より下の値段で申し込んだ人を抽選対象外にしています。
IPOは、よほどの不人気銘柄を除いて値幅の上限価格で決まる傾向があるため、価格を問わず購入意思があることを示すストライクプライスにしておくのが無難です。
IPOチャレンジポイントは、直近申し込むIPOのなかで一番当選してほしい銘柄に使いましょう。最後に取引パスワードを入れて「申込確認画面へ」→「申込」のボタンを押すとIPOの申し込み手続きが完了します。
3.抽選までに口座に入金する
SBI証券のIPOは、抽選時に「公募価格×申込株数(少なくとも100株)以上」の買付余力が必要です。買付余力の確認は、価格決定日18時以降に行われるため、遅くとも価格決定日の午前中には買付余力を確認し、不足しているのであれば17時59分までに入金しましょう。
メガバンクやゆうちょ銀行などのネットバンキングを利用している人は、手数料無料で入金できて買付余力にもすぐ反映される即時入金が便利です。
\ネットバンキングを使えば入金も簡単/
4.【当選または補欠当選した場合】購入を申し込む
抽選後、当選または補欠当選した場合は購入を申し込みましょう。
ログイン後、「IPO・POトップ」「申込済」の順に選択し、当選または補欠当選した銘柄の「購入」ボタンを押してください。補欠当選した分については、繰上当選しないと購入できません。
SBI証券でIPOを始める際の注意点
SBI証券でIPOを始める際は、3つの注意点があります。他社のIPOと手続きが異なる点があるため、事前に確認のうえで申し込みましょう。
証券口座に預り金がないと抽選対象外
SBI証券のIPOは、ブックビルディング申込時にお金は必要ありませんが、証券口座に預り金(買付余力)がないと抽選対象外になってしまいます。
IPO投資家のなかにも、うっかり忘れてしまう人が一定数いるため、抽選日時をカレンダーなどにメモをして抽選前に口座に入金しましょう。預り金なしでIPOに申し込みたい場合は、岡三オンラインや松井証券がおすすめです。
\事前入金不要/ |
\事前入金不要/ |
IPOチャレンジポイントを使っても当たらないことが多い
SBI証券のIPOチャレンジポイントは、使ったとしても当たらないことが多いです。
すでに700ポイント近く貯めている投資家もおり、使用したチャレンジポイントが多い人から順に当選する方式を採用しているため、10~30ポイント程度で当選する可能性は極めて低いでしょう。実際に筆者は、SBI証券のIPOでチャレンジポイントを利用したことが数回ありますが当選したことはありません。
完全平等抽選ではない
SBI証券のIPOは、完全平等抽選ではありません。
- 60%:平等抽選
- 30%:IPOチャレンジポイントが多い人から順に配分
- 10%:取引状況などを踏まえて当社が定めた基準に従い配分
全体の40%は平等ではなく、IPOチャレンジポイントや取引状況に応じて配分されます。IPOチャレンジポイントは、以前からIPOに申し込んでいる人のほうが有利ですし、取引状況などの基準は事実上の富裕層優遇です。富裕層優遇は、対面証券のIPOでもよくある話で全体の10%なら少ないほうですが、資産の多い人と比べて当たりづらい点は理解しておきましょう。
完全平等抽選の証券会社でIPOに応募したい場合は、取扱数が多い楽天証券も検討してみましょう。
\100%平等抽選/
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SBI証券のIPOについてよくある質問
SBI証券のIPOについて、よくある質問をまとめました。IPO投資を始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
落選した場合、IPOチャレンジポイントはどうなる?
使用したIPOチャレンジポイントに1ポイント加えたポイント数が返還されます。
当選した株の売り方は?
日本株の売却と同様です。「SBI証券株アプリ」の口座管理から売りたい銘柄を選択し、売却注文を出してください。1つの市場に上場する銘柄は上場日の午前4時ごろ、2つ以上の市場に上場する銘柄は午前8時ごろから注文できます。
ただし上場日は、値段を指定しない成行注文ができないため、値段を指定する指値注文を出しましょう。
当選確率を上げる方法は?
富裕層を除いて、当選確率を上げる方法は存在しません。億単位の現金をSBI証券に入金すれば当選確率が上がるかもしれませんが、大半の人には実行できない方法です。
同一銘柄のIPOを複数の証券会社で申し込んで、当選確率を上げることはできます。