インデックス投資とは、日経平均株価などの指数に連動した運用を目指す投資信託などに投資をすることです。
手軽でリスクが低いことから人気の高い投資方法ですが、必ずしも万人におすすめできるわけではありません。
そこで当記事では、インデックス投資がおすすめしない理由を解説します。
また、インデックス投資が向いているタイプと向いてないタイプと向いてないタイプについても解説します。
- インデックス投資とは?市場全体の動きに連動する投資方法
- インデックス投資をおすすめできない4つの理由
- インデックス投資に向いてないタイプの特徴4つ
- インデックス投資に向いているタイプの特徴4つ
- 投資初心者にはインデックス投資がおすすめな理由3つ
- 投資初心者が知っておくべき3つのポイント
- 投資初心者におすすめの投資信託3選
- インデックス投資がしやすい証券会社5選
- SBI証券|ネット証券の最大手
- 楽天証券|楽天経済圏利用者なら迷わずここ
- マネックス証券|クレカ積立のポイント還元率が高い
- auカブコム証券|auユーザーにおすすめ
- 松井証券|サポートが手厚く初心者向け
- インデックス投資でよくある質問Q&A
- まとめ
インデックス投資とは?市場全体の動きに連動する投資方法
まずは、あらためてインデックス投資について解説します。
インデックス投資は、特定の指数(インデックス)の動きに連動した運用を目指す投資方法です。
指数とは、株式市場全体の動きを表す指標であり、日経平均株価やTOPIXなどが代表例といえます。
インデックス投資をおこなう際には、個別の株式ではなく、指数を構成する全ての株式に分散投資する投資信託やETFを購入します。
そのため、個別の銘柄の良し悪しに左右されることなく、市場全体の成長に合わせたリターンを目指すことが可能となっています。
インデックス投資は、低コスト、低リスクで運用できることから、初心者から投資上級者まで幅広く利用されている投資方法といえます。
インデックス投資をおすすめできない4つの理由
インデックス投資をおすすめできない理由は以下の4つです。
それぞれくわしく解説します。
1.ハイリターンは期待できない
インデックス投資は、市場全体の平均的なリターンを目指すため、個別銘柄投資のように、短期間で大きな利益を上げることは期待できません。
投資の目的が短期間で大きく儲けることである場合は、インデックス投資は向いていないといえるでしょう。
2. 個別銘柄を選ぶ楽しみがない
インデックス投資は、個別の銘柄を分析したり選んだりする必要がないため、投資の醍醐味である銘柄選びの楽しみを味わうことができません。
投資を通じて企業研究や分析をすることを楽しみの一つとしている方には、物足りないと感じるかもしれません。
3. 短期的な収益を上げにくい
インデックス投資は、長期的な資産形成に適しており、短期的な収益を上げることは難しいという特徴があります。
すぐに利益が欲しい方や、短期的な値動きを利用して利益を狙いたい方には向いていないといえるでしょう。
4. 自分で投資判断ができない
インデックス投資は、個別の銘柄を自分で判断する必要がないため、投資に関する知識や経験がなくても始められます。
しかし、その反面、自分で投資判断する力が身につかないというデメリットもあります。
投資に関する知識や経験を積みたい方にとっては、インデックス投資は物足りないかもしれません。
インデックス投資に向いてないタイプの特徴4つ
インデックス投資が向いてないタイプの特徴は以下のとおりです。
1. 短期的な利益を求めている
インデックス投資は市場全体のパフォーマンスに連動するため、短期間で大きな利益を狙うのには適していません。
市場の短期的な変動は予測が難しく、インデックス投資は長期的な視点でリスクを分散し、安定したリターンを期待するものです。
したがって、短期的な利益を重視する投資家には向いてないといえるでしょう。
2. 個別銘柄に投資して自分で利益を上げたい
インデックス投資は、特定の市場指数に連動するファンドに投資するため、個別銘柄の選定や取引の楽しみがありません。
個別銘柄に投資し、自分の分析や判断で利益を上げたい投資家には、インデックス投資は物足りないでしょう。
3.大きなリターンを期待している
インデックス投資は市場全体の平均的なリターンを目指すため、短期間での大きなリターンは期待しにくいです。
大きなリターンを狙う投資家は、成長が期待できる個別銘柄やリスクの高い投資商品を選ぶ傾向があります。
インデックス投資はリスクを分散することを重視しているため、高リターンを求める投資家には物足りないと感じるかもしれません。
4.リスクは一切とりたくない
投資にはリスクが必ずともないます。
インデックス投資も例外ではなく、市場全体の値動きに左右されるため、損失が出てしまう可能性があります。
リスクを一切とりたくないと考えている方には向いていないといえるでしょう。
インデックス投資は、個別銘柄投資よりもリスクを抑えることができますが、それでもゼロリスクではありません。
インデックス投資に向いているタイプの特徴4つ
以下のような方はインデックス投資に向いているといえます。
1.長期的な資産形成を目指している
インデックス投資は市場全体に連動するため、長期的な資産形成に適しています。
時間をかけて市場全体の成長にともなうリターンを享受することができ、リスクも分散されます。
長期的な視点でコツコツと資産を増やしたい人にとって、インデックス投資は理想的な手法です。
2.できるだけコストを抑えたい
インデックス投資はアクティブ投資※に比べて手数料が低く、コストを抑えることができます。
運用コストが低いため、長期的に見るとコストの差が大きなリターンの違いとなります。
コスト意識が高く、効率的に資産運用をしたい投資家にとって、インデックス投資は適しています。
3.投資に時間をかけたくない
インデックス投資は市場全体に投資するため、個別銘柄の選定やタイミングを計る必要がありません。
投資信託を一度購入すれば、基本的に市場の動向に任せるだけでよいため、日常的な管理や分析に時間をかけたくない人に向いています。
忙しい生活を送る投資家には最適です。
4.リスクを抑えたい
インデックス投資は広範な市場に投資することでリスクを分散させます。
個別銘柄に比べて、一つの企業のパフォーマンスが全体のリターンに与える影響が小さいため、リスクが抑えられます。
リスクを低減しつつ、安定したリターンを求める投資家にとって、インデックス投資は安全かつ効果的な選択肢です。
投資初心者にはインデックス投資がおすすめな理由3つ
インデックス投資は、特に投資初心者におすすめです。その理由は以下の3つになります。
それぞれをくわしく解説していきます。
1.投資先選びが簡単
インデックス投資は、市場全体の動きを反映する指数に連動するため、個別銘柄の選定が不要です。
初心者は、どの企業に投資するかを悩む必要がなく、特定のインデックスファンドを購入するだけで分散投資が可能です。
投資の知識や経験が少ない場合でも、手軽に始められるため、投資先選びが簡単で初心者に最適です。
2.コストが安い
インデックス投資は、運用コストや手数料が低いのが特徴です。
売買の頻度も少ないため、管理費用や手数料が抑えられます。
投資初心者は、コストを意識しながら資産を増やすことが重要です。インデックス投資は、低コストで効率的な資産運用を可能となっています。
3. プロが運用するので自分は何もしなくていい
インデックス投資は、専門の運用会社がプロの判断で運用します。
投資初心者は、市場の動向や個別銘柄の分析に時間を割く必要がありません。
投資信託を購入するだけで、専門家が市場全体に連動するように運用してくれるため、初心者でも安心して投資を続けられることでしょう。
忙しい日常生活を送りながらでも、手軽に資産運用が可能です。
投資初心者が知っておくべき3つのポイント
投資初心者がインデックス投資で知っておくべき3ポイントを3つ紹介します。
最低限これだけは確認してほしいものだけを取り上げているので、投資する前にチェックしましょう。
1. 何にどれくらい投資しているか
目論見書の最初にある「ファンドの目的・特色」を読むと、何にどれくらい投資しているかがわかります。
たとえばeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の場合、日本を含む全世界の株式に分散投資しています。
全体の62.3%は米国株になっており、投資先は世界の株式なのでリスクが高めの投資信託です。
ただしリスクが高い分、リターン(利益)が見込めるともいえます。
投資は、大事なお金を投じることになるため、インデックス投資でも大まかな投資先や国ごとの投資割合は確認しましょう。
2. どんなリスクがあるか
目論見書には、リスクを説明するページが設けられており、投資信託にどのようなリスクがあるのか記載されています。
たとえば、インドや中国をはじめとした新興国を含む海外の株式に投資する商品の場合、主なリスクは以下の5つです。
株価の変動によって投資信託の価格(基準価額)が変わるほか、米ドル対円などの為替レートでも変動します。
投資先の会社が倒産した場合は、株の価値がなくなるリスクや売買したいときにできないリスクもあることは忘れてはいけません。
新興国の場合は、日本や米国などの先進国と比べて政治が不安定なため、投資したお金が引き出せないこともあるでしょう。
3. 手数料や保有中のコストはどれくらいかかるか
手数料や保有中のコストは、目論見書の後半で明記されています。
購入手数料は、新NISAのつみたて投資枠対象銘柄であれば無料です。
売却時に発生する信託財産留保額も、人気のある投資信託は無料のことが多い傾向です。
投資信託の保有中に発生するコストは、一定ではなく年1回公開される運用報告書(なかには、半年に1回が義務付けられている投資信託もある)で掲載されています。
目論見書では、厳密なコストが公表されていませんが、信託報酬(年率)は明記されているため、1年間のおおよその保有コストはわかります。
金融庁によると、つみたて投資枠対象銘柄の場合、信託報酬は平均年率0.32%(2024年1月時点)です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は、年率0.05775%となるため、平均より保有コストが低いといえます。
投資初心者におすすめの投資信託3選
投資初心者におすすめの投資信託は、新NISAのつみたて投資枠(旧つみたてNISA)で買える以下の3銘柄です。
大手ネット証券であれば100円から購入できます。
ファンド名 | 投資先 | 信託報酬 (年率) | リターン (直近3年・年率) |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 国内株式 先進国株式 新興国株式 | 0.05775%以内 | 18.88% |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 米国株式 | 0.0938%程度 | 23.88% |
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 国内株式 先進国株式 国内債券 先進国債券 | 0.154%以内 | 9.61% |
おすすめの投資信託について詳しくはこちら
積立NISAおすすめ銘柄10選!【2023年最新版】初心者も安心の選び方と証券会社比較
1. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、通称「オルカン」とも呼ばれ、個人投資家から人気のあるインデックスファンドの一つです。
米国や日本など先進国の株式、中国やインドなど新興国の株式に分散投資をしています。
業界最低水準の運用コストを目指し続けるファンドとして定評があり、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」では、2019~2023年まで5年連続で1位を獲得しています。
投資先を分散しつつ高いリターンを求める人におすすめです。
\インデックスファンドの取扱が豊富/
2. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、米国の主要企業およそ500社に投資するインデックスファンドです。
米国の主要な株価指数「S&P500」に連動した運用を目指しています。
米国株は、長期的な株価の動きを見ると日本株やヨーロッパ諸国の株と比べて上昇率が高くeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)よりも直近3年のリターンが高い傾向です(2024年1月末時点)。
そのためインデックス投資でできる限り高いリターンを求める人に向いています。
\インデックスファンドの取扱が豊富/
3. ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券の4資産に25%ずつ投資する方針のインデックスファンドです。
債券は、発行する国や企業の経営が問題なければ金利が定期的に支払われるため、株と比べてリスクが低い傾向があります。
株に投資するインデックスファンドと比べて直近のリターンは低い傾向(2024年1月末時点)となるため、リスクとリターンのバランスをとって投資したい人におすすめです。
\インデックスファンドの取扱が豊富/
インデックス投資がしやすい証券会社5選
インデックス投資がしやすいネット証券会社は、新NISAのつみたて投資枠の取扱銘柄数が多い大手ネット証券です。
代表的なネット証券会社は以下になります。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | 松井証券 | |
新NISA つみたて 投資枠 | 219銘柄 | 221銘柄 | 218銘柄 | 218銘柄 | 223銘柄 |
クレカ積立 | 三井住友 カード | 楽天カード | マネックス カード | au PAY カード | 非対応 |
ポイント 還元率 | 0.5~5.0% | 0.5~1.0% | 1.1% | 1.0% | ─ |
ポイント投資対象ポイント | Vポイント Pontaポイント Tポイント | 楽天ポイント | マネックス ポイント | Pontaポイント | 松井証券 ポイント |
ポイント投資対象商品 | 投資信託 日本株 単元未満株 | 投資信託 日本株 単元未満株 米国株 | 投資信託 (積み立てを除く) | 投資信託 単元未満株 (積み立てを除く) | 投資信託 (3銘柄) |
SBI証券|ネット証券の最大手
SBI証券は、業界最大手のネット証券です。口座数は、グループ全体で1,200万口座(2024年2月時点)を超えています。
インデックス投資ができる投資信託を多数取り扱っており、三井住友カードでクレカ積立ができます。
三井住友カードで貯まるVポイントのほか、TポイントやPontaポイントでも投資信託へのポイント投資が可能です。
投信積立専用の「かんたん積立 アプリ」もあるため、スマホでインデックス投資を始めたい人はSBI証券を選びましょう。
\アプリでインデックス投資が始められる/
SBI証券について詳しくはこちら
SBI証券で口座開設するメリットを紹介 | CRAZY MONEY Plus+
楽天証券|楽天経済圏利用者なら迷わずここ
楽天証券は、楽天グループのサービスを利用すればするほどお得になるネット証券です。
楽天カードでクレカ積立ができ、楽天銀行との連携(マネーブリッジ)で普通預金金利が最大0.1%に上がります。
投資信託を月3万円以上積み立てるなど、一定の条件を満たすと楽天市場のポイント還元率が上がるSPU(スーパーポイントアッププログラム)もあります。
楽天グループのサービスを積極的に利用している人は、楽天証券を選びましょう。
\楽天グループのサービス利用者にお得/
楽天証券について詳しくはこちら
楽天証券のメリットやデメリットは?つみたてNISAにおすすめな理由や口コミ・評判も
マネックス証券|クレカ積立のポイント還元率が高い
マネックス証券は、クレカ積立のポイント還元率が高いネット証券です。
年1回以上のクレカ積立をすれば年会費が無料になるマネックスカードで積み立てると、2024年9月末までは積立金額の2.2%のマネックスポイントがもらえます。
マネックス 証券 | SBI証券 | 楽天証券 | auカブコム 証券 | 松井証券 | |
対応カード | マネックス カード | 三井住友 カード | 楽天カード | au PAY カード | 非対応 |
還元率 | 1.1%(※) | 0.5% | 0.5/1.0% | 1.0% | ─ |
貯まったマネックスポイントは、投資信託へのポイント投資に使えるほか、dポイントやTポイント、Amazonギフトカードなどに交換できます。
インデックス投資をしながらできる限り多くのポイントをお得に貯めたいなら、マネックス証券を選びましょう。
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マネックス証券のメリットは?メリット・デメリットを知って新NISAに備えよう
auカブコム証券|auユーザーにおすすめ
auカブコム証券は、au PAY カードでクレカ積立ができるネット証券です。
クレカ積立のポイント還元率は通常1.0%ですが、「auマネ活プラン」に入ると1.5%、NISA口座を開設してゴールドカードを使うと、12ヵ月間は3.0%まで還元率が上がります。
貯まったPontaポイントは、投資信託やローソンなどの店舗で使えます。auグループのサービスを使っている人は選択肢の一つになるでしょう。
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auカブコム証券はauユーザーにメリットが多い!おすすめの理由を解説
松井証券|サポートが手厚く初心者向け
松井証券は、投資信託の保有で貯まる「投信残高ポイント」が貯まりやすいネット証券です。
コストの低いインデックスファンドは、信託報酬が低いためポイント還元率も少なめですが、他の大手ネット証券と同率またはそれ以上のポイントがもらえます。
クレカ積立をするつもりがないなら、松井証券でインデックス投資を始めてもいいでしょう。
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松井証券のメリットとデメリットは?松井証券が向いている人まで解説
インデックス投資でよくある質問Q&A
インデックス投資でよくある質問を2つにまとめました。インデックス投資を始めることに不安がある人は、確認してみましょう。
投資初心者におすすめなのに失敗した人がいるのはなぜ?
「投資の失敗」は、損と同じニュアンスでいわれることが多くインデックス投資でも下落時に売ったら失敗します。
購入価格より下で売った場合、インデックス投資であろうとなかろうと失敗になるのは当たり前です。
どれだけ暴落しても売らずに上がるまで保有し続ければ、過去の値動きを見る限り米国株のインデックス投資で失敗はありません。
どれくらい儲かる?
米国株のインデックス投資の場合、平均年利7.0%程度は期待できます。
年利7.0%と仮定して月3万円で積立投資をすれば、20年後には約842万7,800円の利益です。
まとめ
インデックス投資は、低リスクで長期的な資産形成を目指している方に向いている投資手法です。
リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたいという方は、個別株がいいでしょう。
インデックス投資は、プロが運用することから投資にくわしくない初心者に向いています。
ただ貯金しているだけでは物足りず、投資にチャレンジしてみたいと思われている方は、今回紹介したネット証券会社に登録してみてはいかがでしょう。
登録するだけなら無料です。
そしてぜひこの機会に、インデックス投資にチャレンジしてみてください。
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