SBI証券と楽天証券はどう使い分ける?どっちがいいのかも7項目で比較

ネット証券会社を利用する人のなかには、SBI証券と楽天証券の両方の口座を所持している方も珍しくありません。ただし、複数の証券会社で取引する場合、使い分けに悩む人もいるでしょう。

例えば、iDeCoやNISAは1人1口座しか開設できません。そのため、どちらの証券会社で取引するのかを事前に決める必要があります。

そこで本記事では、SBI証券と楽天証券の使い分けに迷う人向けに、どちらがおすすめなのか7項目に分けて比較解説します。SBI証券と楽天証券を上手に使い分けて、効率の良い投資を実践していきましょう。

  1. SBI証券と楽天証券の使い分け方
    1. 一般NISAやつみたてNISA:SBI証券
    2. iDeCo:SBI証券
    3. 特定口座(課税口座):楽天証券
  2. 使い分けが面倒な人はどっちを選べばいい?
    1. 楽天ポイントを使わない人:SBI証券
    2. 楽天ポイントを使う人:楽天証券
  3. SBI証券と楽天証券はどっちがおすすめ?7項目で比較
    1. 1. 日本株:SBI証券
    2. 2. 単元未満株:SBI証券
    3. 3. IPO:SBI証券
    4. 4. 米国株:楽天証券
    5. 5. ポイントサービス:楽天証券
    6. 6. 銀行との連携:楽天証券
    7. 7. 新NISA:SBI証券
  4. SBI証券と楽天証券に関するよくある質問
    1. 楽天証券からSBI証券への移管はどうすればいい?
    2. NISAやiDeCoはSBI証券と楽天証券の両方で口座開設できる?
  5. NISAやiDeCoでの投資を考えているならSBI証券を中心に使い分けてみよう

SBI証券と楽天証券の使い分け方

SBI証券と楽天証券は、投資の仕方に応じて使い分けましょう。

基本的に証券口座は、複数の証券会社で開設可能です。ただし、NISA口座とiDeCo口座は1人1口座しか開設できません。

証券口座の種類

口座の種類 特徴
一般口座 損益計算を自分で行い、確定申告が必要
特定口座(源泉徴収なし) 損益計算は証券会社が行うが、確定申告が必要
特定口座(源泉徴収あり) 損益計算と税金の徴収を証券会社が行うため、確定申告は不要
一般NISA、つみたてNISA口座 一般NISAやつみたてNISAで投資するための口座で、確定申告は不要
iDeCo口座 iDeCoで投資をするための口座で、税制優遇を受けるために年末調整や確定申告が必要

投資初心者の場合、確定申告が不要な特定口座(源泉徴収あり)と、NISA口座やiDeCo口座を利用するのがおすすめです。なお、NISA口座を開設する場合、該当の証券会社の一般口座か特定口座を開設する必要があります。iDeCo口座は単独で開設可能です。

ここからは、NISA、iDeCo、特定口座、それぞれのおすすめ証券会社を紹介します。

一般NISAやつみたてNISA:SBI証券

SBI証券と楽天証券のNISA、つみたてNISA比較

つみたてNISA
取扱銘柄数
NISA投資信託
取扱銘柄数
NISA米国株
取扱銘柄数
IPOのNISA買付可否
SBI証券 209本 2,565本 約5,600銘柄
楽天証券 199本 2,514本 約4,600銘柄 不可
(2023年10月12日現在)
参考:SBI証券楽天証券

一般NISAやつみたてNISAで投資をするなら、SBI証券のほうが楽天証券よりもメリットを得やすいでしょう。

一般NISA、つみたてNISAとは

一般NISAとつみたてNISAは、現行のNISA(2023年12月31日まで)で利用できる制度です。どちらも、毎年一定の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になります。

一般NISA:幅広い投資対象に、積立投資またはスポット投資での投資が可能
つみたてNISA:金融庁が認定した投資信託への積立投資が可能

なお、一般NISAとつみたてNISAは、どちらか一方を選んで開設します。両方利用することはできません。

つみたてNISAと一般NISAのどちらを選んでも、投資対象商品の銘柄数は楽天証券よりSBI証券のほうが豊富です。また、SBI証券ならIPOをNISAで購入できます。より幅広い選択肢から銘柄を選びたい人は、SBI証券を選びましょう。

\幅広いラインナップ/

iDeCo:SBI証券

SBI証券と楽天証券のiDeCo比較

取扱銘柄数(元本変動型) 取扱銘柄数(元本確保型)
SBI証券 37本 1本
楽天証券 31本 1本
(2023年10月12日現在)
参考:SBI証券楽天証券

iDeCoをするなら、取扱銘柄数が多くラインナップも魅力的なSBI証券がおすすめです。

iDeCoとは

iDeCoは、年金を自分で作るための制度です。毎月一定額を拠出して運用することで、老後資金を積み立てます。拠出金は全額所得控除の対象となり、利息や運用益は非課税です。ただし、受給できるのは原則60歳以降となっています。


SBI証券の場合、運用コストが低い商品(投資信託)「eMAXIS Slimシリーズ」をiDeCo口座からでも購入できます。一方、楽天証券のiDeCoでは「eMAXIS Slimシリーズ」の取扱いがありません。

低コストの投資信託で老後資金形成に取り組みたい場合は、SBI証券を選びましょう。

\iDeCoで節税しながら老後資産づくり/

特定口座(課税口座):楽天証券

特定口座(課税口座)で投資をする場合は、楽天証券がおすすめです。楽天証券なら、日本経済新聞社が提供する「日経テレコン(楽天証券版)」を無料で利用できます。日経新聞、日経産業新聞、日経MJなどの記事を、アプリ上で閲覧可能です。

また、楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」を使えば、簡単に投資情報の閲覧や売買の発注ができます。現物取引、信用取引の注文が最短3タップで完了するため、時間や場所に縛られず取引が可能です。

SBI証券にも株取引用のスマホアプリが用意されており、「四季報」や「バロンズ・ダイジェスト」といった投資情報にアクセスできます。ただし、SBI証券には「日経テレコン」の閲覧サービスはありません。

\投資情報をキャッチ/

使い分けが面倒な人はどっちを選べばいい?

SBI証券と楽天証券の使い分けが面倒な人は、ポイントの種類で選ぶのも1つの方法です。楽天ポイントを利用したい場合は楽天証券を、それ以外のポイントサービスを利用したい場合はSBI証券を検討しましょう。

SBI証券はNISAやiDeCo、楽天証券は情報収集といったように、それぞれ異なる得意分野があります。ただし、どちらも便利な証券会社であることに変わりはありません。証券会社選びに悩んだら、利用できるポイントの種類で判断してみましょう。

楽天ポイントを使わない人:SBI証券

楽天ポイントを使わない人は、SBI証券を利用しましょう。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を使うにあたって、メリットが大きいからです。

なお、SBI証券では、さまざまな取引を通じてポイントを貯められます。貯められるポイントは以下の5種類です。

  • Tポイント
  • Pontaポイント
  • dポイント
  • Vポイント
  • JALマイル

また、対象のクレジットカードを利用して投信積立をすると、積立額の最大5.0%のVポイントがもらえます。

楽天ポイント以外のポイントを貯めたい人は、SBI証券を利用しましょう。

\TポイントやPontaポイントなどを貯められる/

楽天ポイントを使う人:楽天証券

楽天ポイントを普段から使う人には、楽天証券がおすすめです。楽天証券では、楽天カードでのクレカ積立や各種取引で楽天ポイントが貯められます。また、楽天証券の取引内容に応じて、楽天市場を利用した際のポイント付与率もアップ可能です。

楽天銀行や楽天カードとの連携が取りやすいことから、楽天関連サービスの利用が多い人は楽天証券を活用しましょう。

なお、楽天証券では楽天ポイントを使った投資が可能です。ポイント投資の対象商品も豊富なため、貯めたポイントの使いみちに困りません。

\楽天ポイントが貯まる/

SBI証券と楽天証券はどっちがおすすめ?7項目で比較

SBI証券と楽天証券のどちらがおすすめなのかは、投資したい金融商品や投資の仕方によって変わります。

日本株、単元未満株、IPO、米国株、ポイントサービス、銀行との連携、新NISAの7つの項目別に、SBI証券と楽天証券どちらがおすすめかを見ていきましょう。

1. 日本株:SBI証券

日本株の取引をするなら、SBI証券がおすすめです。

SBI証券と楽天証券の日本株取引手数料の比較

手数料(1日あたり) 手数料(1回あたり)
SBI証券 0円 0円
楽天証券 0円 55円~1,070円(税込) ※超割コースの場合
参考:SBI証券楽天証券

SBI証券も楽天証券も、取扱銘柄数や手数料に差はほとんどありません。楽天証券の場合、「超割コース」「いちにち定額コース」を利用すると手数料が発生することがあります。ただし、2023年10月1日からスタートした「ゼロコース」、または「超割コース 大口優遇」のいずれかを選択すれば、国内株式の取引手数料は0円です。

いずれの証券会社を利用しても国内株式の取引手数料は0円に抑えられますが、単元未満株やIPOの条件はSBI証券のほうが優れています。そのため、国内株式の取引全般はSBI証券でまとめておくのがおすすめです。

\手数料無料/

2. 単元未満株:SBI証券

少額で株式投資ができる単元未満株に投資するなら、SBI証券がおすすめです。

単元未満株とは

単元未満株は、100株未満の株式のことです。通常、日本株の売買は1単元100株ごとに行われます。一方、単元未満株であれば1株から購入できるため、少額での取引が可能です。


SBI証券と楽天証券の単元未満株比較

取扱銘柄数 手数料 スプレッド
SBI証券 約3,500銘柄 0円 なし
楽天証券 約1,600銘柄 0円 0.22%
(2023年10月13日現在)
参照:SBI証券楽天証券

SBI証券は楽天証券よりも単元未満株の取扱銘柄数が多いため、幅広い銘柄から投資先を選べます。スプレッドも発生しないため、取引コストなしで単元未満株への投資が可能です。

スプレッドとは

株価と取引価格の差額のことです。スプレッドが少ないほうが、投資家に有利に働きます。

例えば、5,000円の株をSBI証券で10株買っても、取引コストは0円です。一方、楽天証券で単元未満株を購入するとスプレッドが発生するため、5,000円×10株×0.22%=110円のコストがかかります。このコストは売却時にも発生します。

\1株から有名企業の株が買える/

3. IPO:SBI証券

IPO投資をするなら、SBI証券がおすすめです。

IPOとは

未上場株を一般の投資家が売買できるように証券取引所に上場することです。上場直後の株式を購入する行為を「IPO投資」と呼びます。購入は通常抽選制で、証券会社によって取扱銘柄や抽選方法が異なります。

SBI証券はIPOの取扱い実績数が豊富であるため、多くの抽選に参加できる強みがあります。加えて、NISAでIPO投資ができる点も魅力です。利益を出しやすいと言われているIPO投資をNISAで行えば、税制優遇を受けながら利益を狙えます。

SBI証券と楽天証券のIPO比較

2022年度実績数 NISAでの買付可否
SBI証券 92件
楽天証券 65件
参考:SBI証券楽天証券

なお、IPO取引の抽選は、複数の証券会社から参加することが可能です。SBI証券と楽天証券の口座を両方持っている人は、両方から抽選に参加することで当選確率を高められます。

\IPOの抽選にチャレンジ/

4. 米国株:楽天証券

米国株の取引をするなら楽天証券がおすすめです。取扱銘柄数はSBI証券より少ないものの、為替手数料の面でメリットがあります。

ただし、取引手数料、為替手数料ともに、通常時のコストは変わりません。

SBI証券と楽天証券の米国株比較

取扱銘柄数 取引手数料 為替手数料
SBI証券 約5,600銘柄 約定代金×0.495%(最低0円、上限22米ドル) 25銭/米ドル
楽天証券 約4,600銘柄 約定代金×0.495%(最低0円、上限22米ドル) 25銭/米ドル
※ 金額は税込表記
参考:SBI証券楽天証券

楽天証券の為替手数料を抑えたい人は、キャンペーンにエントリーしましょう。為替手数料のキャッシュバックキャンペーンに参加すれば、1米ドルあたり実質片道3銭の為替手数料で米国株が売買可能です。

一方SBI証券の場合は、住信SBIネット銀行で外貨積立をしたあと、SBI証券に外貨を移動することで為替手数料を節約できます。2023年10月13日現在、住信SBIネット銀行の米ドル積立は為替手数料が無料です(買付時)。通常時でも1米ドルあたり3銭の為替手数料となっているので、住信SBIネット銀行の利用者はSBI証券と連携してみましょう。

ただし、手間がかかることや住信SBIネット銀行の口座が必須であることから、総合的に見れば米国株の取引には楽天証券の利用がおすすめです。

\為替手数料実質3銭/

5. ポイントサービス:楽天証券

総合的なポイントサービスは、SBI証券よりも楽天証券のほうがおすすめです。楽天証券の取引やクレカ積立で貯まる楽天ポイントは、幅広い投資先に使えます。特に楽天ポイントを普段から貯めている人や、楽天関連サービスを利用することが多い人は楽天証券を選びましょう。

ここからは、ポイント投資やクレカ積立、投信保有ポイントの3つの観点から、SBI証券と楽天証券を比較していきます。

ポイント投資

ポイント投資で選べる投資先は、楽天証券のほうがSBI証券よりも豊富です。

SBI証券と楽天証券のポイント投資比較

ポイント投資先 投資に使えるポイントの種類
SBI証券 国内株、投信積立、
投資信託スポット購入 (※)
Vポイント、Tポイント、Pontaポイント
楽天証券 国内株、米国株、投資信託(スポット、積立)、バイナリーオプション 楽天ポイント
※ 国内株、投信積立に使えるポイントはTポイントとPontaポイントのみ
参考:SBI証券楽天証券

SBI証券はポイント投資にさまざまなポイントを選択できますが、Vポイントが使えるのは投資信託のスポット購入のみです。一方の楽天証券は、国内株、米国株、投資信託(スポット、積立)、バイナリーオプションといったように、幅広い商品に対してポイント投資できます。ただし、使えるポイントが楽天ポイントに限定されている点には注意しましょう。

クレカ積立

SBI証券と楽天証券なら、対象のクレジットカードで投資信託を積立購入するとポイントが貯まります。

SBI証券と楽天証券のクレカ積立比較

クレカ積立に使える主なカード クレカ積立還元率 クレカ積立上限額
SBI証券 三井住友カード 0.5%~5.0% 5万円/月
楽天証券 楽天カード 0.5%~1.0% 5万円/月
参考:SBI証券楽天証券

クレカ積立還元率の上限はSBI証券のほうが高いものの、還元率が高いのは年会費が有料のクレジットカードです。年会費無料のクレジットカードを使う場合は、SBI証券でも楽天証券でも還元率は0.5%に設定されています。ただし、楽天証券の場合、信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)以上の銘柄に関しては、年会費無料の楽天カードでも還元率は1.0%です。

また、楽天証券では電子マネーの楽天キャッシュ決済による投信積立も可能です。楽天カードから楽天キャッシュにチャージすると0.5%のポイント還元が得られるため、クレカ積立と楽天キャッシュによる投信積立を併用すれば、ポイント還元を受けられる投資額が増やせます。

楽天キャッシュによる投信積立は月額5万円まで可能なので、クレカ積立と合わせれば月額最大10万円まで積立可能です。

投信保有ポイント

SBI証券と楽天証券は、どちらも投資信託の保有残高に応じてポイントが受け取れます。

SBI証券と楽天証券の投資信託保有でもらえるポイント比較

投資信託保有のポイント付与率 もらえるポイントの種類
SBI証券 0.0175%~0.25% Tポイント、Pontaポイント、dポイント、Vポイント、JALマイルのいずれか1つを選択
楽天証券 月末時点の保有残高がはじめて基準残高に達するごとに、10~500ポイント 楽天ポイント
参考:SBI証券楽天証券

SBI証券の場合、投資信託の月間平均保有金額と銘柄の種類に応じてポイントが算出され、付与されます。一方、楽天証券は、月末時点の保有残高がはじめて基準残高に達したときにポイントが受け取れる仕組みです。例えば、投資信託の保有残高がはじめて30万円に到達したときには、30ポイントが付与されます。

長期的にみると、SBI証券のほうが投資信託保有によって貯まるポイント数は多くなる可能性が高いでしょう。とはいえ、投資信託の保有額がそれほど多くない場合、差はわずかです。投信保有ポイントについてはSBI証券のほうが条件は良いものの、ポイントサービス全般で考えれば楽天証券のほうがおすすめです。

\投資信託を持っているだけでポイントが貯まる/

6. 銀行との連携:楽天証券

銀行との連携面で選ぶなら、楽天証券がおすすめです。楽天証券であれば楽天銀行の普通預金と直接連携できることに加えて、預金金利の優遇が受けられます。

SBI証券と楽天証券の銀行連携比較

連携できる銀行 連携後のメリット
SBI証券 SBI新生銀行、住信SBIネット銀行 自動入出金、外貨即時入金、SBIハイブリッド預金金利年0.01%(税引前)
楽天証券 楽天銀行 普通預金金利最大年0.1%(税引前)、自動入出金、取引ごとのポイント付与
参考:SBI証券楽天証券

SBI証券と連携できる銀行のなかで、より多くのサービスを利用できるのは住信SBIネット銀行です。ただし、住信SBIネット銀行の残高をSBI証券に移すためには、連携用の「SBIハイブリッド預金」に申し込む必要があります。そうした手間を考慮すると、楽天銀行の普通預金口座から証券口座へ自動入出金が可能な楽天証券のほうが使いやすいでしょう。

提携口座の金利優遇においても、楽天証券に軍配が上がります。SBIハイブリッド預金金利が年0.01%(税引前)であるのに対して、楽天証券では口座連携を通じて、楽天銀行普通預金金利が最大年0.1%(税引前)にアップします。

\銀行口座の同時開設がおすすめ/

7. 新NISA:SBI証券

2024年1月から、新NISAがスタートしました。気になるのは取引手数料ですが、SBI証券と楽天証券に差はほとんどありません。

SBI証券と楽天証券の新NISA比較

投資信託買付手数料 日本株買付手数料 米国株買付手数料
SBI証券 0円 0円 0円
楽天証券 0円 0円 0円
参考:SBI証券楽天証券

SBI証券、楽天証券ともに、投資信託、日本株、米国株の買付手数料が無料であるため、コストを抑えた運用が期待できます。現行のNISA口座をすでに利用している人は、新NISA開始時に自動で新しいNISA口座が設定されます。金融機関の変更も可能ですが、現行のNISA口座がSBI証券にあればSBI証券を、楽天証券にあれば楽天証券をそのまま利用したほうが手続きもスムーズでしょう。

一方、2023年中に一般NISAやつみたてNISAを始めた場合は、一般NISAやつみたてNISAの投資におすすめのSBI証券でNISA口座を開設し、2024年になったらそのままSBI証券で新しいNISAを始めるとよいでしょう。

\新NISAで資産形成/

SBI証券と楽天証券に関するよくある質問

SBI証券と楽天証券の使い分けや併用に関して、よくある質問と回答を紹介します。

楽天証券からSBI証券への移管はどうすればいい?

楽天証券からSBI証券に投資商品を移管するためには、楽天証券での手続きが必要です。保有資産が株式なら「口座振替依頼書」または「特定口座内上場株式等移換依頼書」を、投資信託なら「投資信託振替依頼書」を楽天証券に請求します。

必要事項を記入したら、楽天証券に提出してください。詳しくは関連記事で解説しています。

なお、NISA口座で運用している商品は、他社へ移管することはできません。NISA口座の金融機関を変更した場合においても、保有中の商品は変更前の金融機関の管理下にあります。

NISAやiDeCoはSBI証券と楽天証券の両方で口座開設できる?

NISAやiDeCoは、1人1口座しか開設できません。たとえ重複して開設を申し込んだとしても、すでに別の証券会社で口座を持っている場合は開設されない仕組みです。

ただし、NISA口座は楽天証券を選び、iDeCoはSBI証券で運用するといった使い分けは可能です。また、NISAとiDeCoのいずれにおいても、あとから金融機関を変更できます。

NISAやiDeCoでの投資を考えているならSBI証券を中心に使い分けてみよう

NISAやiDeCoの口座は、1人1口座しか開設できません。金融機関はあとから変更できるものの、手続きには手間と時間がかかります。面倒を避けるためにも、最初からできるだけ条件が良く、使いやすい証券会社を選びましょう。

取扱銘柄数や種類を比較すると、NISAにおいてもiDeCoにおいても、SBI証券のほうが楽天証券よりもおすすめです。ただし、楽天ポイントを普段から使用している人は、楽天ポイントが活用しやすい楽天証券を利用しましょう。あるいは、NISA口座やiDeCoで取引したい商品を確認して、「iDeCoはSBI証券、NISAは楽天証券」といった使い分け方をするのも1つの方法です。

最適な証券会社は、個人の投資スタイルや暮らし方によっても異なります。まずはおすすめ度の高いSBI証券のNISAやiDeCoをチェックし、必要に応じて楽天証券の併用を検討してみましょう。

\コツコツ資産形成を始めよう/

北川 真大

金融系ライター・個人投資家

明治大学法学部卒業後、証券会社に入社。入社後すぐに2級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得し、個人営業に従事。証券営業の経験をもとに金融系の記事執筆やKindle出版を開始し、現在はフリーライターとして活動中。日本株、投資信託、暗号資産、不動産を保有する個人投資家でもあり、日本株の投資歴は累計7年以上に及ぶ。