SBI証券と楽天証券iDeCoを始めるならどっち?特徴やメリット・デメリットを徹底比較

iDeCoを始めようと思ったときにSBI証券や楽天証券の大手証券会社のどちらを選べばよいのか考えてしまうでしょう。この記事では下記、悩んでいる人のために両者を徹底的に比較して説明します。

「SBI証券や楽天証券、どちらで口座を開設すればいいのか?」
「証券会社によって何が違うの?」
「自分にはどっちの口座が合っているのか?」

どちらの証券会社も、iDeCoの口座管理手数料が低水準であることや、信託報酬が安い投資信託を複数取り扱っている点が魅力です。また、SBI証券は投資できる銘柄の豊富さや、投資先をアドバイスしてくれるDC Doctorが利用できるのが特徴といえます。一方で、楽天証券は動画などの情報コンテンツの豊富さや扱いやすい運用管理ツールが魅力です。

目次

  1. SBI証券と楽天証券、iDeCoするならどっち?
    1. SBI証券がおすすめな人
    2. 楽天証券がおすすめな人
  2. SBI証券と楽天証券をiDeCoで比較
    1. SBI証券と楽天証券で手数料は変わらない
    2. iDeCoの商品数はSBI証券のほうが多い
    3. iDeCoのその他サービスは両方充実
  3. SBI証券のiDeCoにおけるメリットと注意点
    1. SBI証券で始めるiDeCoのメリット
    2. SBI証券で始めるiDeCoの注意点
  4. 楽天証券のiDeCoにおけるメリットと注意点
    1. 楽天証券で始めるiDeCoのメリット
    2. 楽天証券で始めるiDeCoの注意点
  5. SBI証券と楽天証券でiDeCoをやっている人の口コミ・評判
    1. SBI証券でiDeCoをやっている人の口コミ・評判
    2. 楽天証券でiDeCoをやっている人の口コミ・評判
  6. iDeCoを始める証券会社選び4つのポイント
    1. 商品のラインナップ
    2. 手数料と信託報酬
    3. サポート体制
  7. iDeCo口座を変更する際の手続き方法4ステップ
    1. 移換先の証券会社に資料請求
    2. 申込書類提出
    3. ID・パスワード受け取り
    4. 移換先で運用開始
    5. iDeCo運用口座変更の際の注意点
  8. SBI証券と楽天証券のiDeCoについてよくある質問
    1. SBI証券のイデコは口座引き落としできますか?
    2. SBI証券のiDeCoの受け取り手数料はいくらですか?
    3. SBI証券の投信マイレージはiDeCoの対象ですか?
    4. iDeCoの引き落とし口座はどこでもいいですか?

SBI証券と楽天証券、iDeCoするならどっち?

SBI証券と楽天証券では、どちらでiDeCoを始めるのが良いでしょうか。この記事の結論を先にお伝えしますが、各社でおすすめなのは以下のような人です。

SBI証券がおすすめな人 ・投資の中級者でポートフォリオにこだわりたい人
・自分で最適な投資先を選ぶのが困難な人
・運用コストをできるだけ抑えたい人
楽天証券がおすすめな人 ・iDeCoや投資について勉強しながら投資していきたい人
・わかりやすい操作画面で管理したい人
・スマホでiDeCoの資産管理したい人

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

SBI証券がおすすめな人

SBI証券のiDeCoを利用するのがおすすめな人は次の通りです。

  • 投資の中級者でポートフォリオにこだわりたい人
  • 自分で最適な投資先を選ぶのが困難な人
  • 運用コストをできるだけ抑えたい人

SBI証券は投資できる銘柄が豊富なので、自分の投資意向に応じて柔軟にポートフォリオ構築が可能です。アジア株式のファンドやコモディティ全般に投資するファンドなどまでそろっているのはSBI証券ならではといえるでしょう。

またDC Doctorを活用すれば投資家の属性や資産状況、リスク許容などに応じて最適なポートフォリオを組んでもらえます。自分にとって最適な投資ファンドがわからない人でも、SBI証券はおすすめです。

DC Doctorとは、SBI証券が用意しているWebアプリケーションでiDeCoでの資産形成のサポートをしてくれます。ニーズに合ったポートフォリオ提案、運用商品選びのサポートなど複数の機能があり、簡単な質問に回答していくとあなたに合わせた運用の提案をしてくれるアプリケーションです。

最後にiDeCo自体の手数料が低く、さらにiDeCoにおいて信託報酬0.10%未満のファンドを4つも取り扱うSBI証券は、コストを最小化して運用したい人にも適しています。

\DC DoctorでiDeCoの銘柄選びも簡単!/

楽天証券がおすすめな人

楽天証券がおすすめな人は下記に当てはまる人です。

  • iDeCoや投資について勉強しながら投資していきたい人
  • わかりやすい操作画面で管理したい人
  • スマホでiDeCoの資産管理したい人

楽天証券は、iDeCoオリジナルの動画や「トウシル」における金融市場や投資一般の動画など豊富なコンテンツがそろっています。動画を参考にすれば、投資やiDeCoについて学びながら運用を始められるでしょう。

また複雑な操作画面を苦手とする人にも楽天証券がおすすめです。管理画面がシンプルで分かりやすいため、操作に困ることも少ないでしょう。最後に楽天証券では、スマホオリジナルのiDeCo管理画面があることも特徴です。

楽天証券がおすすめな人
出典:楽天証券

普段パソコンを開く頻度が少なくスマホで管理を完結させたい人にもおすすめです。

\スマホでiDeCoを管理するなら!/

SBI証券と楽天証券をiDeCoで比較

ここからは、SBI証券と楽天証券のiDeCoについて比較していきます。以下は両者のiDeCoの比較表です。

SBI証券 楽天証券
口座開設手数料 2,829円(税込) 2,829円(税込)
口座管理手数料
(掛金拠出がある場合)
171円(税込)
運営管理手数料は0円
171円(税込)
運営管理手数料は0円
iDeCo対応銘柄数
(元本変動銘柄)
37銘柄 35銘柄
iDeCo対応銘柄数
(元本確保銘柄)
1銘柄 1銘柄
投資支援サービス ・「DC Doctor」の商品選びサポート
・投資情報メディア
・iDeCoお役立ちコンテンツ
・iDeCoの動画セミナー
・トウシルでの情報発信
サポート体制 ・iDeCo(個人型確定拠出年金)サポートデスク

対応時間は制限なし
平日および土曜日、日曜日
(年末年始・祝日を除く)
・フリーダイヤルでの専用コールセンター

対応時間
平日:10~19時
土曜日:9~17時

\SBI証券でiDeCoを始める!/

SBI証券と楽天証券で手数料は変わらない

手数料については、SBI証券と楽天証券で変わりません。まず加入時の手数料は税込で2,829円ですが、これはすべての金融機関で共通です。次に口座管理手数料は、運用期間中に毎月発生するものとなります。このうち加入者手数料105円(税込)と事務委託先金融機関の66円(税込)についても各金融機関で共通です。

なお金融機関によっては、このほかに運用管理手数料を徴収する場合がありますが、SBI証券と楽天証券はいずれも運用管理手数料0円となっています。そのため資金を拠出している「加入者」の月額の手数料はどちらも月額171円(税込)です。(資金拠出がない場合は66円(税込))

最後に給付を受けるときには、振り込みのたびに440円(税込)がかかります。こちらも各金融機関共通です。

iDeCoの商品数はSBI証券のほうが多い

SBI証券と楽天証券の取扱銘柄数は、以下の通りです。各カテゴリにおいて取扱銘柄数の合計はSBI証券のほうが多くなっています。

SBI証券 楽天証券
合計 38銘柄 32銘柄
国内株式 5銘柄 6銘柄
国内債券 1銘柄 2銘柄
国内REIT 1銘柄 2銘柄
外国株式/国内外株式/国際株式 16銘柄 7銘柄
海外債券/国際債券 4銘柄 4銘柄
海外REIT/国際REIT 1銘柄 1銘柄
バランス型/ターゲットイヤー型 8銘柄 8銘柄
コモディティ 1銘柄 1銘柄
元本確保型 1銘柄 1銘柄
出典: SBI証券楽天証券

それぞれのカテゴリで見ると、特に外国株式についてはSBI証券のほうがラインナップが充実している傾向です。楽天証券の場合、全世界株、先進国、米国、新興国と主要カテゴリのインデックスファンド、アクティブファンドが3銘柄です。SBI証券では、海外株式に投資するインデックスファンドだけで8銘柄あり、米国や先進国株式などは複数のインデックスファンドを取りそろえています。また、海外株式へ投資するアクティブファンドも8銘柄とラインナップ豊富です。特に、外国株式の銘柄ラインナップを重視するならSBI証券を選ぶのがおすすめといえます。

一方で、国内の株式や債券、REITに投資するファンドは、若干ながら楽天証券の方がそれぞれ多くなっています。国内資産へ投資するファンドの選択肢の豊富さを優先するなら、楽天証券を利用するのも一案です。

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iDeCoのその他サービスは両方充実

iDeCoに関連するその他サービスは、SBI証券と楽天証券どちらも魅力的です。例えばSBI証券では「DC Doctor」と呼ばれるロボアドバイザー機能があります。このサービスは、基本情報を入力しいくつかの質問に答えるとその人に最適なiDeCoのポートフォリオを見ることができる機能です。

SBI証券は、取扱銘柄数が多いため、投資先に悩んでしまう場合もありますが、このシステムを使えば初心者でも投資先を決めやすいでしょう。

楽天証券は、情報コンテンツが豊富なのが魅力的です。独自のiDeCoスタートガイドの配布やiDeCoの動画セミナーを行っているため、情報コンテンツを参考にすればスムーズにiDeCoでの運用を進められます。

\iDeCoの情報コンテンツが豊富!/

SBI証券のiDeCoにおけるメリットと注意点

SBI証券のiDeCoには、銘柄の豊富さやDC Doctorによる銘柄選びのサポートが魅力な一方で、分割給付の選択肢が少ないなどの注意点があります。ここからは、SBI証券のiDeCoにおけるメリットと注意点を見ていきましょう。

SBI証券で始めるiDeCoのメリット

SBI証券でiDeCoを始めるメリットは次の通りです。

  • 銘柄豊富で投資先を柔軟に選べる
  • DC Doctorで簡単に投資先を決められる
  • 信託報酬の低いインデックスファンドを複数扱っている

SBI証券のiDeCoの大きな強みは、38銘柄の豊富な銘柄ラインナップです。投資する国や株、債券といった資産クラスを、自分の投資意向に沿って柔軟に選べます。またDC DoctorというiDeCo専用のロボアドも便利です。リスク許容度や運用目標をもとに、最適なポートフォリオを提案してもらえます。さらに運用期間中は、リバランスの提案まで行ってくれる便利な機能です。

最後に信託報酬が低いインデックスファンドを複数扱っているのも特徴です。たとえば信託報酬が年間0.10%以下のファンドとして、次の銘柄があります。

銘柄 信託報酬(税込) 投資先
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) 0.05775%以内 国際株式/グローバル
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.09372%以内 国際株式/北米
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.09889%以内 国際株式/グローバル
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.09889%以内 国際株式/グローバル

コストを抑えて運用するうえでも、SBI証券のiDeCoはおすすめです。

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SBI証券で始めるiDeCoの注意点

SBI証券でiDeCoを始める場合、次の点には、注意が必要です。

  • 給付の自由度が低い
  • 手数料がかかる
  • 60歳まで引き出せない

SBI証券のiDeCo固有の注意点としては、給付時の自由度が低いことがあげられます。SBI証券の場合は受給期間を5年、10年、15年、20年、年間の支給回数を1回・2回・4回・6回のなかから選択する仕組みです。証券会社によっては、1年刻みで支給期間を指定するなど、より柔軟に選べる先もあります。

その他の注意点は、iDeCoに共通するものですが、特に手数料については、証券会社が水準を決められる運営管理手数料が0円なだけで、すべての手数料が無料というわけではない点に注意しましょう。また、他の金融機関を利用しても同様ですが、原則として60歳まで引き出せない点も忘れてはいけません。

楽天証券のiDeCoにおけるメリットと注意点

楽天証券のiDeCoは、豊富な情報コンテンツや管理しやすい画面などが魅力である一方、投資できる銘柄の少なさがデメリットです。またiDeCoの拠出額や残高に比例して恒常的に楽天ポイントが貯まる制度がない点にも注意しましょう。ここからは、楽天証券のiDeCoのメリットと注意点を紹介します。

楽天証券で始めるiDeCoのメリット

楽天証券でiDeCoを始めるメリットは、次の3点です。

  • 動画での情報コンテンツが豊富
  • 資産管理がしやすい管理画面

楽天証券では、iDeCoに関してさまざまなセミナー動画を発信しています。動画を参考にすれば、初めてiDeCoにチャレンジする人でも、戸惑うことなく運用できるでしょう。また一目で資産残高やポートフォリオなどが確認できる見やすい管理画面も特徴です。

楽天証券で始めるiDeCoのメリット
出典:楽天証券

楽天証券は、証券IDとiDeCoのIDが同一です。証券口座のWebサイトのなかでiDeCoの管理もできるため、普段の証券投資と同じ感覚でiDeCoの口座管理ができます。

\初心者でもわかりやすい!/

楽天証券で始めるiDeCoの注意点

楽天証券でiDeCoを始める場合の注意点は、以下の4つです。

  • 残高や拠出額では楽天ポイントが貯まらない
  • 選べる銘柄の選択肢が少ない
  • 手数料がかかる
  • 60歳まで引き出せない

楽天ユーザーが注意したいのは、iDeCoの運用で楽天ポイントを貯める手段は限定的であることです。毎月の拠出額や残高などに応じてポイントが付与される制度はありません。楽天銀行を引き落とし口座にすれば1回の取引回数とカウントされて毎月1~3ポイントがつきますが、証券口座と比べるとインパクトは小さいでしょう。

またSBI証券などと比較したときに投資先の選択肢が少ない点にも注意が必要です。その他の注意点は、iDeCoに共通するものですが、楽天証券でiDeCoを始める際にも押さえておいてください。

SBI証券と楽天証券でiDeCoをやっている人の口コミ・評判

ここからは、SBI証券と楽天証券、それぞれのX(旧Twitter)の口コミを紹介していきます。SBI証券では、手数料が無料であることやDC Doctorの使いやすさなどを評価するコメントが見られます。一方、楽天証券はWebサイトの見やすさやスマホで手続きが完結させられる点などが好評です。

SBI証券でiDeCoをやっている人の口コミ・評判

SBI証券のX(旧Twitter)での口コミをいくつか紹介します。

“iDeCoの手数料無料化が話題ですが、楽天証券やSBI証券は以前から無料です。
運営管理手数料が無料でも国基連と信託銀行への171円は発生します。
iDeCoは節税効果が大きいですが運用期間が長期間となるので、手数料には気をつけたいですね。”

引用:https://twitter.com/snowzettai/status/1698805748632015189

運用管理手数料が無料であることに着目する投資家は少なからずいるようです。また、手数料全てが無料というわけではない点には注意しましょう。

“SBI証券のiDeCoで始まった「DC Doctor」ってサービス、使ってみた→登録は簡単でした。リスク許容度に関する質問5個聞かれるんだけど、「こんなん入れとけば?」って、リバランスの提案してくれる感じ。わたしの場合、日本株少ないからニッセイの日経平均インデックスファンドを推された笑”

引用:https://twitter.com/search?q=SBI%E8%A8%BC%E5%88%B8%20DC%20Doctor&src=typed_query&f=top

DC Doctorを実際に使用した人からは、少しの質問に応えるだけで最適な投資先やリバランス方針がわかると好評です。

“iDeCo口座を開設予定の方は証券会社選びに注意してください🌱iDeCoの商品ラインナップはNISAよりも少ないので、投資したい商品を決めてから口座開設する必要があります。特に、SBI証券のiDeCo口座ではオルカンに投資できません。(日本を除くしか無いです)気をつけてください🙆オルカンに投資したい方は楽天証券かマネックス証券で解説してくださいね🌱”

引用:https://twitter.com/window_miffy/status/1699199797016858678

以上のようなコメントがありましたが、2023年9月8日現在ではSBI証券でも日本を含む全世界の株式に投資する「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」というファンドを選択可能です。

\iDeCoのDC Doctorが好評!/

楽天証券でiDeCoをやっている人の口コミ・評判

楽天証券でiDeCoをやっている人の口コミには、以下のようなものがあります。

“知らないともったいない!!サイトが見やすくてわかりやすいのはダントツ楽天証券。
iDeCoでは運用利回りが表示され、掛金の配分変更も簡単。楽天証券の株アプリ「ispeed」も超便利✨四季報や日経テレコンも見れます!!スマホから手軽に見れて、通勤時間や隙間時間を有効活用できます!”

引用:https://twitter.com/tabikuma_chan/status/1505347094131113988

やはり、Webサイトが見やすいことに対して好意的な意見を寄せる人が少なからず存在します。

“転職先からiDeCo加入に必要な書類を返却してもらったので、早速楽天証券で申請😁
全部スマホで申請出来るから楽チン👍
前職の企業型確定拠出年金からの移行も簡単でした✌️”

引用:https://twitter.com/cabu1064/status/1423125144491368451

スマホから手続きができる利便性の高さも楽天証券の魅力の一つのようです。

“iDeCoの評価損益ももうすぐ50%になりそう!
楽天証券なので選べる銘柄が微妙だから仕方なく楽天VTIにしてるけどeMaxis slim 全米株式とかも取り扱って欲しいな。”

引用:https://twitter.com/otamaVTI/status/1699026087999918288

選べる銘柄の少なさを指摘するコメントもありました。楽天証券でも主要な地域や資産への分散投資は可能ですが、さらにこだわる場合はSBI証券を利用するのも一案です。

\スマホでiDeCoを管理するなら!/

iDeCoを始める証券会社選び4つのポイント

iDeCoを始めるときの証券会社選びの主なポイントは、以下の4つです。

  • 商品のラインナップ
  • 手数料と信託報酬
  • サポート体制
  • その他サービスやキャンペーン

iDeCoは、1つの証券会社もしくは銀行・信用金庫などの金融機関でしか運用できないため、自分に合った先を慎重に選ぶことが大切です。それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

商品のラインナップ

商品のラインナップが多い証券会社を選ぶことが重要です。iDeCoでは、投資信託、定期預金や生命保険に投資ができますが、選択できる金融商品の種類は証券会社によって異なります。選択できる商品ラインナップが多い証券会社のほうが、自分の投資方針に合わせて柔軟にポートフォリオを構築できるのでおすすめです。ちなみに主要証券会社の商品ラインナップ数は、以下のようになっています。

SBI証券 38銘柄
楽天証券 32銘柄
マネックス証券 27銘柄
松井証券 40銘柄
auカブコム証券 27銘柄
野村證券 32銘柄
SMBC日興証券 30銘柄

iDeCoの銘柄数で見ると、松井証券およびSBI証券のラインナップが充実していることがわかります。

\豊富な選択肢から投資先を選ぶなら!/

手数料と信託報酬

手数料や投資先の信託報酬を抑えられる証券会社を選ぶことも大切です。手数料を抑えることで、余計なコストをかけずにiDeCoの運用が可能です。

iDeCoの運用中にかかる月額の口座管理手数料の内訳は次の通りです。(すべて税込)

国民年金基金連合会 105円
事務委託先金融機関 66円
運営管理機関 金融機関によって異なる
合計 171円~
2023年9月8日時点、出典: iDeCo公式サイトSBI証券 、毎月掛け金を拠出している「加入者」の場合

口座管理手数料のなかの運営管理手数料は、金融機関によって異なります。2023年9月時点では、SBI証券や楽天証券をはじめ複数の金融機関において運営管理手数料が無料です。その場合、口座管理手数料は国民年金基金連合会への105円と事務委託先金融機関への66円の合計で月額171円(税込)となります。

口座管理手数料は、毎月かかる費用のため、数百円の差でも60歳まで継続していると運用成果に大きなインパクトをもたらしかねません。また信託報酬は、投資信託などへ投資するときに投資家が間接的に負担する費用です。直接投資家が自己資金から支払うことはありませんが、ファンドの資産の中から日々計上されるため、ファンドの運用成績の低下要因となります。仮に他の条件や手数料を加味する前の運用成績が全く同じだった場合は、信託報酬が低い商品のほうが、手数料などを考慮したときのパフォーマンスが高くなります。

信託報酬は、投資信託や証券会社によって異なるため、安い商品を多く扱っている証券会社を選んだほうがよいでしょう。

\iDeCoの手数料の安さが魅力!/

サポート体制

iDeCoに関するサポート体制が充実した証券会社のほうが安心して運用できます。iDeCoに関するサポートは、以下のようなサービスがあります。

  • コールセンター
  • セミナー動画などの教育コンテンツ
  • ロボアドバイザー

SBI証券や楽天証券などのように、証券会社によってはiDeCo専用のコールセンターを設置しています。不明点や手続きで悩んだ際など、すぐに問い合わせられるので便利です。

またiDeCoでは、金融市場への理解や資産運用の知識が求められるため、セミナー動画や教育コンテンツなどが充実している証券会社のほうがよいでしょう。例えばSBI証券では投資情報メディア、楽天証券ではiDeCo独自の動画セミナーやトウシルなど豊富な動画コンテンツを取り扱うメディアを運営しています。

証券会社によっては、銘柄選びなどをサポートしてくれるロボアドシステムを利用可能です。例えばマネックス証券は、iDeCo専用ロボアドが最適なプランを提案してくれます。このようにiDeCoを選ぶ場合は、サポート体制が充実している証券会社を選ぶのがよいでしょう。

iDeCo口座を変更する際の手続き方法4ステップ

iDeCoの口座変更は、これから利用する移換先での手続きで完結します。大きく分けて次の4つの手順で進めます。

  • 移換先の証券会社に資料請求
  • 申込書類提出
  • ID・パスワード受け取り
  • 移換先で運用開始

移換先の証券会社に資料請求

最初に行うのは、移換先の証券会社からの資料請求です。SBI証券も楽天証券も資料請求自体は、Web上で完結しますが、資料や申込書類は紙ベースとなります。

移換先の証券会社に資料請求
出典:SBI証券
移換先の証券会社に資料請求
出典:楽天証券

SBI証券の場合はiDeCoのWebページの右上部から「お申し込み(無料)」をクリックすると始められます。楽天も同様に右上の「iDeCo加入・移換申込はこちら」から手続きします。資料請求に際しては、個人情報の入力が必要です。移換先の証券会社の入力フォームに従って住所や氏名、生年月日や電話番号などを埋めていきましょう。

一通り入力し、確認も終えたら資料請求の手続きの完了です。1週間から10日ほどで記入した住所に申込書類が届きます。

申込書類提出

申込書類には、iDeCoに関する書類と返送用封筒が入っています。また楽天証券のように独自のガイドブックなどの補助資料を同封している場合もあります。

申込書類提出
出典:楽天証券

書類には、個人情報のほか、毎月の掛金の引き落とし口座などを記入しましょう。なお楽天証券の場合は、この時点で運用商品の配分を指定することも可能です。一通り記入したら、返送用封筒で送り返します。ここから国民年金基金連合会の審査等の手続きが入るため、しばらく時間がかかります。

ID・パスワード受け取り

国民年金連合会や証券会社の審査や事務対応が完了すると、移換先の証券会社の「加入者サイト」にログインするためのID、とパスワードが書かれたハガキが記載した住所に届きます。申込書類返送後から、ハガキが届くまでの目安は楽天証券・SBI証券それぞれ以下の通りです。

  • 楽天証券:1~2ヵ月程度
  • SBI証券:申込書類が毎月1~5日までに当社着分→翌月中旬に発送、毎月6日~月末までに当社着分→翌々月中旬に発送

いずれも書類不備がない前提でのスケジュールです。不備があるとさらに遅れる可能性もあるので、注意しましょう。

移換先で運用開始

IDとパスワードが届けば、これから使用する移換先の証券会社で掛金の変更、すでに運用している部分の預け替えなどが可能です。ただし移換資産の入金が完了するタイミングは、ID・パスワードが判明するよりもあとになる可能性もあります。(SBI証券の場合、書類受付から約1ヵ月半~3ヵ月後)

また掛金の振替も随時開始されます。SBI証券の場合、書類不備がない前提での掛金の引き落としスケジュールは以下の通りです。

移換先で運用開始
出典:SBI証券

以上で移換手続きは完了です。移換先の証券会社で残高管理や掛金変更、投資先の変更などを行っていきます。

\早速SBI証券でiDeCoの手続きを始める!/

iDeCo運用口座変更の際の注意点

iDeCoの運用口座変更においては、次の点に注意してください。

  • 変更時に一度資産を現金化することになる
  • 口座変更に手数料がかかる場合がある
  • 数ヵ月程度時間がかかることも

iDeCoの移換で証券会社が変わると運用商品も変わるため、すべての資産を一度売却して現金化して再配分が必要です。それまで運用していた商品を継続して保有することはできません。また口座移換する際に手数料が証券会社もあります。手数料がかかるかどうか、また損金額は移換する前の証券会社によって異なるため、既存の運用口座を確認しておきましょう。

最後に書類不備などがない場合でも、口座移換には最長数ヵ月程度の時間がかかります。ID・パスワードが来るまでは掛金の資産配分の指示もできません。その間の相場変動で資産額が変動するリスクにも注意が必要です。

SBI証券と楽天証券のiDeCoについてよくある質問

最後に、SBI証券や楽天証券のiDeCoに関するよくある質問を紹介します。

  • SBI証券のiDeCoは口座引き落としできますか?<
  • SBI証券のiDeCoの受け取り手数料はいくらですか?
  • SBI証券の投信マイレージはiDeCoの対象ですか?

SBI証券のイデコは口座引き落としできますか?

証券口座からiDeCoの掛金を引き落とすことはできないため、掛金引落金融機関を指定しなければいけません。

SBI証券のiDeCoの受け取り手数料はいくらですか?

60歳以降に給付金を受け取る場合、1回の振り込みにつき440円の手数料が発生します。一時金で受け取った場合、手数料は1度だけですが、年金で受け取る場合は都度手数料がかかるため、押さえておきましょう。

SBI証券の投信マイレージはiDeCoの対象ですか?

SBI証券の投信マイレージは、所定の投資信託の保有残高に応じて毎月ポイントが貯まるサービスですが、iDeCoでの運用資産は対象外となります。投信マイレージを活用したい人は、証券口座のほうで投資信託を購入しましょう。

iDeCoの引き落とし口座はどこでもいいですか?

引落金融機関には、例えば以下のような先が選べます。

  • 都市銀行
  • 地方銀行
  • ゆうちょ銀行
  • 一部の信託銀行
  • 信用金庫
  • 労働金庫
  • 信用組合
  • 農業協同組合など

一部のネット銀行および信託銀行は引き落としに対応していない場合がありますので注意してください。

\楽天証券でiDeCoを始める!/

Mr.KO

金融系ライター・個人投資家

株式投資、FX、ノックアウトオプションを15年以上継続している現役トレーダー。年間数百万の利益を7年間継続している。 多くの証券会社やFX会社で実際に口座開設し、取引してきた経験から業者比較やトレードノウハウなどの執筆を行うライターとしても活動中。

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