新NISAをきっかけにして投資を始めようと考える人のなかには、「ネット証券が多すぎて選べない」「人によっておすすめが異なるのでどれがいいのかわからない」と感じる人もいるのではないでしょうか。
実際に松井証券をはじめとした大手ネット証券だけでも5社、GMOクリック証券など大手ネット証券以外も含めると10社以上あります。
GMOクリック証券と松井証券を比較すると松井証券のほうがおすすめですが、他のネット証券を使うほうがいい場合もあるので、この2社にこだわらずに比較検討しましょう。
この記事では、GMOクリック証券と松井証券の2社だけでなく、他のネット証券とも比較します。どの証券会社で新NISAを始めようか迷っている人は、チェックしてみましょう。
GMOクリック証券と松井証券を比較【7項目】
GMOクリック証券と松井証券を7項目で比較すると、日本株を新NISA以外で取引する場合を除いて松井証券のほうがおすすめです。
【GMOクリック証券と松井証券の比較表】
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
①新NISA | 手数料無料 (日本株) | 手数料無料 (日米株/投資信託) |
②iDeCo | 取り扱いなし | 40銘柄 |
③日本株 | 1日100万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) | 1日50万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) |
④ミニ株 (単元未満株) | 売却のみ | 売却のみ |
⑤米国株 | 69銘柄(CFD) | 3,668銘柄 |
⑥IPO(※) | 0社 | 70社 |
⑦ポイントサービス | なし | 松井証券ポイント |
①新NISA|松井証券がおすすめ
新NISAは、日本株や米国株、投資信託の手数料が無料になる松井証券がおすすめです。
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
米国株(新NISA) | 非対応 | 手数料無料 |
日本株(新NISA) | 手数料無料 | 手数料無料 |
単元未満株(新NISA) | 2.2% (売却のみ) | 手数料無料 (売却のみ) |
取扱銘柄数(新NISA) (つみたて投資枠) | 35銘柄 | 230銘柄 |
新NISAは、すべての金融機関のなかで1人1口座しか開設できません。GMOクリック証券では、米国株が取引できないなど取扱商品の制約が大きいため、松井証券を選びましょう。
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【関連記事】NISAの恒久化とは?現制度との比較やNISA開始のメリットを解説
②iDeCo|松井証券がおすすめ
GMOクリック証券では、iDeCoを取り扱っていないため、松井証券を選びましょう。
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
iDeCoの取扱銘柄数 | 取り扱いなし | 40銘柄 |
松井証券のiDeCoは、業界最低水準の運用コストを目指し続ける銘柄として投資家から人気のある「eMAXIS Slimシリーズ」をすべて取り扱っており、コストを抑えて投資できます。
\iDeCoの取扱銘柄数は業界最多水準/
③日本株|松井証券がおすすめ
日本株は、松井証券よりもGMOクリック証券がおすすめです。
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
日本株の手数料 | 1日100万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) | 1日50万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) |
ただし日本株の手数料は、SBI証券と楽天証券が金額や新NISAか否かを問わず無料にしています。日本株は、どこで買っても手数料以外に目立った差がないため、手数料無料のSBI証券や楽天証券を選びましょう。
④ミニ株(単元未満株)|どちらも取り扱いなし
GMOクリック証券と松井証券は、どちらも単元未満株(1~99株の日本株)が買えません。日本株を1株から買いたいなら、手数料無料で取引できるSBI証券または楽天証券を選びましょう。
【関連記事】ミニ株購入のおすすめ銘柄と証券会社選びのポイントを徹底解説
⑤米国株
米国株は、新NISAで取引できる松井証券がおすすめです。GMOクリック証券では、米国株に投資する場合はCFD(差金決済)取引を利用するしかなく、新NISAでの取引には対応していません。
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
米国株の取引手数料 (新NISA) | 非対応 | 無料 |
米国株の取引手数料 (新NISA以外) | 無料(※) | 0.495% (上限22米ドル) |
為替手数料 | 無料 | 無料 |
米国株の取扱銘柄数 | 69銘柄(CFD) | 4,156銘柄 |
米国株投資を始めるなら、新NISAで手数料無料となる松井証券を選びましょう。
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⑥IPO
IPO(新規公開株)は、GMOクリック証券では2023年の実績が1社もないため、松井証券がおすすめです。松井証券のIPOなら、事前入金不要で抽選に参加できます。
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
IPO実績数 | 0社 | 70社 |
ただしIPOでは、SBI証券が業界最多の実績数を誇り、2023年は91社もあります。IPO投資を始めるなら、GMOクリック証券や松井証券ではなく、SBI証券を選んだほうがいいでしょう。
\IPOの実績数は業界最多/
SBI証券についてさらに詳しくはこちら
【関連記事】SBI証券で口座開設するメリットを紹介
⑦ポイントサービス
ポイントサービスは、投資信託の保有で松井証券ポイントが貯まり、ポイント投資もできる松井証券がおすすめです。松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイント、Amazonギフトカードに交換できます。
GMOクリック証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
対象ポイント | なし | 松井証券ポイント |
ポイント投資の対象商品 | - | 投資信託 (3銘柄) |
松井証券は、投資信託の保有でもらえるポイントの還元率が高く一部の銘柄を除いてネット証券最大手のSBI証券を上回ります。投資信託をメインに長期投資するなら、松井証券を選びましょう。
\投信保有によるポイント還元率が業界最高/
GMOクリック証券と松井証券以外でおすすめのネット証券
GMOクリック証券と松井証券の2社だけで比べれば松井証券ですが、他にもおすすめのネット証券があります。
例えば単元未満株が取引でき、クレカ積立(クレジットカード決済ができる投信積立)に対応しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券のほうが使いやすいです。
SBI証券:ポイントサービスや取扱銘柄数が充実している
SBI証券は、ポイントサービスや取扱銘柄数が充実しています。6種類のポイントのどれかを選んで貯められるだけでなく、TポイントやPontaポイントなら日本株や投資信託にポイント投資ができます。
SBI証券と松井証券の比較
SBI証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
新NISA | 手数料無料 (日米株/投資信託) | 手数料無料 (日米株/投資信託) |
iDeCo | 38銘柄 | 40銘柄 |
日本株 | 手数料無料 | 1日50万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) |
ミニ株 (単元未満株) | 手数料無料 | 売却のみ |
米国株 | 5,225本 | 3,668本 |
IPO※ | 91社 | 70社 |
クレカ積立 ポイント還元率 | 0.5~5.0% (三井住友カード) | 非対応 |
ポイントサービス | Tポイント Vポイント Pontaポイント dポイント JALのマイル PayPayポイント | 松井証券ポイント |
単元未満株への対応やIPOでの圧倒的な実績など松井証券より優れている点が多いため、どの証券会社で投資を始めたらいいのかわからない人は、SBI証券を選ぶのが無難です。
\ネット証券最大手でサービスも充実/
楽天証券:楽天ポイントが投資に使える
楽天証券は、楽天ポイントが投資に使えます。投資信託へのポイント投資はもちろん、日本株や米国株にも楽天ポイントを利用可能です。
楽天証券と松井証券の比較
楽天証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
新NISA | 手数料無料 (日米株/投資信託) | 手数料無料 (日米株/投資信託) |
iDeCo | 36銘柄 | 40銘柄 |
日本株 | 手数料無料 | 1日50万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) |
ミニ株 (単元未満株) | 手数料無料※1 | 売却のみ |
米国株 | 5,081本 | 3,668本 |
IPO※2 | 61社 | 70社 |
クレカ積立 ポイント還元率 | 0.5~1.0% (楽天カード) | 非対応 |
ポイントサービス | 楽天ポイント | 松井証券ポイント |
楽天証券は、松井証券では買えない単元未満株が買えるだけでなく楽天銀行をはじめとした楽天グループとの連携による恩恵もあります。楽天グループのサービスを利用している人や利用してみたい人は、楽天証券を選びましょう。
\楽天グループのサービス利用者におすすめ/
マネックス証券:クレカ積立のポイント還元率が高い
マネックス証券は、クレカ積立のポイント還元率が高いネット証券です。年1回以上利用すれば年会費が無料になるマネックスカードで月1,000円単位のクレカ積立をすると、1.1%(2024年9月30日までは最大2.2%)のマネックスポイントが還元されます。
年会費無料のカードでクレカ積立をした場合、SBI証券では0.5%、楽天証券でも0.5%または1.0%にとどまるため、大手ネット証券では最も高いポイント還元率です。
マネックス証券と松井証券の比較
マネックス証券 | 松井証券 | |
---|---|---|
新NISA | 手数料無料/実質無料 (日米株/投資信託) | 手数料無料 (日米株/投資信託) |
iDeCo | 27銘柄 | 40銘柄 |
日本株 | 55円~(税込) (新NISAなら手数料無料) | 1日50万円まで無料 (新NISAなら手数料無料) |
ミニ株 (単元未満株) | 購入手数料無料※1 | 売却のみ |
米国株 | 5,015本 | 3,668本 |
IPO※ | 53社 | 70社 |
クレカ積立 ポイント還元率 | 最大1.1% (マネックスカード) | 非対応 |
ポイントサービス | マネックスポイント | 松井証券ポイント |
貯まったマネックスポイントは、dポイント、Tポイント、Pontaポイント、Amazonギフトカードに交換できます。年会費無料のクレジットカードでより多くのポイントを貯めたいなら、マネックス証券を選びましょう。
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ネット証券についてよくある質問
ネット証券についてよくある質問を2つにまとめました。ネット証券で投資を始めることに不安がある人は、確認してみましょう。
Q:ネット証券は安全?
A:絶対に不正アクセスや倒産がないとは言い切れないため、100%安全とはいえません。実際にSBI証券では、不正アクセスによる資産流出が2020年9月に発生し補償や再発防止などの対応を行いました。
一方で店舗のある対面証券でも株の注文や送金などでネットを使うのが当たり前になっており、ネット証券と同様のリスクを抱えています。「対面なら安心」という人もいますが、証券会社の社員や元社員が顧客情報を漏えいさせたこともあります。
万が一証券会社が破たんして資産が返還されない場合でも1人1,000万円までは補償されるため、どうしても不安なら投資額を1社につき1,000万円までにしましょう(参照:金融庁|投資者保護)。
Q:ネット証券を利用するメリットは?
A:忙しい人でも口座開設や取引がしやすい点は、メリットです。ネット証券であれば申し込んでから1~2日で開設できスマホアプリで簡単に日本株や米国株の取引ができます。
野村證券をはじめとした大手対面証券でもネットへの対応は進んでいますが、利便性や手数料の面でネット証券のほうが優れています。
どちらかといえば松井証券だが、他のネット証券とも比較検討しよう
GMOクリック証券と松井証券の2社で比べると松井証券のほうがおすすめですが、他のネット証券とも比較検討しましょう。
松井証券は、大手ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券)のなかで「投資信託のクレカ積立に対応していない」というデメリットがあります。
新NISAで投資を始める場合、大手ネット証券5社いずれも日本株や米国株の取引手数料が無料(または実質無料)です。
丁寧なお客様サポートや創業100年以上の実績は松井証券の特徴ですが、魅力を感じない人は他の大手ネット証券も検討してみるべきでしょう。