SBI証券はやめたほうがいい?メリット・デメリットや口コミから実際はどうなのかを解説

SBI証券は、サイトのわかりづらさやクレカ積立のポイント還元率改悪などを理由に「やめたほうがいい」といわれることがあります。

指摘されている内容は事実かもしれません。しかしどこまでわかりづらいと感じるかは、個人差があります。例えばクレカ積立のポイント還元率は、他社でも改悪されているので、現在の還元率をどこまで維持できるのかは疑問が大きいです。

以上を考慮すればやめたほうがいいとまではいえないため、実際に利用したうえで判断したほうがいいでしょう。この記事では、口コミからSBI証券のメリット、デメリットを解説します。本当にやめたほうがいいのか判断に迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

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  1. 「SBI証券はやめたほうがいい」という人がいる理由
    1. 不正アクセスによる顧客の資産流出があった
    2. クレカ積立のポイント還元率が改悪された
    3. サイトがわかりづらいという声がある
  2. 口コミからわかるSBI証券のメリット
    1. 手数料が安い
    2. 取扱商品が豊富
    3. IPOの取扱数が業界トップ
    4. Vポイント・Pontaポイントが投資に使える
  3. 口コミからわかるSBI証券のデメリット
    1. クレカ積立でポイントをもらうには条件がある
    2. UIが悪く操作しづらい
  4. デメリットを考慮しても実際にはSBI証券がおすすめできる理由
    1. 手数料や取扱商品のラインナップは業界トップクラス
    2. クレカ積立のポイント還元はそこまで大きな金額ではない
    3. 操作性の悪さは慣れればそこまで気にならない
  5. ネット証券で投資を始めたいならSBI証券はおすすめできる証券会社の一つ
  6. SBI証券についてよくある質問
    1. SBI証券が潰れる可能性はある?
    2. 手数料無料で入金可能な銀行はどこ?
    3. クレカ積立ができるカードはどれ?

「SBI証券はやめたほうがいい」という人がいる理由

「SBI証券はやめたほうがいい」といわれる理由は、主に3つあります。クレカ積立の改悪やサイトのわかりづらさを考慮すると「SBI証券以外で投資を始めたほうがいい」という意見が出ることは理解できます。

不正アクセスによる顧客の資産流出があった

SBI証券では、2020年9月に何者かの不正アクセスを受け、6口座から1億円近い資産が流出したことがありました。なお顧客が受けた金銭的な被害は、SBI証券が補償しています。SBI証券は、資産流出が起きた経緯について以下のように説明しています。

今回の事案では、悪意のある第三者が偽造した本人確認書類を利用するなどして、当該銀行口座そのものを不正に開設したことが判明しております。

悪意のある第三者は、何らかの方法で取得したお客さまの「ユーザーネーム」、「ログインパスワード」、「取引パスワード」等の情報を用いて、当社WEBサイトで出金先銀行口座を不正な銀行口座に変更した上で、出金を行っております。

(中略)

なお、本事案は当社システムから、「ユーザーネーム」、「ログインパスワード」、「取引パスワード」を不正取得されたものではありません。

引用:SBI証券

Webサイト上で簡単に出金先の銀行口座を変更できてしまう当時の仕組みは、SBI証券に問題があります。しかし該当顧客のパスワードやユーザーネームの管理がずさんだった可能性も否定できないでしょう。偽造した本人確認書類を見抜けなかった銀行にも落ち度があり、SBI証券だけの過失とはいえません。

筆者は、資産流出が起きたときにSBI証券で運用していましたが、不正アクセスされた形跡はありませんでした。2025年1月7日現在は、出金先銀行口座登録における本人確認の強化や2段階認証などの再発防止策を講じており同様の不祥事は発生していません。

これらを踏まえると、資産流出があったからといってSBI証券をやめたほうがいいとまではいえないでしょう。

クレカ積立のポイント還元率が改悪された

SBI証券は、2024年11月買付分よりクレカ積立(クレジットカード決済による投信積立)のポイント還元率が改悪されました。

これにより他の大手ネット証券と比べて還元率で見劣りしてしまい「投資信託の積立投資なら他の大手ネット証券を選んだほうがいい」という意見が出ています。

【大手ネット証券のクレカ積立のポイント還元率(年会費無料のカード)】

※2025年5月より提供開始。ポイント還元率はJCBプレモカードへポイント移行した場合の1ポイント5円で換算した場合
(2025年1月7日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

SBI証券の改悪そのものは事実です。しかし2025年1月からはauカブコム証券も年会費無料のカードでの還元率を1.0%から0.5%に引き下げるなど他社でも改悪されています。

コスト引き下げ競争の激しい投資信託で証券会社が得られる利益は減少傾向にあり、低コストで人気のあるオルカンなどの銘柄で0.5%のポイント還元をすると、ほぼ確実に赤字です。

将来的には、他社でも改悪される可能性が否定できないため、改悪の事実だけでSBI証券の利用をやめたほうがいいと判断するのは早計といえるでしょう。

サイトがわかりづらいという声がある

SBI証券は、サイトがわかりづらいという声があります。比較的ネット証券に抵抗が少ない若い世代からもSBI証券のわかりづらさを指摘する口コミは複数見かけます

注文した商品も確認できないし、注文した商品がmy資産の確認画面に表示されるのも数日掛かるのでユーザーが不安になる。
なかなかホームに戻れない。腹が立つからログインすら億劫になります。
(男性|25歳~29歳)

サイトが使いづらい!UIが最低最悪で説明もわかりづらいです
クレカ積み立てのために口座を作りましたが、後悔しかないです
今更変えるの面倒なので続けていますが、他人には絶対に勧めないですね
(男性|30歳~34歳)

引用:Yahoo!ファイナンス

感じ方には個人差があると思いますが、実際に筆者が利用している楽天証券と比べるとSBI証券はわかりづらい印象です。

【楽天証券とSBI証券のスマホサイト(上:ホーム 下:メニュー)】

楽天証券のスマホサイト
SBI証券のスマホサイト
画像引用:楽天証券SBI証券

サイトのUIを見比べるとSBI証券は投資初心者に不親切な部分があり、視覚的にわかりやすくデザインされている楽天証券のほうが操作しやすいでしょう。わかりやすさや操作のしやすさを求めるのであれば、楽天証券をはじめとしたほかの大手ネット証券がおすすめです。

\サイトのUIが親切でわかりやすい/

口コミからわかるSBI証券のメリット

「やめたほうがいい」という意見がある一方でSBI証券を評価する口コミもあります。口コミからわかるSBI証券の主なメリットは、以下の4つです。

手数料が安い

手数料が安い
画像引用:SBI証券

SBI証券は、日本株の手数料が無料、NISAなら米国株の取引手数料も無料です。SBI証券で日本円を米ドルに両替すれば為替手数料も無料になります。手数料が安い点は、利用者からも評価する声が多いです。

取り扱い銘柄が多く、また手数料が安いのが魅力的であると感じたので満足度は高いと判断した。

また、証券会社自体についてもネット証券の業界の中では大手であり、安定した経営を行っていると考えたので、安心して投資が行うことができると思った。
(男性|30歳~34歳)

引用:Yahoo!ファイナンス

日本株や米国株の取引手数料を抑えたいなら、SBI証券で投資を始めてみましょう。

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主な証券会社の手数料について詳しくはこちら
大手証券とネット証券の手数料を比較|おすすめのネット証券を紹介

取扱商品が豊富

SBI証券は、大手ネット証券のなかでも取扱商品が豊富です。

【大手ネット証券の取扱商品数】

(2025年1月15日時点、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

SBI証券の取扱商品の豊富さは、利用者からも評価されています。

スマホで開設でき、手数料が安く銘柄が豊富なので良い。
(女性|50歳~54歳)

扱っている銘柄がとても多く選べないくらいあります。どれも良い商品ですので自分でいいものを見つける楽しみがあります。
(男性|35歳~39歳)

引用:Yahoo!ファイナンス

できる限り豊富な選択肢から自分で好きな銘柄を選びたい人は、SBI証券で投資を始めましょう。

\ネット証券最大手で取扱商品が豊富/

IPOの取扱数が業界トップ

IPOの取扱数が業界トップ
画像引用:SBI証券

SBI証券は、IPOの取扱数が業界トップです。2013年3月期(2012年4月~2013年3月)から継続して業界トップの座を維持しています。

【IPO取扱数上位5社】

(CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

IPO(新規公開株)は、どの証券会社でも購入できるわけではありません。上場を支援する主幹事、幹事証券会社や、これらの証券会社から委託を受けて販売する委託販売団(委託幹事)に限られます。IPOには、原則として抽選があり取扱数が多い証券会社で申し込んでも必ず買えるわけではありません。しかしできる限り取扱数の豊富な証券会社で申し込むほうが、当たるチャンスは多いといえます。

利用者からもSBI証券のIPOを評価する声が複数あります。

IPOの数も多く、挑戦しやすい。ポイント投資も出来、小額投資が出来る。IPOチャレンジポイントが貰え、4年一度くらい値上がりが大きいIPOを当てることができる
(男性|50歳~54歳)

IPOの取扱数も多く、落選してもIPOチャレンジポイントがもらえ、貯まったポイントを使うと当選の確率が上がります。
(男性|50歳~54歳)

引用:Yahoo!ファイナンス

IPOに興味があるなら、SBI証券で口座を開設して申し込んでみましょう。

\IPOの取扱数が業界No.1/

SBI証券のIPOについて詳しくはこちら
SBI証券のIPOは取扱数が業界最多!特徴や買い方を紹介

Vポイント・Pontaポイントが投資に使える

Vポイント・Pontaポイントが投資に使える
画像引用:SBI証券

SBI証券は、VポイントやPontaポイントが日本株、投資信託の投資に1ポイント(1円分)から使えます。ある程度ポイントを貯めればポイントだけで株や投信が買えるので、現金を使わずに投資を始めたい人を中心に支持されています

積立購入等についてもクレジットカード支払いやポイントでの購入等も徐々に充実し、今後とも期待している。
(男性|35歳~39歳)

ポイントも使えるようになってきており、リスクを抑えて取り引きしたい方にも使い勝手が良い証券会社になってきていると思います。
(男性|40歳~44歳)

引用:Yahoo!ファイナンス

Vポイント、Pontaポイントを貯めている人は、SBI証券でポイント投資を始めてみましょう。

\日本株や投信へのポイント投資にも対応/

口コミからわかるSBI証券のデメリット

SBI証券は「やめたほうがいい」という意見があるように、口コミから主に2つのデメリットがあることがわかります。

クレカ積立でポイントをもらうには条件がある

SBI証券のクレカ積立でポイントをもらうには、プラチナランク以上のカードを除き三井住友カードを年間10万円以上利用する必要があります(カード発行初年度を除く)。条件を満たさなかった場合、カード発行2年目以降はポイント還元率が0%になり、一切ポイントがもらえません。また単にカードを年間10万円利用すればいいわけではなく、クレカ積立の利用金額など対象外のものが複数あります。

条件の対象外になる支払い(抜粋)
  • カードの年会費
  • 交通系ICや電子マネーなどへのチャージ
  • モバイルSuicaの定期券・特急券・グリーン券の購入
  • クレカ積立
  • リボ払い・分割払いの手数料やローンの返済
  • 国民年金保険料 など

2025年5月からクレカ積立を始める松井証券を除き、他の大手ネット証券ではカードの利用額によってポイント還元率が変わることはありません(2025年1月7日現在)。SBI証券のクレカ積立は、三井住友カードをメインのクレカとして使う人を除いてポイント還元が受けづらいといえます。

条件を満たしたとしても年会費無料のカードでは還元率が低いため、現在の条件が続くのであれば他社を選んだほうがいいでしょう。

【大手ネット証券のクレカ積立のポイント還元率(年会費無料のカード)】

※2025年5月より提供開始。ポイント還元率はJCBプレモカードへポイント移行した場合の1ポイント5円で換算した場合
(2025年1月7日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

実際に改悪を受けて他社に変更した、または変更予定の利用者も複数います。

SBI証券のクレカ積立還元率が改悪されたのでNISA口座を楽天証券に移すことにする。

引用:X(旧Twitter)

住信SBI&三井住友VISAのクレカ積立も改悪されたし、NISAは他の証券会社に変更するか

引用:X(旧Twitter)

他社でも改悪がないとはいえませんが、今からクレカ積立の還元率が低いSBI証券をあえて選ぶメリットは薄いです。年会費無料のカードでも高いポイント還元を受けたいなら、月5万円までの積み立てで還元率が1.1%になるマネックス証券を選びましょう

\dカードでクレカ積立ができる/

UIが悪く操作しづらい

SBI証券は、他の大手ネット証券と比べてUI(ユーザーインターフェイス)が悪く、操作しづらいです。スマホアプリも商品ごとに分かれており、日本株と米国株を取引したい場合は2つのアプリを入れる必要があります。わかりやすさや操作のしやすさを求めるのであれば、楽天証券など他の大手ネット証券がおすすめです。

\サイトのUIが親切でわかりやすい/

デメリットを考慮しても実際にはSBI証券がおすすめできる理由

SBI証券は、デメリットがあるもののおすすめできる証券会社の一つです。

実際に筆者は、SBI証券に口座開設しNISAも含めて現在も利用しています。デメリットについては認識していますが、今のところ証券会社を変更する予定はありません。

手数料や取扱商品のラインナップは業界トップクラス

SBI証券は、手数料の安さや取扱商品のラインナップが業界トップクラスです。

特に2023年8月31日に発表した「ゼロ革命」は、革命的な取り組みでSBI証券に追随する形で他の大手ネット証券も手数料を引き下げました。大手ネット証券のNISAで日本株や米国株が取引手数料無料(または実質無料)になったのは、ゼロ革命のおかげといえるでしょう。

日本株、米国株、投資信託の取扱数も他の大手ネット証券と比べて豊富です。

【大手ネット証券の取扱商品数】

(2025年1月15日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

このほか米国を含めた9ヵ国(※)の外国株を扱っており、取扱国数は大手ネット証券のなかで最多です。手数料の安さや豊富な取扱銘柄数で証券会社を選ぶなら、SBI証券がおすすめといえるでしょう。

※2025年1月15日時点でロシア株は売買停止中

\手数料が安く取扱銘柄数が豊富/

SBI証券の手数料について詳しく知りたい人はこちら
SBI証券の手数料プランはスタンダードとアクティブのどっちがいい?違いや変更方法を解説

クレカ積立のポイント還元はそこまで大きな金額ではない

年会費無料のカードで投資信託を積み立てる場合、クレカ積立のポイント還元はそこまで大きな金額ではありません。

【大手ネット証券のクレカ積立でもらえるポイント(年間)】

年会費無料のカードで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を積み立てる場合を想定。SBI証券、松井証券はカード利用額の条件を満たしているものとする
※1:2025年5月より提供開始。もらえるポイントはJCBプレモカードへポイント移行した場合の1ポイント5円分で換算した場合
(2025年1月7日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

この条件は、SBI証券と同様に他社でも改悪される可能性があります。投資信託の販売で得られる証券会社の利益を考えれば、この還元率をどこまで継続できるのかも不透明です。

改悪リスクを認識したうえで還元率が高い証券会社を選ぶことは否定しませんが、改悪されるたびに証券会社やカードを変えるのは手間がかかります

三井住友カードを普段から利用している人であれば、SBI証券を選んだほうが便利でしょう。

\三井住友カードで投信積立ができる/

操作性の悪さは慣れればそこまで気にならない

SBI証券がわかりづらかったり、操作しづらかったりすることは事実ですが、慣れればそこまで気になりません。1分1秒を争うデイトレーダーを除けば、操作性の悪さは大きな問題にはならないでしょう。

感じ方には個人差もあり、筆者のように慣れればそこまで気にしない人もいます。まずは、口座を開設してみて本当に耐えられないほど操作性が悪いのか自分自身で確かめてみてもいいでしょう。

ネット証券で投資を始めたいならSBI証券はおすすめできる証券会社の一つ

SBI証券は、わかりづらさやクレカ積立の還元率改悪などのデメリットはありますがおすすめできるネット証券の一つです。NISAであれば取引手数料無料で日本株、米国株、投資信託を売買でき、取扱商品のラインナップも充実しています

デメリットがどうしても許容できない場合は、他社を選んでもいいと思いますが、口コミだけで「SBI証券はやめたほうがいい」と判断するのはもったいないです。

口座開設自体は無料でできるので、まずは実際に利用してみたうえで判断してもいいでしょう。

\スマホから簡単に口座を開設できる/

口座開設の手順が知りたい人はこちら
SBI証券で口座開設する手順を解説|メリットや利用者の口コミも紹介

SBI証券についてよくある質問

SBI証券についてよくある質問をまとめました。SBI証券で投資を始めることに不安を感じている人は、一度確認してみましょう。

SBI証券が潰れる可能性はある?

「絶対にない」とはいえません。しかし直近6ヵ月(2024年4月~2024年9月末)の決算では、400億円以上の利益が出ており倒産の可能性は極めて低いといえます。

またSBI証券に限らず日本の証券会社は、顧客の資産を分別管理し証券保管振替機構(ほふり)や信託銀行に管理されている仕組みです

そのため万が一潰れたとしても、金融商品取引業者の登録を受けているSBI証券などの証券会社であれば資産がなくなってしまうリスクはほぼゼロといえるでしょう。

手数料無料で入金可能な銀行はどこ?

即時入金、リアルタイム入金、振替入金に該当する銀行であれば入金手数料は無料です。メガバンクやゆうちょ銀行に口座がある人は、手数料無料で入金できます。その他の銀行については、即時入金リアルタイム入金の対象金融機関を確認してください。

クレカ積立ができるカードはどれ?

SBI証券では、三井住友カード(またはOlive)でクレカ積立ができます。仲介口座を変更すれば、アプラスカード、タカシマヤカード、東急カード、UCSカード、大丸松坂屋カード、オリコカードのいずれかでクレカ積立ができます

仲介口座ごとに対応カードが異なるため、詳しくは「SBI証券でクレカ積立ができるカードはどれ?対象カードや設定方法を紹介」を確認してみましょう。