楽天証券のロボアドバイザーは、簡単な質問に答えるだけで最適な運用コースをロボットが診断し、診断結果に出たポートフォリオをそのまま購入できます。
そのため投資に関する知識が全くない人でも簡単に始められるでしょう。
この記事では、楽天証券のロボアドバイザー3種類について、概要や特徴、利用者の評判を解説します。ロボアドの利用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
・楽天証券のロボアド3種類の概要
・楽天証券のロボアドバイザーの評判・口コミ
・楽天証券のロボアドバイザーの特徴
楽天証券のロボアド(おまかせ資産運用サービス)3種類の概要

楽天証券のロボアド(おまかせ資産運用サービス)は、以下の3種類に分かれています。
・らくらく投資
・ウェルスナビ×R
・楽ラップ
各サービスの最低投資金額や手数料などは、下表の通りです。投資対象などの詳細は、各見出しで解説します。
【楽天証券のロボアド(おまかせ資産運用サービス)】
らくらく投資 | ウェルスナビ×R | 楽ラップ | |
最低投資金額 | 100円 | 1万円 | 1万円 |
NISA | ◯ | ◯
(成長投資枠) |
× |
購入・解約手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
信託報酬(年率) | 0.4915%程度 | 1.1%程度 | 最大0.682%(※) |
運営・管理費用(年率) | なし | 0.16%程度 | 最大0.715%(固定報酬型) |
信託財産留保額(解約時に負担) | なし | なし | 最大0.15% |
楽天ポイント投資 | ◯ | ◯ | × |
楽天カードクレジット決済(クレカ積立) | ◯ | ◯ | × |
※投資対象とする商品のコストなどを加えた実質的な費用を記載
※すべて税込
(2025年3月12日現在)
らくらく投資

らくらく投資は、9つの質問に答えるだけで投資が始められるロボアドです。回答に応じて5つのコース(投資信託)のいずれかに割り振られ、そのまま購入できます。
各コースの投資対象や投資割合は、下表の通りです。
【らくらく投資5コースの投資対象・投資割合】
のんびり
コース |
じっくり
コース |
なかなか
コース |
しっかり
コース |
がっちり
コース |
|
日本株 | 1.0% | 1.5% | 2.0% | 2.5% | 3.0% |
米国株 | 18.5% | 29.4% | 38.4% | 47.9% | 56.3% |
欧州株 | 2.6% | 3.5% | 5.1% | 6.6% | 8.1% |
新興国株 | 3.0% | 4.0% | 5.5% | 6.0% | 7.5% |
日本の不動産 | 1.0% | 1.6% | 2.1% | 2.1% | 2.5% |
米国の不動産 | 1.5% | 2.5% | 3.0% | 4.0% | 4.5% |
世界の債券 | 72.4% | 57.5% | 43.9% | 30.9% | 18.0% |
(2025年1月末時点)
安定を求める人はリスクの低い債券への投資割合が多い「のんびりコース」、リターンを追求する人は株式への投資割合が高い「がっちりコース」になる傾向があります。
ロボアドがない場合は、自分で投資信託や株などを選んでポートフォリオを組む必要がありますが、らくらく投資であれば、おまかせできるため不要です。
楽天証券のロボアドでは、唯一NISAのつみたて投資枠に対応しており、100円から投資できるため、少額からロボアドを始めてみたい人に向いています。
ウェルスナビ×R
ウェルスナビ×Rは「ウェルスナビ(WealthNavi)」の運用体験を投資信託で実現するロボアドです。6つの質問に回答するだけでリスク許容度を診断し、リスク許容度に合うポートフォリオを構築してくれます。
ロボアド最大手ウェルスナビと同じ運用方針を採用しており、リスク許容度ごとの投資対象や投資割合は下表の通りです。
【ウェルスナビ×Rの投資対象・投資割合】
リスク許容度 | |||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
米国株 | 11.4% | 25.4% | 35.3% | 40.8% | 40.8% |
日本・欧州株 | 5.0% | 8.5% | 18.8% | 29.8% | 33.9% |
新興国株 | 5.1% | 5.0% | 6.8% | 7.9% | 10.2% |
金 | 8.7% | 5.6% | 6.1% | 7.6% | 5.0% |
不動産 | 5.0% | 5.0% | 5.0% | 5.0% | 5.0% |
債券 | 64.8% | 50.3% | 27.9% | 8.8% | 5.0% |
短期金融資産
など |
0.1% | 0.1% | 0.1% | 0.1% | 0.1% |
※短期金融資産は1年未満の資金の貸し借りをする短期金融市場で取引される資産のこと。ここでは待機資金(現金)と捉えてよい
(2025年1月末時点)
投資対象ごとに運用実績が豊富でコストの低い米国ETF(上場投資信託)をウェルスナビが厳選して運用します。直接ETFを購入したほうが手数料は抑えられますが、投資割合の変更やバランス調整(リバランス)をおまかせしたい人に向いているサービスといえるでしょう。
楽ラップ
楽ラップは、16の質問に答えるだけで9種類の運用コースから最適なものを提案してくれるロボアドです。円高により利益が目減りするリスクを考慮し、為替ヘッジのある商品も組み合わせて23の投資信託に分散投資しています。
運用コースごとの投資対象や投資割合は、下表の通りです。
【楽ラップの投資対象・投資割合】
DRC※なし | |||||
保守型 | やや保守型 | やや積極型 | 積極型 | かなり積極型 | |
日本株 | 7.95% | 12.56% | 18.16% | 23.78% | 29.41% |
先進国株式 | 2.33% | 3.40% | 6.14% | 8.89% | 12.86% |
先進国株式
(為替ヘッジあり) |
7.79% | 12.57% | 18.17% | 23.78% | 28.91% |
新興国株式 | 5.80% | 5.80% | 5.80% | 5.80% | 4.99% |
国内債券 | 8.76% | 6.22% | 3.29% | 1.00% | 1.00% |
先進国債券 | 2.77% | 2.50% | 2.50% | 2.50% | 2.49% |
先進国債券
(為替ヘッジあり) |
48.09% | 38.70% | 27.69% | 16.00% | 3.38% |
新興国債券 | 6.75% | 6.75% | 6.75% | 6.75% | 3.46% |
日本の不動産 | 3.26% | 4.80% | 4.80% | 4.80% | 6.00% |
先進国の不動産 | 3.50% | 3.70% | 3.70% | 3.70% | 4.50% |
現金など | 3.00% | 3.00% | 3.00% | 3.00% | 3.00% |
※株式の値動きが大きくなり、その状況が継続すると見込まれる場合に、一時的に株式の投資比率を下げ、債券の投資比率を上げることでリスクを軽減する機能
(2025年2月末時点)
【楽ラップの投資対象・投資割合】
DRC※あり | ||||
やや保守型 | やや積極型 | 積極型 | かなり積極型 | |
日本株 | 12.56% | 18.16% | 23.78% | 29.41% |
先進国株式 | 3.40% | 6.14% | 8.89% | 12.86% |
先進国株式
(為替ヘッジあり) |
12.57% | 18.17% | 23.78% | 28.91% |
新興国株式 | 5.80% | 5.80% | 5.80% | 4.99% |
国内債券 | 6.22% | 3.29% | 1.00% | 1.00% |
先進国債券 | 2.50% | 2.50% | 2.50% | 2.49% |
先進国債券
(為替ヘッジあり) |
38.70% | 27.69% | 16.00% | 3.38% |
新興国債券 | 6.75% | 6.75% | 6.75% | 3.46% |
日本の不動産 | 4.80% | 4.80% | 4.80% | 6.00% |
先進国の不動産 | 3.70% | 3.70% | 3.70% | 4.50% |
現金など | 3.00% | 3.00% | 3.00% | 3.00% |
※株式の値動きが大きくなり、その状況が継続すると見込まれる場合に、一時的に株式の投資比率を下げ、債券の投資比率を上げることでリスクを軽減する機能
(2025年2月末時点)
資産全体の30~50%に為替ヘッジをかけているため、円高米ドル安が進んだ場合でも資産価格の下落をある程度抑えられます。為替が円安のタイミングで投資を始めることに対して、不安を感じる人に向いているでしょう。
楽天証券のロボアドバイザーの評判・口コミ
楽天証券のロボアドバイザーの評判・口コミについて良い内容と悪い内容に分けて紹介します。利用者の評判が気になる人やロボアドバイザーで投資を始めてもいいのか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
良い評判・口コミ
楽天証券のロボアドバイザーについてSNSや各種口コミサイトを調査すると以下のような良い評判・口コミがありました。
・知識がない人でも簡単に始められる ・クレカ積立ができてポイントも貯まる(楽ラップは除く) ・投資初心者でも簡単に操作できる |
楽天証券のロボアドは、いずれも簡単な質問に答えるだけで自動的にポートフォリオを作成してくれます。診断結果で出たポートフォリオをそのまま買い付けることができるので、誰でも簡単に始められます。
悪い評判・口コミ
一方で、以下のような悪い評判・口コミも見られました。
・思ったほど成績はよくない ・楽ラップは手数料が高い ・診断で分類されるカテゴリーが少ないと感じる |
例えば、らくらく投資の2024年の運用成績を見ると主要な米国株およそ500社で構成された指数「S&P500」よりもパフォーマンスが悪いことがわかります。
S&P500に連動した運用は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などの投資信託で簡単に実践できます。また信託報酬(運用コスト)もらくらく投資より低いです。
以上の点をふまえると運用成績や手数料の面で利用者から不満が出てもおかしくはないでしょう。
楽天証券のロボアドバイザーの特徴(メリット)
楽天証券のロボアドバイザーには、以下3つの特徴(メリット)があります。
・NISAが活用できる
・らくらく投資なら他社よりも低コストで運用できる
・他社の口座開設や契約手続きが不要
NISAが活用できる
楽天証券のロボアドでは、投資で得られた利益が非課税になるNISAが活用できます。らくらく投資であればNISAつみたて投資枠と成長投資枠、ウェルスナビ×RならNISA成長投資枠に対応しています。
NISAでロボアドに投資したい場合は、つみたて投資枠にも対応している楽天証券がおすすめです。
\ロボアドもNISAに対応/
NISAについて詳しくまとめた記事もあるので、読んでみてください。
NISAのメリット・デメリットとは|5年以上利用する個人投資家が解説
らくらく投資なら他社よりも低コストで運用できる
らくらく投資であれば他社のロボアドよりも低コストで運用できます。
【主なロボアドのコスト比較(年率)】
らくらく投資 | 0.4915% |
ウェルスナビ(新NISAの自動積立) | 0.763~0.863%(長期割除く) |
SBIラップ(AI投資コース) | 0.958%(運用コストは平均値で計算) |
AI投資 ROBOPRO(ロボプロ) | 1.1%+運用コスト |
※信託報酬のほかに発生する手数料や投資対象銘柄への運用コストの合計値を記載
(2025年3月12日現在)
ロボアドは、自分で投資信託や株などを選んで投資する場合と比べてコストが高い傾向があります。できる限り運用コストを抑えたい人は、楽天証券のらくらく投資を利用してみましょう。
他社の口座開設や契約手続きが不要
楽天証券のロボアドは、投資信託で運用する仕組みを採用しているため、他社の口座開設や契約手続きが不要です。運用をおまかせするロボアドは「投資一任型」とも呼ばれ、運用会社との投資一任契約が必要な場合があります。
例えばSBI証券のロボアドは、グループ会社のFOLIOが運用しているため、FOLIOとの投資一任契約や口座開設が必要です。楽天証券では、このような手続きが不要なため、口座を開設すればスムーズにロボアドを始められます。
\手続きが簡素化されており始めやすい/
楽天証券のロボアドバイザーのデメリット
一方で楽天証券のロボアドバイザーには、以下2つのデメリットがあります。
・診断結果を信じていいのか疑問が残る
・相場の動向に合わせた柔軟な対応は自動化されない
診断結果を信じていいのか疑問が残る
楽天証券のロボアドは、簡単な質問に答えるだけで診断結果を出してくれますが、その結果を信じていいのかは疑問が残る部分があります。楽天証券のロボアドは、5つまたは9つの運用コースがあらかじめ決まっており、回答内容を問わずいずれかの運用コースに割り振られる方式です。
価値観やライフスタイルが多様化する現在、たった5つまたは9つのコースに割り振る診断が正しいのか、不安になる人もいるでしょう。仮に診断を受けたタイミングで正しかったとしても、相場の動向やライフスタイルの変化により、投資に対する考え方が変わる可能性があります。
診断結果が本当に正しいのか自分で判断したい場合は、投資のリスクについて最低限の知識を持っておくことが大切です。
投資のリスクについて詳しくはこちら
投資のリスク=危険度ではない!正しく理解して資産運用を始めよう
相場の動向に合わせた柔軟な対応は自動化されない
楽天証券のロボアドは、相場の動向に合わせた柔軟な対応は自動化されません。運用コースごとに各資産の投資割合が決まっており、定期的な見直しは行うものの機動的な変更には非対応です。
例えば米国株の下落が想定される局面で「米国株式への投資割合を40%から10%に引き下げる」といった変更はできません。株価下落局面でもリスク許容度が高いコースなら株式への投資割合は高いままですし、株価上昇局面でもリスク許容度が低いコースなら株式への投資割合は低いままです。
相場の動向に応じた投資割合の変更も自動化したい場合は、SBI証券のロボアドを選んだほうがいいでしょう。AIやプロが臨機応変に投資割合を変更してくれます。
SBI証券のロボアドバイザーについて詳しくはこちら
> SBI証券のロボアドバイザーの特徴や評判を解説
楽天証券のロボアドバイザーを始める方法
楽天証券のロボアドバイザーは、以下3ステップで始められます。
1.楽天証券に口座を開設する
2.ロボアドを選んで診断を受ける
3.診断結果を参考にコースを決めて購入する
1.楽天証券に口座を開設する
【初心者向け】スマホで簡単!楽天証券の口座開設方法を実際の画面で解説
まずは、楽天証券に口座を開設しましょう。マイナンバーカードまたは運転免許証と通知カードがあれば、スマホで手続きが完結します。
最短翌営業日には、ログインIDを知らせるメールが届き、初期設定(5分程度)が完了すれば取引できます。
\楽天会員なら最短5分で申込可能/
口座開設方法について詳しくはこちら
> 【楽天証券の始め方】買い方やおすすめ銘柄を初心者向けに紹介
2.ロボアドを選んで診断を受ける
口座が開設できたあとは、ロボアドを選んで診断を受けましょう。楽天証券のメニューから「らくらく投資」「ウェルスナビ×R」「楽ラップ」のいずれかを選んでください。診断ボタンを押し、画面の指示に従って回答しましょう。
3.診断結果を参考にコースを決めて購入する
診断結果が出たあとは、コースを決めて購入しましょう。らくらく投資は100円、ウェルスナビ×Rや楽ラップは1万円から投資できます。
楽天証券のロボアドバイザーについてよくある質問
楽天証券のロボアドバイザーについて、よくある質問を2つにまとめました。楽天証券のロボアドを始めてもいいのか迷っている人は、確認してみましょう。
らくらく投資・ウェルスナビ×R・楽ラップのどれがおすすめ?
投資経験が浅い人は、少額から始められる「らくらく投資」がおすすめです。ウェルスナビ×Rや楽ラップと比べて運用コストが低く、NISA(つみたて投資枠、成長投資枠)に対応しており100円から始められる点が魅力的です。
NISAに対応している?
「らくらく投資」と「ウェルスナビ×R」は、NISA対応です。ただし、つみたて投資枠に対応しているのは「らくらく投資」のみです。