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初心者が短期投資に手を出すのはやめとけ!その理由とおすすめの投資手法を経験者が解説

初心者が短期投資に手を出すのはやめとけ!その理由とおすすめの投資手法を経験者が解説 証券

短期投資で早く利益が得られれば……と皮算用をする人がいますが、現実はそこまで甘くありません。

SNSを見れば短期投資で利益を出すどころか大損をした個人投資家が意外と多いことがわかるでしょう。

実際に投資経験7年以上の筆者も短期投資、長期投資の両方をやったことがありますが、利益は圧倒的に長期投資のほうが多いです。投資初心者の自覚があるのであれば、まずは長期投資から始めてみましょう。

この記事では、投資経験のある筆者が短期投資をおすすめしない理由とおすすめの投資手法を解説します。

筆者が初心者に短期投資をすすめない理由

筆者が初心者に短期投資をすすめない理由は、以下の4つです。

デイトレードで負けた人や短期投資で失敗した人の体験談が動画やSNSなどで複数確認できることから、客観的に考えて初心者におすすめできる投資手法ではないでしょう。

それでも短期投資をやりたい人は「どうしても短期投資を始めたい初心者に伝えたいこと」をご覧ください。

極めて難しい売りの判断を何度もしなければいけないから

投資で難しいのは、買いよりも売りといわれています。短期投資では、その売りの判断を何度もしなければいけません。売りが早すぎれば株価上昇により後悔することになり、遅すぎれば株価下落によって利益が減ってしまいます。

買いは、じっくりと構えたほうがかえって安く買えることもありますが、『売りは早かれ 買いは遅かれ(売りは一瞬のチャンスを捉えて迅速に行動すべき)』という格言もあるほど、売却のタイミングは難しいものです。

欲張らずに株価上昇の8割程度で利確するのが確実ですが、そのラインを予想することは経験豊富な投資家でも簡単ではありません。

チャートで売買して「だまし」で大損する可能性が高いから

デイトレーダーなど短期投資をする人がよく見るチャートは「だまし」が発生します。だましとは、移動平均線などのテクニカル指標が買いまたは売りのシグナルを出したものの、実際の株価は逆の値動きになってしまうことです。

チャートの買い、売りのシグナルをプロが知らないはずがないので、意図的に逆の値動きを演出して個人投資家を揺さぶることくらいは容易に想像できます。

人によって意見が異なることを承知で申し上げますが、本やネットに記載されているチャートの買いシグナル、売りシグナルを盲信している人は、ほぼ確実に短期投資で負けるでしょう。

中途半端にチャートを信用していると判断を誤った際の売却も遅れ、大損につながりかねません。チャートに関する知識があったとしても毎回教科書通りのシグナルが出るわけではないので判断が難しいことがあります。

例えば短期の移動平均線(日足だと5日移動平均線)が中長期の移動平均線(25日または75日移動平均線)を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」は買いシグナルといわれています。

ただし実際のチャートを見ると教科書通りのきれいなゴールデンクロスは、決して多くはないことがわかるでしょう。

【アドバンテスト<6857>に現れたゴールデンクロス(青丸部分)】

アドバンテストに現れたゴールデンクロス

画像引用:SBI証券

このようなシグナルに対して「本物なのか」「だましなのか」を見分けることは容易ではないため、短期投資で損をする人が多いといえます

コツコツ利益を集めて1度の損失で利益分を吐き出す例が後を絶たないから

デイトレで動画を出している人を見れば明らかですが、コツコツと利益を集めて1度の損失で利益分を吐き出す「コツコツドカン」をやってしまう投資家が多すぎます。

たいていは損失のほうが利益よりも大きく、ジリジリと損失が拡大して最終的には退場することになるでしょう。「コツコツドカン」は、短期投資をする個人投資家が陥りやすい失敗の典型例であり、筆者もやってしまったことがあります。

私は、決算直前に好決算が見込めそうな銘柄を売買する「決算ギャンブル」を3回やったことがあり、2回成功して40万円ほどの利益を得ましたが1回の失敗で40万円の損切りをしました。

よほどのセンスと読み、胆力がなければうまくいくわけがないので、損をして投資が嫌になってしまうくらいであれば最初から短期投資に手を出さないほうがいいでしょう。

値動きが気になって本業がおろそかになりかねないから

短期投資は、売買タイミングがとても重要なので値動きがどうしても気になってしまいます。会社員や公務員が日本株の短期投資をする場合、日中に株価が動くため、働いているときも値動きが気になって本業がおろそかになりかねません

万が一勤務先での評価が落ちて降格または左遷されれば、結果的に投資の利益を超える損失を被る可能性もあります。短期投資で本業に支障が出るくらいであれば日々の値動きにそこまで気を配らずに済む長期投資のほうがいいでしょう。

長期投資について詳しくはこちら
株の長期投資によるメリット・デメリットと長期投資のコツを解説

どうしても短期投資を始めたい初心者に伝えたいこと

どうしても短期投資を始めたい初心者は、少なくとも以下の5つを守る必要があります。守ったところで必ず儲かるようになるわけではありませんが、少なくとも一発退場は防げるでしょう。

利確や損切りのルールを設ける

裏目に出ることもありますが、利益確定(利確)や損切りのルールを設けましょう。例えば「10%超上がったら利確」「5%超下がったら損切り」など、あらかじめ一定以上の利益や損失が出たら手仕舞いするようにします

画一的なルールを設けることで「売却後に上がる」「利確できるラインの直前で下がり始める」などの弊害も出ますが、投資経験が浅いうちはルールを忠実に守るほうがいいでしょう。後述する「場当たり的な長期保有」を防止することにもつながります。

最初に決めた資金を上回る金額の投資をしない

投資経験が浅いうちは、最初に決めた資金を上回る金額を投資に使うことはやめましょう。例えば最初は100万円で始めたにもかかわらず、数回取引して儲かったからといって調子に乗って200万円、300万円などと増やしてしまう人がいます。

こういった人は、資金を増やしたタイミングで失敗し、得た利益をはるかに超える損失を出して後悔することが多い傾向です。うまくいっているときでも、短期投資に慣れるまで取引金額を増やすことは控えましょう。

場当たり的な長期保有は絶対にやめる

購入当初は、短期投資であったのに「損切りしたくない」などの理由で長期保有に切り替えることはやめましょう。短期投資を長期保有に切り替えて儲かっている投資家も存在しますが「最初から長期でも持てる銘柄を選ぶこと」と「最初から短期投資目的で銘柄を選ぶこと」は、大きな違いがあります。

前者は、割安で直近の株価がそこまで上昇していない銘柄を選んでいるのに対し、後者はすでに何らかの理由で株価が上昇して高値圏にある銘柄を選ぶ傾向があります。どちらの方法でも利益を出せる可能性はありますが、場当たり的な長期保有はしていません。

何らかの理由で株価が上がった銘柄は、その理由がなくなりそうなタイミングで下がり始め、なくなったことが明らかになると暴落する傾向にあります。つまり短期投資目的で買った銘柄は、損切りが遅れれば遅れるほど損失が拡大する可能性が高いです。

損切りがどうしても苦手な人や判断が遅れてしまう人は、長期保有でも利益が見込めそうな銘柄で短期投資をしたほうがいいでしょう。

【長期保有でも利益が見込めそうな銘柄の例(サイバーエージェント<4751>)】

サイバーエージェント

画像引用:SBI証券

徹底的に投資先を研究する

デイトレーダーをはじめとした短期投資を好む人は、企業業績などの分析を軽視する傾向がありますが、本気で利益を出したいのであれば徹底的に研究すべきです。株式投資では、投資家が予期しないタイミングで大きなニュースが出て株価が動くことがあります。

ニュースを味方につけるには、チャートばかり眺めるのではなく実際に企業が出す製品やサービスが流行っているのかなど生の情報にまで気を配るべきでしょう。

例えばソーシャルゲームを扱う企業であれば、AppStoreのセールスランキングでどれくらい売れているのかはある程度予測でき業績の良し悪しも大まかではありますが判断できます。また実店舗がある企業の場合は、店舗に足を運べば人気の有無は明らかになるでしょう。

そもそも投資初心者の時点でプロには知識や経験で勝てないので、経験豊富な投資家でも見落としがちな情報を自分で収集するくらいの気概がなければ勝てるはずがありません。

銘柄をコロコロ変えるような浮気をしない

専業トレーダーを除いて銘柄をコロコロと変えるような浮気をするのはやめましょう。仕事をしながら投資をする会社員や公務員は、多数の銘柄をきちんと分析する時間がありません。分析が不十分なまま売買をしても専業トレーダーをはじめとしたプロには勝てないでしょう。

時間がない場合は、値動きをチェックする銘柄を3~5銘柄程度までに絞り込み、各銘柄の特徴や値動きのクセまで徹底的に分析すべきです。時間をかけて分析すれば7~8割くらい勝てそうなタイミングが、わかるようになります。

勝算のあるタイミングだけ売買すれば、時間のない人でも短期投資で利益を出せる可能性は高まるでしょう。

一般的にいわれている短期投資のメリット

一般的に短期投資は、以下の3つのメリットがあるといわれています。

投資家によって意見が分かれると思いますが、筆者はすべて「机上の空論」と考えています。いずれも「想定通りにうまくいけば」という前提が入っており、初心者が適切に売買のタイミングを判断できるとは思えません

短期間で利益を狙える

トレードがうまくいくことを前提にしていますが、短期投資のほうが短期間で利益を出せるメリットはあります。長期投資だと利益確定まで3~5年、場合によっては10年以上かかりますが、短期投資であれば数日~数週間以内で利益確定が可能です。

ただしこのメリットは、買いの判断を間違えた途端に崩壊するでしょう。損切りを繰り返してしまい、結果は長期投資のほうがよっぽどマシになる可能性も十分に考えられます。

資金効率がいい

短期で利益を出せる人であれば、資金効率は長期投資よりもいいです。例えば100万円を1つの銘柄に1年間投資する場合は、年間100万円しか資金を動かせません。しかし1ヵ月の投資期間で100万円を12回売買すれば1,200万円の資金を動かせます。

ただし資金「効率」という言葉は、儲かることを前提としており失敗したときのことをほとんど考えていません。そのため初心者の場合は、鵜呑みにしないほうがいいでしょう。

急なニュースなどによる価格変動リスクを抑えられる

短期投資は、長期投資と比べて急な投資による価格変動リスクを抑えられます。例えば2025年5月7日の15時30分以降に保有銘柄の決算発表がある場合、決算日当日の取引終了までに売却してしまえば、決算発表を受けた失望売りによる下落リスクの回避が可能です。

短期投資であれば長期投資と比べて夕方や夜に入った急なニュースによる下落リスクも低いでしょう。ただしこれは、急なニュースなどで株価が下がることを半ば前提としている面があります

短期投資の場合、「価格変動リスクを抑えられる」という考え方は間違っていませんが、ニュースや決算によって株価が上がった場合、長期投資であれば得られたはずの利益を逃すことにもつながります。

短期投資が向いている人・向いていない人

短期投資は、冷静に対処できる人が向いている一方で儲けることしか頭にない人は向いていません。自分が初心者だと思っている人もプロと同じ土俵で勝負しなければいけないことを考慮すれば、短期投資で勝てるわけがないでしょう。

初心者でも短期投資で勝てる人は、この記事を読む前から自分で調べて、すでに実践しています。最低限の行動力すらない人間は、取引を始める前から短期投資で負けているといえるでしょう。

これを見て向いていないと思った人は「初心者が投資を始める際に検討すべき制度」を参考に長期投資から始めましょう。

向いている人①:想定通りにならない場合でも冷静に対処できる人

短期投資に限らず投資で思い通りにならないことは何度もあります。投資家としての力量が問われるのは、想定通りの値動きにならなかった際の対応力です。待つのか損切りするのかを冷静に判断・対処できる人でなければ、短期投資では生き残れません。

向いている人②:ギャンブルなどに熱くならない人

投資をギャンブル扱いしたいわけではありませんが、相場の動向は短期間で区切るほど論理的な予測が難しくなるため、短期投資はギャンブルに近しいものになりがちです。「損切りしたら上がる」「利確したらさらに上がる」など、売って後悔する回数は、長期投資の比ではありません

このとき熱くなってのめり込んでしまうと本当は買わないほうがいいタイミングで買って損をするなど、どんどん傷口を広げてしまいます。短期投資で生き残れるのは、熱くなりそうなタイミングで自制できる人に限られます。

向いていない人①:儲けることしか頭にない人

一方、短期投資で儲けることしか頭にない人は向いていません。あえて厳しい言い方をすれば脳内お花畑の人が短期投資で勝てる確率は、ほぼゼロです。

もし初心者でも短期投資で儲かるのであれば、なぜ多くの人たちは真面目に満員電車に乗って、決まった時間に働いているのでしょうか。NISAなど投資への関心が高い今であれば、真面目に働いている人でも短期投資で儲かる可能性があることくらいは知っているでしょう。

それでも短期投資で生計が立てられるほどの実力がないと認識しているからこそ、専業トレーダーを目指すことなく働いているのです。短期投資は、売買の判断回数が長期投資と比べて大幅に増えるため、判断ミスはどうしても起きます。つまり損をすることは必ずあります。

その際に何の反省もせずに「次は儲かるはずだ」などと考えて取引をしてしまうような人は、最初から短期投資をやらないほうが幸せです。

向いていない人②:自分が初心者だと思っている人

証券会社を介して取引所に注文を出した時点で投資歴ゼロでもプロと同じ土俵で勝負することになります。自分が初心者だと思っている人は、そもそも短期投資には向いていません。

機関投資家(プロ)は、個人投資家が絶対に太刀打ちできない金額を取引しており、短期投資ではプロの取引によって値動きが歪められ想定通りにならないことがあります。個人投資家がプロに対して優位に立てるのは「一定の時間内に収益を上げるというプレッシャーがない」という点です。

つまり初心者が投資で利益を出したい場合は、時間を味方につける長期投資に徹するのが王道といえるでしょう。個人の短期投資は、自らの優位性の放棄を意味します。不利な条件で勝負しなければならないのに自分が初心者だと思って取引しているのでは、まず勝てません。

プロからカモにされて損失を被って退場させられるのがオチでしょう。

初心者なら短期投資より投資信託などへの長期投資のほうがおすすめ

この記事を検索で見つけた人は「初心者でも短期投資で儲ける方法」を探しているのかもしれませんが、そんな都合の良い方法はありません。仮にあったとしても、まず間違いなく不特定多数の人が閲覧するネットで公開されることはないでしょう。

短期投資は、いつ始めてもチャンスがあります。今このときを逃したとしても投資経験を積んだタイミングでチャンスがやってきます。まずは、長期投資目的で投資信託などの商品を購入し、投資に慣れたほうが賢明です。

例えば投資信託の場合、値段がつくのは1日1回に限られており長期保有を前提とした商品が多いため、日々の値動きに一喜一憂する必要がありません。投資信託の保有コスト(信託報酬など)も低下傾向にあり、低コストで保有しやすくなっています。

投資信託でも株式を投資対象にした銘柄であれば、年率10%を超える利益が出ることも決してめずらしくはありません。短期投資でうまくいった場合と比べて物足りないかもしれませんが、経験不足で損をして熱くなって傷口を広げてしまうよりはマシです。

投資信託について詳しくはこちら
投資信託と株はどう違う?メリット・デメリットや選び方を完全比較

初心者が投資を始める際に検討すべき制度

初心者が投資を始める際に検討すべき制度は、NISAとiDeCoです。投資で得られた利益が非課税になるなど、税制上のメリットが大きいです。

NISA

NISAは、少額投資非課税制度のことで、投資で得られた利益が非課税になります。配当金を証券口座で受け取る場合、配当も非課税です(米国株の配当は米国で10%課税あり)。

2024年1月からは新制度が始まり、投資枠が年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで拡大され、売却した場合、1,800万円の非課税枠(総枠)が再利用できるようになりました。

成長投資枠であれば個別株が買えるので短期投資にも利用できます。最初は、つみたて投資枠で投資信託の積立投資から始めて慣れてきたら成長投資枠で株の短期投資を試してみてもいいでしょう。

【NISAの概要】

NISAの概要

※上場廃止のおそれがある銘柄や長期投資に適さない一部の投資信託は除外
画像引用:金融庁

NISAについて詳しくはこちら
NISAは18歳以上なら開設できる!年齢制限や年齢層ごとの運用方法を解説

iDeCo

iDeCoは、老後に備えるための私的年金制度です。原則60歳まで出金ができず一部の投資信託(または元本確保型の商品)にしか投資できないため、短期投資には向いていません。

一方、NISAと同様に投資の利益が非課税になるだけでなく、毎年の掛金が全額所得控除となり所得税や住民税の軽減になるメリットがあります。受取時に原則課税されてしまいますが、退職金が少ない会社に勤める人であれば退職所得控除により課税額を大幅に減らせるでしょう。

NISAとiDeCoの違いについて詳しくはこちら
【NISAとiDeCo】使い分けのポイントを徹底解説!あなたに合う制度はどっち?

短期投資は経験を積んでからでも遅くはない

投資経験豊富な人でも難しい短期投資は、初心者が安易に手を出せるものではありません。投資信託の積み立てや株の長期投資など、ある程度経験を積んで相場の変動に慣れたタイミングで始めても遅くはないでしょう。

短期投資であればいつでもチャンスがあるので、今このタイミングに固執する必要はありません。

どうしても短期投資がしたい人はこちらもご覧ください。
短期投資におすすめの銘柄(株と投資信託)はこれだ!選び方も解説