投資信託の証券会社の選び方!手数料などの違いを比較や、おすすめ銘柄も紹介

投資信託で資産運用を始めようにも「どの証券会社を選べばよいのかわからない」という方は少なくありません。ネット証券・対面型を合わせると多数の証券会社があり、どれが自分に合っているのか悩む方も多いでしょう。

今回は、主要な証券会社の取扱銘柄数やポイント還元率、手数料などを比較しながら、おすすめの証券会社や証券会社の選び方を紹介します。また後半では、投資信託のおすすめ銘柄もまとめました。この記事を参考にすれば、証券会社選びと投資信託選びを一気に進められるでしょう。

目次

  1. 投資信託取引の証券会社選びのポイント
  2. 投資信託取引におすすめのネット証券会社
  3. 投資信託はネット証券会社と銀行どちらで始めるべき?
  4. 初心者におすすめの投資信託銘柄7選
  5. 投資信託に関するよくある質問

投資信託取引の証券会社選びのポイント

投資信託を売買する証券会社は、以下の基準で選びましょう。

まず取扱銘柄数の多さやポイント還元率を基準に比較してみましょう。以下の表では、投資信託・つみたてNISA対象投信の銘柄数、投信の保有残高に応じた還元率、クレカ積立の還元率をまとめました。



投資信託
取扱銘柄数
つみたてNISA
取扱投信本数
投信残高に応じた
還元率(年率)
クレカ積立還元率※1
SBI証券2,602本211本~0.25%~5%
楽天証券2,560本206本~0.028%~1%
auカブコム証券1,726本209本~0.24%1.0%
マネックス証券1,713本202本~0.08%1.1%
松井証券1,810本212本~1.0%
フィデリティ証券700本50本販売会社配分の
10%相当額※2
GMOクリック証券132本34本
野村證券1,204本19本
大和証券608本19本
※1.積立額に対する還元率
※2.預り残高3,000万円以上のプラチナメンバーのみ、還元は現金で実施
2023年12月4日時点、引用:SBI証券楽天証券マネックス証券auカブコム証券松井証券フィデリティ証券GMOクリック証券野村證券大和証券

取扱銘柄数では、大手SBI証券・楽天証券が優位ですが、マネックス証券・auカブコム証券・松井証券でも投資銘柄によほどこだわる方でない限りは問題ないでしょう。ポイント還元では、SBI証券には「投信マイレージ」による投資信託の保有残高に対する還元とクレカ積立での積立額に対する最大5%の還元サービスがあります。

マネックス証券・auカブコム証券も投資信託の保有残高に応じた還元制度があるうえ、無料のクレジットカードでのクレカ積立で1%以上のポイント還元が受けられることは魅力的です。

取扱銘柄の多い証券会社を比較

投資信託の銘柄数が多い証券会社を選ぶことは、ポイントの一つです。各社の投資信託の取扱銘柄数は、次の通りです。



投資信託
取扱銘柄数
つみたてNISA
取扱投信本数
SBI証券2,602本211本
楽天証券2,560本206本
auカブコム証券1,726本209本
マネックス証券1,713本202本
松井証券1,810本212本
フィデリティ証券700本50本
GMOクリック証券132本34本
野村證券1,204本19本
大和証券608本19本

単純な銘柄数では、SBI証券・楽天証券が群を抜いています。一方でマネックス証券・auカブコム証券・松井証券も1,500銘柄以上のラインナップがあり、柔軟に投資先を選ぶことが可能です。対面型でも野村證券が1,200本超のラインナップがあります。

一方で、つみたてNISAの銘柄数では大手ネット証券5社が各社とも200銘柄以上取り扱っています。2024年以降の新NISAのつみたて投資枠は、2023年11月時点でつみたてNISAの対象銘柄が引き継がれる見込みです。新NISAを有効活用するためにも、つみたてNISAの銘柄数が豊富な証券会社を選ぶのがよいでしょう。

\投資信託・つみたてNISAの銘柄数豊富!/

手数料の低い証券会社を比較

投資信託の買付手数料が、原則無料の証券会社を選ぶのがよいでしょう。買付手数料を原則全銘柄無料としている証券会社は、以下の通りです。


証券会社投資信託の買付手数料無料
(○は原則全銘柄無料)
SBI証券
楽天証券
auカブコム証券
マネックス証券
松井証券
フィデリティ証券
GMOクリック証券×
野村證券×
大和証券×

SBI証券・楽天証券・マネックス証券・auカブコム証券・松井証券・フィデリティ証券の6社は、原則として全銘柄無料です。これらの証券会社を利用すれば、購入時に余計なコストを払わずに済みます。

また、それ以外の証券会社でも銘柄によりは購入手数料無料(ノーロード)の商品を提供している場合があります。

新NISAの違いでも比較しておこう

2024年から始まる新NISAの条件もチェックして証券会社を選びましょう。ネット証券を中心に、新NISA開始後は手数料無料の取引範囲を拡大する動きが見られます。


つみたてNISA
取扱投信本数
日本株米国株中国株
SBI証券211本×
楽天証券206本×
auカブコム証券209本取引不可
マネックス証券202本
松井証券212本取引不可
フィデリティ証券50本×取引不可取引不可
GMOクリック証券34本×取引不可取引不可
野村證券19本×××
大和証券19本×××

SBI証券・楽天証券・マネックス証券・auカブコム証券・松井証券は、すでに買付手数料が無料の投資信託に加えて、日本株・米国株の取引手数料も無料になります。さらに、つみたてNISAの投資銘柄も豊富です。2024年以降の新NISAを投資信託中心で運用する方も、株やETFなどにチャレンジする方も利用しやすいといえます。

クレカ積立のポイント還元率で比較

クレカ積立のポイント還元率が高い証券会社を選ぶこともポイントの一つです。今回紹介する証券会社のなかでクレカ積立のポイント還元は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券の4社が行っています。毎回の積立額に対してポイント還元を受けられる制度で、還元率は次の通りです。

投資信託の買付手数料が、原則無料の証券会社を選ぶのがよいでしょう。買付手数料を原則全銘柄無料としている証券会社は、以下の通りです。


証券会社クレカ積立還元率※
SBI証券0.5~5%
楽天証券0.5~1%
auカブコム証券1.0%
マネックス証券1.1%
2023年11月27日時点、引用:SBI証券楽天証券マネックス証券auカブコム証券

年会費のかかる上位カードを活用する場合、SBI証券で三井住友カードプラチナプリファードのクレカ積立をすれば最大となる5%の還元率となります。一方で年会費無料カードに限定した場合は、マネックス証券でのマネックスカードを使用したときの還元率1.1%が最大です。

次いで高いのは、auカブコム証券の還元率1.0%です。auカブコム証券は、さまざまな店舗で使えるPontaポイントで還元されます。使い勝手の良さまで加味すると、同社を利用するのも一案です。

\年会費無料カードのクレカ積立で還元率1.1%!/

投資ツール・ロボアドサービスで比較

投資信託関連の投資ツールや、ロボアドサービスが使いやすい証券会社を選ぶのもよいでしょう。次の4社のアプリやツールが便利です。

ツール例主な機能
SBI証券かんたん積立アプリポートフォリオの確認
積立銘柄の変更
資産規模推移のチェック
マネックス証券MONEX VISIONポートフォリオのチェック
買付やリバランスの提案
診断に基づく投資信託の買付
松井証券投信工房
投信提案ロボ
投信見直しロボ
投資信託ポートフォリオの提案・投資
投資目的に合った投資信託をランキング表示
投資信託への入れ替えを提案
フィデリティ証券ポートフォリオナビツールリスク許容度やポートフォリオを提示
カート機能で該当銘柄を購入

SBI証券・マネックス証券・松井証券・フィデリティ証券は、それぞれに投資信託での運用に便利なロボアド・投資分析ツールが利用できます。SBI証券は、積立投資に特化したアプリを提供していて、保有するポートフォリオの状況などを確認できるほか、積立銘柄の変更もアプリ上で完結できます。

その他3社は、いずれも顧客ごとに最適なポートフォリオを提案し、さらに該当する銘柄を購入してポートフォリオを簡単に構築できて便利です。

日本株・ETFなど投資信託以外もチェック

将来的に投資信託以外にも投資先を広げる可能性を念頭に、日本株やETFなど他のサービスを見ておくことも一案です。投資信託以外の手数料をまとめると次の通りです。


国内株1約定ごと
(税込み)
国内株定額
(税込み)
米国株取引手数料
(税込み)
SBI証券0円0円約定代金の0.495%
下限0~上限22米ドル
楽天証券0円0円約定代金の0.495%
下限0~上限22米ドル
auカブコム証券55円~<0円〜約定代金の0.495%
下限0~上限22米ドル
マネックス証券55円~550円~約定代金の0.495%
下限0~上限22米ドル
松井証券0円〜※10円〜約定代金の0.495%
下限0~上限22米ドル
フィデリティ証券1,500円※2制度なし取引不可
GMOクリック証券50円~0円~取引不可
野村證券※3152円~※3制度なし2,389円~
大和証券※41,100円~※43,300円~※4要問い合わせ

楽天証券とSBI証券には、国内株の売買手数料が完全無料の制度があります。また松井証券・auカブコム証券・GMOクリック証券は、定額プランを活用して1日の取引額を抑えれば取引手数料を無料で売買可能です。

米国株は、そもそもフィデリティ証券・GMOクリック証券が取り扱っておらず、大和証券もインターネットでは取引できません。インターネット上でスムーズに米国株を売買したい場合は、それ以外の各社がおすすめです。

\「ゼロコース」で日本株の取引手数料が無料!/

iDeCoのサービスでも比較する

iDeCoでの資産運用を検討している場合は、あわせてサービスを比較しておきましょう。iDeCoとは、掛け金を拠出して自分で決めた投資先へ投資し、60歳以降に受け取る年金です。主な着眼点は、手数料と投資できるファンドの銘柄数となります。まず今回紹介している証券会社の場合、フィデリティ証券・GMOクリック証券はiDeCoを扱っていません。

iDeCoは、運用中「国民年金基金連合会」「事務委託先金融機関」「運営管理機関」に対する手数料がそれぞれに毎月かかります。ネット証券5社と大和証券・野村證券はいずれも運営管理機関向け手数料が0円で、1ヵ月あたり手数料の合計は171円(税込み)です。

iDeCoで投資できる投資信託・預金のラインナップ数は、次の通りです。ラインナップが充実している証券会社のほうが投資の選択肢が広がります。

投資信託の買付手数料が、原則無料の証券会社を選ぶのがよいでしょう。買付手数料を原則全銘柄無料としている証券会社は、以下の通りです。


証券会社iDeCoの対象銘柄数
SBI証券38銘柄
楽天証券34銘柄
auカブコム証券27銘柄
マネックス証券27銘柄
松井証券40銘柄
野村證券32銘柄
大和証券22銘柄

投資信託取引におすすめのネット証券会社

ここまで紹介してきた証券会社のなかで投資信託取引におすすめなのは、以下の5社です。

SBI証券

投資信託取扱銘柄数2,602本
つみたてNISA対象投信銘柄数211本
貯められるポイントVポイント、Tポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル
投信残高に応じた還元率(年率)~0.25%
クレカ積立還元率~5%
2023年12月4日時点、引用:SBI証券

SBI証券は、投資信託の銘柄取扱数とつみたてNISAの対象銘柄数がともに今回紹介した証券会社で最も多くなっています。また大手ネット証券で口座数が最も多く、SBIグループ全体で初めて1,000万口座を達成した証券会社です。

SBI証券は、5種類のポイントから自分に便利なポイントを貯められます。またVポイント・Tポイント・Pontaポイントであれば、ポイント使って投資信託を購入可能です。

さらに「投信マイレージサービス」という投資信託の残高に応じてポイント還元される制度もあります。特に「SBIプレミアムチョイス銘柄」で月額平均保有金額が1,000万円を超えると年率0.25%の還元が受けられます。

クレカ積立では、積立額に対してVポイントを獲得可能です。年会費無料の三井住友カードの場合、還元率は0.5%ですが、上位カードの三井住友カードプラチナプリファードなら5%まで還元率がアップします。

\クレカ積立還元率が最大5%!/

楽天証券

投資信託取扱銘柄数2,560本
つみたてNISA対象投信銘柄数206本
貯められるポイント楽天ポイント
投信残高に応じた還元率(年率)~0.028%
クレカ積立還元率~1%
2023年12月4日時点、引用:楽天証券

楽天証券は、投資信託の取扱銘柄数でSBI証券に次ぐ規模です。楽天ポイントを貯めたり投資に使ったりできるため、楽天ユーザーにはおすすめです。楽天カードのクレカ積立では、積立額に対して通常カードで0.5%、上位カードの楽天プレミアムカードでは1.0%の還元が受けられます。

また、楽天銀行との連携サービス「マネーブリッジ」設定のうえ、投資信託を月3万円以上、かつポイントを1ポイントでも使って購入すると、楽天市場でのポイント付与率が+0.5倍となります。

楽天証券
引用:楽天証券

また楽天投信投資顧問が運用する投資信託2銘柄について、保有残高に応じた楽天ポイント付与を毎月受けられます。還元率は、楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドが還元率0.017%(年率)、楽天・S&P500インデックス・ファンドが同0.028%です。

SBI証券と楽天証券で悩む方は、こちらの記事も読んでみてください。
【関連記事】「SBI証券と楽天証券はどう使い分ける?どっちがいいのかも7項目で比較」

\楽天ポイントを貯められる!/

auカブコム証券

投資信託取扱銘柄数1,726本
つみたてNISA対象投信銘柄数209本
貯められるポイントPontaポイント
投信残高に応じた還元率(年率)~0.24%
クレカ積立還元率1.0%
2023年12月4日時点、引用:auカブコム証券

auカブコム証券は、スマートフォンアプリの機能が充実しているのが特徴です。投資信託であれば、銘柄検索や情報収集、取引などがすべて完結します。経済指標や市況情報も簡単にチェックできます。アプリを活用して、資産運用を進めたい方におすすめです。

auカブコム証券の投資信託のau PAYカードを活用したクレカ積立では、毎月の積立額に対して1.0%のPontaポイントが還元されます。年会費無料カードで見るとマネックス証券に次ぐ高還元率です。さらに、2つの投資信託残高に応じたポイント還元制度があることも特徴です。

auカブコム証券の資産形成プログラムでは、投資信託の平均保有残高に応じて、毎月Pontaポイントが還元されます。

月間平均保有残高還元率(年率)
100万円未満0.05%
100万円以上~3,000万円未満0.12%
3,000万円以上0.24%

ただし指定銘柄については、残高にかかわらず還元率0.005%(年率)となります。またauの投資信託ポイントプログラムでは、同じく残高に応じて次の銘柄のポイント還元が受けられます。

対象商品au通信契約ありau通信契約なし
auスマート・ベーシック(安定)
auスマート・ベーシック(安定成長)
0.04%0.02%
auスマート・プライム(成長)
auスマート・プライム(高成長)
0.10%0.05%
還元率は年率
引用:auカブコム証券

auカブコム証券について詳しく知りたい方はこちら。
【関連記事】「auカブコム証券で口座開設してNISAを始めるなら今!メリットやおすすめ銘柄を解説します」

\スマホアプリで外からでもスムーズに取引!/

マネックス証券

投資信託取扱銘柄数1,713本
つみたてNISA対象投信銘柄数202本
貯められるポイントマネックスポイント
投信残高に応じた還元率(年率)~0.08%
クレカ積立還元率1.1%
2023年12月4日時点、引用:SBI証券

マネックス証券は、クレカ積立の還元率が年会費無料で利用できるクレジットカードとしては高いのが特徴です。マネックス証券で貯められるマネックスポイントは、投資信託の買付に利用できるほか、Pontaポイントなどに変換すれば、買い物に使うこともできます。

マネックス証券で投資信託を運用するときには「MONEX VISION」が便利です。最新の金融工学に基づいて、保有資産の分析や将来予測、投資診断や結果に基づく買付・リバランスをすべて行います。初心者でも簡単にポートフォリオ運用を実践可能です。

\MONEX VISIONが便利!/

松井証券

投資信託取扱銘柄数1,810本
つみたてNISA対象投信銘柄数212本
貯められるポイント松井証券ポイント
投信残高に応じた還元率(年率)~1.0%
クレカ積立還元率-
2023年12月4日時点、引用:松井証券

松井証券は、投資信託運用に関するロボアドサービスが充実しているのが特徴です。3つのツールで投資信託のポートフォリオの検討、購入、入れ替えを効率よく行えます。

投資信託の投資に便利なロボアドサービス

投信工房ポートフォリオを構築し、さらに投資信託の購入・リバランスにも対応
信提案ロボ投目的に合った投資信託をランキングで表示
投信見直しロボ条件に合い、かつ優れた投資信託を3つ提案
2023年12月4日時点、引用:松井証券

松井証券では「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」を実施しています。

松井証券
引用:松井証券

毎月の平均保有残高に応じて松井証券ポイントを付与する制度です。還元率は銘柄によって異なり、高還元率の銘柄では最大1%となります。残高に応じたポイント還元制度としては、今回紹介する証券会社のなかでは高い還元率です。

松井証券は、口座保有者にネット銀行サービス「MATSUI BANK」を提供しています。証券口座と連携させると、銀行・証券間の入出金が自動で行えるほか、普通預金の残高に対しては0.2%(年率・税引前)が付与されます。投資前の待機資金にも金利が付くので、効率のよい資産運用が可能です。

\残高に対して最大1%のポイント還元!/

投資信託はネット証券会社と銀行どちらで始めるべき?

投資信託は、証券会社のほか銀行でも取引可能ですが、次のポイントに魅力を感じるならネット証券会社を利用するのがおすすめです。

  • 証券会社のほうが銘柄数・手数料・クレカ積立など優位な点が多い
  • 新NISAでも証券会社のほうがさまざまな資産に投資できる

証券会社のほうが銘柄数・手数料・クレカ積立など優位な点が多い

次の表の通り、銘柄数や手数料、クレカ積立でのポイント還元ではネット証券会社が優位です。


投資信託
取扱銘柄数
つみたてNISA
取扱投信本数
投資信託の
買付手数料
クレカ積立
ポイント還元
SBI証券2,602本211本原則無料~5%
楽天証券2,560本206本原則無料~1%
auカブコム証券1,726本209本原則無料1.0%
マネックス証券1,713本202本原則無料1.1%
松井証券1,810本212本~1.0%
三菱UFJ銀行572本12本銘柄による
三井住友銀行196本4本銘柄による
イオン銀行324本20本銘柄による
※証券会社は2023年12月4日時点、銀行は2023年12月5日時点
2023年12月4日時点、引用:SBI証券楽天証券マネックス証券auカブコム証券松井証券三菱UFJ銀行三井住友銀行イオン銀行

銘柄数は、投資信託全体で見てもつみたてNISA対象に絞っても証券会社のほうが圧倒的に多く、投資先を柔軟に選べます。またネット証券会社の投資信託の買付手数料は、原則として全銘柄無料です。銀行は、ノーロード(買付手数料無料)の銘柄と手数料がかかる銘柄があります。

最後にクレカ積立でのポイント還元は、松井証券を除くネット証券各社のサービスです。上記で紹介した3つ銀行は、そもそもクレジットカード決済を行っていません。

新NISAでも証券会社のほうがさまざまな資産に投資できる

ネット証券に口座を保有しておけば、新NISAが始まったあとは多様な資産を非課税・取引手数料無料で売買可能になります。新NISAでの取引では、SBI証券・楽天証券・マネックス証券・auカブコム証券・松井証券において日米株・ETFなど取引手数料が無料化される予定です。

当面は、投資信託しか売買しない予定でも、いつでも他の資産にチャレンジできるようにネット証券会社の口座を開設することも一案です。なお、銀行は個別株・ETFの売買を取り扱っていないため、そもそも売買ができません。

初心者におすすめの投資信託銘柄7選

証券会社選びの次は、投資信託の銘柄選びも進めましょう。ここからは、初心者におすすめの7つの投資信託を紹介します。

なお、つみたてNISAにおすすめの銘柄を調べたい方はこちらをチェックしてみてください
【関連記事】「積立NISAおすすめ銘柄10選!【2023年最新版】初心者も安心の選び方と証券会社比較」

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

運用会社三菱UFJアセットマネジメント
投資対象米国株式
基準価額2万4,055円
純資産総額約2兆8,958億7,500万円
信託報酬(年率、税込)0.09372%以内
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
23.20%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の大手企業へ分散投資が可能なファンドです。銘柄名にもある米国の主要企業500社から構成されるS&P500指数(配当込み、円換算ベース)へ連動することを目指して運用されるインデックスファンドの一つです。

純資産総額が3兆円に迫る水準まで拡大しているため、残高縮小による運用終了のリスクは極めて低く、長期で安心して保有できる銘柄といえます。また信託報酬が0.1%以内に収まっているなど、低コストで投資できるのも特徴です。米国市場の成長性に期待して、長期投資したい方にはおすすめのファンドといえます。

●eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

運用会社三菱UFJアセットマネジメント
投資対象日本を含む世界の株式
基準価額2万667円
純資産総額約1兆6,963億6,700万円
信託報酬(年率、税込)0.05775%以内
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
19.70%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国・新興国の双方に投資するファンドです。先進国23ヵ国、新興国24ヵ国(2023年3月末時点)で構成されたMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動するように運用されています。

この1本を保有するだけで、全世界の株式に分散投資できるのが特徴です。ただし2023年10月末時点で米国の投資比率が約62%と過半数を占めている点には留意しましょう。純資産総額が約1兆7,000円のファンドなので、長期で安心して保有し続けられます。

また手数料が0.05775%以内と0.1%を下回る低水準であるのも魅力です。1本の投資信託でできるだけ投資先を分散させたいなら、同ファンドを検討しましょう。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

運用会社三菱UFJアセットマネジメント
投資対象日本を含む世界の株式
基準価額2万838円
純資産総額約3,445億7,400万円
信託報酬(年率、税込)0.05775%以内
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
20.02%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、日本以外の先進国・新興国に投資するファンドです。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)に連動する成果を目指して運用されます。なお同指数は、先進国22ヵ国、新興国24ヵ国(2023年3月末時点)で構成されています。

「分散投資はしたいけど海外資産に投資したい」という方におすすめです。また日本株や日本へ投資する投資信託と組み合わせる方法もあります。手数料は0.05775%以内と0.1%を下回る低水準で、コストを掛けずに運用が可能です。

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楽天・全米株式インデックス・ファンド

運用会社楽天投信投資顧問
投資対象米国株式
基準価額2万4,540円
純資産総額約1兆1,836億5,900万円
信託報酬(年率、税込)0.162%程度
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
21.61%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国株式に分散投資できるファンドです。CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)という指数に連動することを目指して運用されています。大型株から小型株まで、米国株のほぼ100%をカバーした指数です。楽天・全米株式インデックス・ファンドは、同指数に連動するETFへ投資する仕組みになっています。

大企業に集中させたい場合は、S&P500に連動する他のファンド、中小型株にまで分散投資したい場合は楽天・全米株式インデックス・ファンドといった形で使い分けましょう。

\楽天証券で全米株式の投資信託を買う!/

たわらノーロードバランス(8資産均等型)

運用会社アセットマネジメントOne
投資対象バランス型
基準価額1万4,571円
純資産総額約549億9,900万円
信託報酬(年率、税込)0.143%以内
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
8.58%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

たわらノーロードバランス(8資産均等型)は、8種類の資産に均等に分散投資することを目指して運用されるファンドです。8資産とは、次のカテゴリーでそれぞれに12.5%ずつ組み入れることを目指しています。

  • 国内株式
  • 国内債券
  • 先進国株式
  • 先進国債券
  • 新興国株式
  • 新興国債券
  • 国内リート
  • 先進国リート

この1本を買うだけで、投資する地域・資産双方で分散投資が可能です。リバランスを運用者が定期的に行ってくれるため、自分で複数銘柄を組み合わせるよりも運用の手間がかかりません。株以外にも投資してリスク分散を図りたい方にはおすすめのファンドといえます。

ひふみプラス

運用会社レオス・キャピタルワークス
投資対象日本株式・海外株式
基準価額5万3,259円
純資産総額約5,303億3,600万円
信託報酬(年率、税込)1.078%以内
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
4.15%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

ひふみプラスは、国内外の株式に投資して長期的な資産成長を目指すアクティブファンドです。世界中の小型株から大型株まで幅広く投資対象として、基本的は割安で長期的な成長が見込まれる株式に投資していきます。なお2023年10月時点では、日本株の投資比率約87%、海外株約5%と日本株中心のポートフォリオです。

景気動向や市場環境に応じて、現金比率をコントロールすることもこのファンドの特徴です。例えば市場環境の悪化が懸念されるときには、現金比率を高めて損失抑制を図れる場合があります。割安株へ長期投資したいと考える方には、適したファンドの一つです。

フィデリティ・米国優良株・ファンド

運用会社フィデリティ投信
投資対象米国株式
基準価額4万8,360円
純資産総額約999億4,600万円
信託報酬(年率、税込)1.639%
税引き前リターン(3年・年率)
2023年10月31日時点
22.07%
特記ない個所は2023年12月4日時点、引用:SBI証券

フィデリティ・米国優良株・ファンドは、米国株に主に投資するアクティブファンドです。経営陣の品質、現場、取引先、競合の状況など多面的な視点で銘柄分析したうえで、将来の優良企業を発掘して投資します。なお2023年9月29日時点の組入上位銘柄は、次の通りです。

  • マイクロソフト
  • アップル
  • エヌビディア
  • アルファベット(クラスC)
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投資信託に関するよくある質問

最後に投資信託に関するよくある質問と回答をまとめました。投資信託への投資を検討するうえで、参考にしてください。

そもそも投資信託とは?仕組みをおさらい

投資信託は、投資家から集めた資金を運用の専門家が多数の銘柄に分散投資して収益を還元する金融商品です。運用の専門家は「運用会社」という投資信託を販売する金融機関と別会社が行います。

投資信託で発生した収益は、分配金という形で還元するほか投資先の資産価値が向上すればファンドの基準価額も上昇するため、値上がり益の追求も可能です。ただし市場が悪化して投資先が損失を出せば、投資信託の基準価額も下がって損失が発生するリスクもあります。

証券会社を移動すると投資信託はどうなる?

投資信託は、金融機関によって取扱銘柄が異なるため、移管先の証券会社で同じ投資信託を扱っていることが移管(移動)の最低条件です。また移管の際には、手数料が発生します。移管できない場合は、複数の証券会社で資産を管理するか、売却するしかありません。

なおNISA・新NISAで保有した投資信託については、NISA口座を移しても移管ができないため、移管後も売却まで元の証券会社で管理します。

証券会社が倒産したら投資信託はどうなる?

証券会社の資産と顧客資産は分別管理するルールなので、正常に管理されていれば倒産により損失を受けることはありません。万が一、分別管理ができておらず損失が発生する場合も証券会社で保有している投資信託については、1,000万円を限度に日本投資者保護基金から補償を受けられます。なおこの補償制度は、銀行には適用されないので注意が必要です。

手数料無料の投資信託はどうやって儲けている?

投資信託は、買付手数料のほかに保有している間「運用管理費用」が発生します。運用管理費用は、ファンドの純資産から日々計上されているため、投資家が直接金銭を払う必要はありません。しかしファンドのパフォーマンスを抑制する要因となります。

運用管理費用のうち信託報酬の一部が証券会社にも入る仕組みです。そのため購入時の手数料をゼロにしても、投資家が保有している間は証券会社に継続的に収益が入ります。

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有

新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。 キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。
<保有資格>
資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有
・日本FP協会認定 AFP