米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介

海外資産に投資したくても「外国の個別株に投資するのはハードルが高い」と感じてためらってしまう方は少なくありません。そんな方におすすめなのが米国ETFへの投資です。

米国ETFは、証券会社によって取扱銘柄の数やラインナップが異なるので、自分が取引したい銘柄を扱う証券会社で口座を開設しましょう。

今回の記事では、米国ETFのおすすめ10銘柄や選び方、米国ETF投資に適したネット証券会社を紹介します。

この記事を参考にすれば、初めての米国ETF投資も安心です。

  1. 高配当ETFとは?
  2. 高配当ETFのメリット・デメリット
    1. 高配当ETFのメリット5つ
    2. 高配当ETFのデメリット5つ
  3. おすすめの米国ETFその1|株に投資するETF7選
    1. 1.バンガードS&P500ETF(VOO)|米国の代表的な企業に分散投資
    2. 2.SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)|米国の高配当株へ投資
    3. 3.バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)|世界中の株式に投資
    4. 4.バンガードトータルストックマーケットETF(VTI)|全米の株式に分散投資
    5. 5.インベスコQQQトラストシリーズ1ET(QQQ)|米NASDAQの株式へ投資
    6. 6.バンガード米国金融セクターETF(VFH)|米国金融株・銀行株に投資
    7. 7.バンガード・米国グロースETF(VUG)|米国のグロース株に分散投資できる
  4. おすすめの米国ETFその2|株以外に投資するETF3選
    1. iシェアーズ ゴールド トラスト(IAU)|金へ実質的に投資
    2. iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)|米国の投資適格債券へ分散投資
    3. バンガード 米国短期債券 ETF(BSV)|米国の短期債へ投資
  5. 米国ETFの選び方4選
    1. 1.自分に合った投資先の銘柄を選ぶ
    2. 2. 流動性が高い銘柄を選ぶ
    3. 3. 運用コスト「経費率」が低い銘柄を選ぶ
    4. 4. ベンチマークとの乖離が小さい銘柄を選ぶ
  6. 米国ETF投資におすすめの証券会社4選
    1. SBI証券|国内最大級のネット証券会社
    2. 楽天証券|投資初心者に人気!
    3. マネックス証券|米国ETFの取扱銘柄数が豊富
    4. DMM株|米国ETFの取引手数料が無料
  7. 米国ETFに関するよくある質問
    1. Q.米国で高配当のETFはどんなものがある?
    2. Q.米国ETFはいくらから買える?
    3. Q.米国ETFはどんな税金がかかる?
    4. Q.米国ETFのNISA口座は確定申告が必要?

高配当ETFとは?

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=智高/stock.adobe.com)

米国ETF(Exchange Traded Fund)は、米国の証券会社で上場しているETFのことです。米国で上場しているので、通常取引は米ドル建てになります。

特定の指数(S&P 500やNASDAQなど)やセクター、資産クラス(株式、債券、コモディティなど)を追跡し、分散投資をおこないます。

株式のように取引所で売買され、流動性が高く、手数料が低いことが特徴です。

米国ETFは多様な投資戦略やリスク分散を可能にし、個人投資家から機関投資家まで幅広く利用されています。

米国ETFは、プロの運用者がそれぞれのルールに沿って分散投資してくれるため、個別株と比べると1銘柄買うだけでリスク分散が可能です。

高配当ETFのメリット・デメリット

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=78art/stock.adobe.com)

続いては高配当ETFのメリットとデメリットを確認していきましょう。

高配当ETFのメリット5つ

高配当ETFのおもなメリット
  • 1. 収入源になる
  • 2. リスク分散に優れている
  • 3. 低コストである
  • 4. 簡単に売買できる
  • 5. 長期投資に適している

高配当ETFは定期的な配当金を提供するため、収入を得ることができます。

また、複数の高配当銘柄に分散投資することから、投資におけるさまざまなリスクを軽減されるといったメリットも高配当ETFの優れた特徴の一つです。

さらには、一般的に、個別株を複数購入するよりも手数料や取引コストが低く抑えらるなどもメリットです。

また、株式市場で容易に売買することができます。高配当株は通常、財務的に安定した企業であるため、長期的な資産形成に適しています。

高配当ETFのデメリット5つ

高配当ETFのおもなデメリット
  • 1. 配当金の変動リスクがある
  • 2. 株価の大幅な上昇によるキャピタルゲインが得にくい
  • 3. 管理費用や運用手数料のコストが長期的に負担になりかねない
  • 4. 特定のセクターへの集中リスク
  • 5. 税金の負担

高配当ETFの配当金は市場状況や企業の業績によって変動するため、必ずしも安定しているとはいえません。

また高配当ETFは主に成熟した企業に投資するため、株価の大幅な上昇によるキャピタルゲイン(売却益)が得にくい場合があります。

その他にも、ETFには管理費用や運用手数料がかかります。長期運用をおこなう場合、これらのコストが負担になりかねません。

また、高配当ETFは特定の業種(たとえば金融やエネルギー)に集中することが多く、業界の状況が下降線だとリスクにさらされやすいといえます。

配当金は課税対象であり、高配当ETFの配当が多いほど、税金の負担も増える可能性があります。

このように高配当ETFにはさまざまなメリット・デメリットがあります。

これらを理解したうえで、自分の運用スタイルにあった銘柄を購入するようにしましょう。

おすすめの米国ETFその1|株に投資するETF7選

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=Kirill/stock.adobe.com)

米国ETFのうち株に投資するETFのおすすめを7銘柄を紹介します。

1. バンガードS&P500ETF(VOO)|米国の代表的な企業に分散投資

投資先 米国株
経費率(年率) 0.03%
基準価額
※2023年11月24日時点
418.4米ドル
直近分配金 1.4925米ドル
(2023年9月28日)
分配金利回り 1.49%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
31.17%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

バンガードS&P500ETF(VOO)は、米国のS&P500に連動することを目指して投資するETFです。

S&P500は、米国の主要大手500社が組み入れられた指数となっています。そのため、VOOを1銘柄保有するだけで、米国の主要企業への分散投資が可能です。

なお2023年11月28日時点の組入上位銘柄は以下のとおりで、世界有数のグローバル企業が名を連ねています。

  • APPLE:6.97%
  • MICROSOFT:6.50%
  • AMAZON.COM:3.20%
  • NVIDIA:2.98%
  • ALPHABET INC:2.15%

分配金は、原則年4回で直近(2023年12月時点)は2023年9月に支払われています。

S&P500をベンチマークとするインデックス投資信託は、日本にも複数ありますが、経費率が0.03%と低水準なのがVOOの魅力です。

分配金を受け取りながら資産運用したい方や、コストを抑えて米国市場に投資したい方に適しています。

2.SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)|米国の高配当株へ投資

投資先 米国株
経費率(年率) 0.08%
基準価額
※2023年11月24日時点
35.91米ドル
直近分配金 0.440871米ドル
(2023年9月15日)
分配金利回り 5.02%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
25.78%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)は、S&P500高配当指数への連動を目指して運用されています。

同指数は、S&P500のなかで配当利回りが高い上位80銘柄を組み入れたものです。

分配金利回りは同日時点で5.02%となっており、足元は米国の長期国債よりも高水準です。

潤沢な分配金収入を獲得しながら長期保有を続けたい方は、SPYDを選ぶのが一案です。

また基準価額が35.91米ドルと低水準なため、日本円にして数千円程度の少額から取引できることも特徴です。

3.バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)|世界中の株式に投資

投資先 世界中の株式
経費率(年率) 0.07%
基準価額
※2023年11月24日時点
98.27米ドル
直近分配金 0.4055米ドル
(2023年9月18日)
分配金利回り 2.01%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
16.43%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)は、世界中の株式に分散投資できるETFです。

「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」という市場指数に連動することを目指して運用されます。

同指数は、先進国・新興国双方合わせて47ヵ国の全世界の大型~小型株で構成されていて、指数の組入銘柄数は約8,000銘柄です。

1銘柄投資するだけで、企業の規模・地域双方の観点で分散投資ができます。ただし2023年9月時点では、米国の投資比率が約60%となっています。

米国の株式市場規模が大きいため、米国の投資比率が高くなりがちである点は留意しましょう。

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4.バンガードトータルストックマーケットETF(VTI)|全米の株式に分散投資

投資先 米国株
経費率(年率) 0.03%
基準価額
※2023年11月24日時点
225.47米ドル
直近分配金 0.7984米ドル
(2023年9月21日)
分配金利回り 1.48%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
25.36%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

バンガードトータルストックマーケットETF(VTI)は、全米の株式に分散投資できるETFです。

こちらは、CRSP USトータル・マーケット・インデックスへの連動を目指して運用されます。

同指数は、米国の株式市場のほぼ100%をカバーしているため、小型株から超大型株までを全方位的に組み入れています。

この点は、大手企業が中心であるS&P500との大きな違いです。

「米国市場に投資したいけどできるだけ分散投資したい」という方は、同ファンドを選択してください。

同ファンドは、経費率が0.03%と今回紹介するファンドのなかでも特に低水準です。コストを抑えて米国の多様な銘柄に分散投資したい方に適したETFです。

5.インベスコQQQトラストシリーズ1ET(QQQ)|米NASDAQの株式へ投資

投資先 米国株
経費率(年率) 0.20%
基準価額
※2023年11月24日時点
389.57米ドル
直近分配金 0.53555米ドル
(2023年9月18日)
分配金利回り 0.56%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
32.72%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

インベスコQQQトラストシリーズ1ET(QQQ)は、米国のナスダック上場銘柄へ投資できるETFです。

同ファンドは、「ナスダック100指数」というナスダック上場銘柄のうち主要100社からなる株式指数へ連動することを目指して運用されています。

ナスダックは、その指数の特性から新興企業が多く組み入れられています。

そのため、QQQは成長性の期待できる株式に多く投資できるETFです。

直近3年間のリターンは32.72%ですが、5年間では146.73%もの高リターンを実現しています。

成長株に多く投資する分、市場環境が追い風のときに大きな収益を獲得できるチャンスが相対的に大きいファンドです。

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6.バンガード米国金融セクターETF(VFH)|米国金融株・銀行株に投資

投資先 米国株
経費率(年率) 0.10%
基準価額
※2023年11月24日時点
85.60米ドル
直近分配金 0.5048米ドル
(2023年9月28日)
分配金利回り 2.33%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
30.59%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

バンガード米国金融セクターETF(VFH)は、米国の銀行や金融株に特化したファンドです。

「MSCI USインベスタブル・マーケット・金融25/50インデックス」という指数に連動することを目指して運用されています。

同指数は、小型~大型までの幅広い金融セクターの株が組み入れられているのが特徴です。

なお銀行や証券会社のほか、資産運用会社、資産管理銀行、保険、不動産(REITを含む)など金融セクターであれば幅広い銘柄が組入対象となっています。

米国の金融セクターに積極的に投資したい場合は、同銘柄へ投資するのがよいでしょう。

2023年11月28日時点の組入銘柄上位5社は、以下のとおりです。‎

  • BERKSHIRE HATHAWAY:8.36%
  • JPMORGAN CHASE:7.80%
  • MASTERCARD:6.17%
  • VISA:6.09%
  • BANK OF AMERICA:3.62%

ウォーレン・バフェットの運用会社であるBERKSHIRE HATHAWAYをはじめ日本でも知られる大手金融機関が名を連ねています。

7.バンガード・米国グロースETF(VUG)|米国のグロース株に分散投資できる

投資先 米国株
経費率(年率) 0.04%
基準価額
※2023年11月24日時点
298.47米ドル
直近分配金 0.3759米ドル
(2023年9月21日)
分配金利回り 0.56%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
24.93%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

バンガード・米国グロースETF(VUG)は、米国の成長株に分散投資できるETFです。

「CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス」という指数に連動することを目指して運用されています。同指数は、大型の成長株を中心に組み入れられた指数です。

たとえば上位5銘柄は、以下のとおりでテクノロジーセクターの大手企業の組入が多くなっています。

  • APPLE:12.78%
  • MICROSOFT:11.79%
  • AMAZON.COM:5.93%
  • NVIDIA CORP:5.13%
  • ALPHABET:3.90%

成長株に分散投資して高成長を追求したい方に適したファンドです。

なお3年間のリターンは24.93%ですが、5年間では118.27%のリターンを実現しています。

成長株が中心のファンドであるため、市場環境が追い風になれば高収益を実現できる可能性も相対的に高いでしょう。

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おすすめの米国ETFその2|株以外に投資するETF3選

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=智高/stock.adobe.com)

米国ETFには、株式以外に投資するファンドもあります。

次に紹介するファンドを株式に投資するタイプのファンドと組み合わせると、さらにリスク分散が期待できるでしょう。

iシェアーズ ゴールド トラスト(IAU)|金へ実質的に投資

投資先
経費率(年率) 0.25%
基準価額
※2023年11月27日時点
38.12米ドル
直近分配金
(米ドル)
分配金利回り 0.00%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
11.59%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

iシェアーズ ゴールド トラスト(IAU)は、実質的に金へ投資するのと同じ効果が得られるETFです。

発行した株式と引き換えに実際に金を譲渡してもらい、保有する仕組みのファンドとなっています。

金は「安全資産」の一つとして、世界情勢の悪化時や市況が不安定なときなどに資産価値を守る役割が期待されます。また実物資産のため、インフレに強いことも特徴です。

市場環境の急変やインフレから資産を守りたいと考えている方は、ポートフォリオの一部に金へ投資するETFを入れることも一案です。

なお金は、金利収入が発生しないため、ETFでも分配金がありません。

もちろん配当金利回りも0%です。分配金目当てで米国ETFへの投資を検討している方は注意しましょう。

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iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)|米国の投資適格債券へ分散投資

投資先 米国債券
経費率(年率) 0.03%
基準価額
※2023年11月24日時点
95.14米ドル
直近分配金 0.276585米ドル
(2023年11月1日)
分配金利回り 3.16%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
-13.74%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)は、米国の投資適格債券へ分散投資するファンドです。

「Barclays Capital U.S. Aggregate Bond Index」という米国の投資適格級の国債や社債などが組み入れられた指数への連動を目指して運用されています。

投資適格級とは、主要格付け会社からBBB格以上の格付けを取得していて、信用リスクが低い銘柄を意味しています。

そのため同ファンドは、株式などと比べると市況悪化時などのリスク抑制の効果が期待できます。

なお分配金が毎月出されることも特徴で、現金収入の頻度を増やしたい方にもおすすめです。

バンガード 米国短期債券 ETF(BSV)|米国の短期債へ投資

投資先 米国債
経費率(年率) 0.04%
基準価額
※2023年11月24日時点
75.65米ドル
直近分配金 0.186139米ドル
(2023年11月1日)
分配金利回り 2.31%
3年間リターン
(分配金再投資後の
基準価額ベース)
-3.87%
特記ない場所は2023年11月28日時点
引用:SBI証券

バンガード 米国短期債券 ETF(BSV)は、米国の短期債へ分散投資できるETFです。

「バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(1-5年)インデックス」という償還までの期間が1~5年の国債やBBB格以上の社債が組み入れられた指数に連動することを目指して運用されています。

債券は、一般的に長期ゾーンへ投資するほど金利変動の影響を受けやすくなります。

同ファンドでは、短期債を中心に投資するため、金利変動の影響を相対的に抑えられるのが特徴です。

債券のなかでもリスクを抑えた運用を希望する方に適しているファンドといえます。

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米国ETFの選び方4選

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=aLListar/peopleimages.com/stock.adobe.com)

米国ETFといっても投資先はさまざまなので、次の4点を基準に自分に合った銘柄を選ぶのがおすすめです。

1.自分に合った投資先の銘柄を選ぶ

自分の投資意向に合った銘柄を選ぶのが第一です。たとえば以下のようなポートフォリオの選択肢があります。

自分のポートフォリオを考えるときの参考にしてください。

・ハイリスク・ハイリターンを狙う米国ETFポートフォリオ

ハイリスク・ハイリターンを狙うなら、米国の新興市場NASDAQへ投資できるインベスコQQQトラストシリーズ1ET(QQQ)と、大型のグロース株へ投資するバンガード・グロースETF(VUG)へ投資するのが一案です。

どちらも2023年11月28日時点での過去5年のトータルリターンは100%超えとなっており、追い風の市場環境を捉えられれば高いリターンが期待できる組み合わせです。

QQQとVUGを組み合わせることで、ナスダックとニューヨーク証券取引所に上場する成長大型株の双方に分散投資ができます。

ただしアップル・マイクロソフト・アマゾンなど双方に含まれている株も複数あります。銘柄分散よりもリターン追求を重視した組み合わせです。

・配当重視のETFポートフォリオ

配当重視なら、SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)とバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の組み合わせがおすすめです。

SPYDは、分配金利回り5%台であるのが魅力な半面、指数の組入銘柄が80銘柄に留まるのが分散投資の観点では課題です。

VTの分配金利回りはおよそ2%で、バンガードS&P500ETF(VOO)などと比べると高く、さらに世界中の株式およそ8,000銘柄へ分散するのに近い効果が得られます。

この組み合わせであれば、分配金利回りを追求しながら、世界中の株式への分散投資が可能です。

・長期で安定性重視のポートフォリオ

長期で安定性を重視したポートフォリオを組むなら、次の3つを組み合わせましょう。

  • SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD):米国株へ投資
  • iシェアーズ ゴールド トラスト(IAU):金へ投資
  • iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG):米国債券へ投資

まず株はハイリスクで景気拡大期に強く、債券は低リスクで金利低下局面に強いなど異なる特徴を持っているため、片方の損失を片方が補ってリスク分散の効果が期待できます。

さらに金を組み入れることで、インフレにも耐久力を持つ組み合わせとなります。

今後もし物価上昇が加速した場合でも長期で安心して保有を継続できるでしょう。1銘柄で投資地域を分散させたい場合は、全世界株に投資するETFが適しています。

しかし自分で組み合わせを考える場合は、特定地域の株のETFを複数選択することも一案です。

自分のリスク許容度や投資意向を踏まえて、適した銘柄の組み合わせを考えましょう。

2. 流動性が高い銘柄を選ぶ

売買時に適正価格で取引するためには、流動性が高い銘柄を選ぶことも一つの考え方です。

ETFは、銘柄によって取引量が異なるため、同じ特徴を有するETF同士であれば流動性の高い銘柄を選ぶようにしましょう。

ETFの流動性は、取引時間中であれば出来高で確認できます。出来高が多いということは、取引量が多く流動性が高いことを意味します。

3. 運用コスト「経費率」が低い銘柄を選ぶ

経費率が低い銘柄のほうが、保有期間のコストを抑えて効率良く資産運用ができます。

ETFの経費率は、投資信託の「信託報酬」と似た性質があり、運用されている純資産から日々差し引かれる形で間接的に徴収されています。

つまり経費率が高いほど日々のファンドのパフォーマンスに低下圧力がかかるのです。経費率が低いファンドを選んで、余計なコストを払わないようにしましょう。

4. ベンチマークとの乖離が小さい銘柄を選ぶ

インデックス運用の銘柄については、ETFとベンチマークの乖離率が小さい銘柄を選びましょう。

ETFは、常に完全にベンチマークと同じ銘柄・比率で銘柄を保有できるわけではありません。また経費の影響などもあるため、基本的にベンチマークとはズレが生じます。

このズレを示す乖離率が小さい銘柄のほうが、よりベンチマークと同等のパフォーマンスが期待できます。

乖離率は、SBIグローバルアセットマネジメント株式会社傘下のウェルスアドバイザー社が一部の海外ETFのデータをトラックしていますので、参考にしてください。

米国ETF投資におすすめの証券会社4選

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=oben901/stock.adobe.com)

ここからは、米国ETFへ投資するうえでおすすめの証券会社を紹介します。

SBI証券|国内最大級のネット証券会社

SBI証券
引用:SBI証券
米国ETF銘柄数 396銘柄
買付手数料無料のETF銘柄数 10銘柄
海外ETFの取扱国数 4ヵ国
米国株数 4,899本
外国株の取扱国数 9ヵ国※
※2023年12月5日時点でロシア株は売買停止中
2023年12月4日時点、引用:SBI証券

SBI証券は、海外の株・ETFの取扱銘柄や国数が豊富なのが特徴です。ETFでは、米国のほか中国・韓国・シンガポールの銘柄も取引が可能です。

米国株は、2023年12月4日時点で5,295本(ETF含む)の取り扱いがあり、さらに米国を含む9ヵ国の海外株が取引できます。海外株式・ETFの投資の選択肢が大きいのが特徴です。

米国株式・ETF定期買付サービスを活用すると、米国ETFを決まった日・曜日に定期的に買い付けができます。

投資信託の積立投資の感覚で米国ETFの投資にチャレンジできるサービスです。

SBI証券では、10銘柄の米国ETFの買付手数料が無料なほか、新NISAでの米国ETFを含む海外ETFの売買手数料も無料となります。

SBI証券のメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちら。
【関連記事】「SBI証券で口座開設するメリットを紹介」

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楽天証券|投資初心者に人気!

楽天証券
引用:楽天証券
米国ETF銘柄数 397銘柄
買付手数料無料のETF銘柄数 15銘柄
海外ETFの取扱国数 3ヵ国
米国株数 4,367本
外国株の取扱国数 6ヵ国
2023年12月4日時点、引用:SBI証券

楽天証券は、米国ETFではSBI証券より銘柄数が豊富です。

また米国株を2023年12月4日時点で4,764銘柄取り扱っていて、米国を含む6ヵ国の株に投資ができます。

楽天証券では、15銘柄の米国ETFの買付手数料を無料としていて、さらに新NISAでは米国ETFを含む海外ETFの売買手数料が無料になります。

楽天証券では、米国ETFを売買するときに発生する片道0.25円の為替手数料が無料です。

楽天証券の米国株投資についても知りたい方はこちら。
【関連記事】「楽天証券の米国株手数料は高い?税金の計算やキャンペーンも紹介」

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マネックス証券|米国ETFの取扱銘柄数が豊富

米国ETF銘柄数 401銘柄
買付手数料無料のETF銘柄数 なし
海外ETFの取扱国数 2ヵ国
米国株数 4,489本
外国株の取扱国数 2ヵ国
2023年12月4日時点、引用:SBI証券

マネックス証券は、今回紹介する4社で最も米国ETFの取扱銘柄数が多くなっています。

米国株も取扱銘柄数4,489銘柄と豊富です。一方で、米国以外の海外株は中国のみである点には留意しましょう。

マネックス証券は、現時点では買付手数料が無料になる米国ETFは設定されていません。

しかし新NISAが始まると、米国ETF、中国ETF、米国株、中国株すべての取引手数料が無料化される予定です。

中国株や中国ETFの手数料が無料化されるのは、マネックス証券ならではといえます。

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DMM株|米国ETFの取引手数料が無料

DMM株
引用:DMM株
米国ETF銘柄数 287銘柄
買付手数料無料のETF銘柄数 287銘柄
海外ETFの取扱国数 1ヵ国(米国のみ)
米国株数 2,012本
外国株の取扱国数 1ヵ国(米国のみ)
2023年12月4日時点、引用:SBI証券

DMM株は、米国ETFと米国株の取引手数料が原則としてすべて無料です。

NISAだけでなく課税口座でも同様なので、2024年以降、課税口座での取引が多くなると想定される方は、DMM株で米国ETFを取引するのも一案です。

米国ETF287銘柄のほか、米国株も2,012銘柄の取り扱いがあります。先に紹介した3社には及ばないものの、豊富な銘柄を取り扱っているのが特徴です。

一方で、DMM株が扱っているのは国内株・ETFや米国株・ETFなどで投資信託の取り引きができません。

投資信託での投資も積極的に行う予定である方は、別の証券会社と併用する必要があります。

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米国ETFに関するよくある質問

米国ETFのおすすめ銘柄10選!おすすめ証券会社や銘柄の選び方も紹介
(画像=takasu/stock.adobe.com)

最後に米国ETFによくある質問と回答を紹介します。米国ETFへの投資を検討するうえで、ぜひ参考にしてください。

Q.米国で高配当のETFはどんなものがある?

この記事でも紹介したSPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)は、高配当株へ投資するETFの一つです。

その他では、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスがベンチマークで、米国高配当株に投資するバンガード 米国高配当株式ETF(VYM)、モーニングスター配当フォーカス指数をベンチマークとするiシェアーズ コア米国高配当株 ETF(HDV)などがあります。

いずれもベンチマークは、米国で配当水準の高い銘柄を集めた株式指数です。

Q.米国ETFはいくらから買える?

具体的な金額は、それぞれの米国ETF銘柄によって異なります。

米国ETFは、米国株と同様に1株単位で購入可能なため、なかには数千円程度で売買可能な銘柄もあります。

米国株と同様で比較的少額から売買できるのは、米国ETFの魅力といえるでしょう。

また円ベースでの最低購入金額は、為替相場の影響も受けます。

米ドルベースで株価が同じだった場合は、円安になるほど円で見たときの金額は高くなります。

少々の為替変動が起きても購入できるように資金は余裕を持って用意しておきましょう。

Q.米国ETFはどんな税金がかかる?

米国株と同様の仕組みで円換算後の売買差益に対しては、日本株と同様に20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかり、申告分離課税の対象です。

確定申告により国内株式などほかの金融商品と損益通算できます。

配当に対しては、米国の源泉徴収税率(米国企業の場合10%)を徴収されたあとに日本の配当所得に対する税金20.315%が源泉徴収される仕組みです。

ただし確定申告をすれば一定の条件の下外国税額控除が適用されて、所得税・住民税が差し引かれます。

Q.米国ETFのNISA口座は確定申告が必要?

NISA口座および2024年から始まる新NISA口座では税金がかからないため、確定申告は不要です。

一方、課税口座とNISA口座の双方で米国ETFを保有している場合は、特定口座(源泉徴収なし)・一般口座の方は確定申告が必要になります。

また特定口座(源泉徴収あり)の方も確定申告をしておくと、損益通算や外国税額控除が適用できるため、過大な税金を負担せずに済みます。

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有

新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。 キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。
<保有資格>
資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有
・日本FP協会認定 AFP