三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)は、三菱UFJ証券ホールディングスのグループ会社です。
三菱UFJ eスマート証券は、他の大手ネット証券と比べてIPOを取り扱っていることに気づかない人が多いため、IPO投資家にとっては穴場の一つです。
この記事では、三菱UFJ eスマート証券のIPOについて特徴や買い方を解説します。
- 三菱UFJ eスマート証券は、スマホに最適化された設計と低コストが特長で、初心者や少額投資家に向いている
- IPOの抽選方式には平等抽選もあり、資金量に関係なく当選チャンスがある
- 三菱UFJ銀行やauじぶん銀行との連携により、資金移動や資産管理がスムーズに行える利便性がある
\口座数が少なめで競争率が低い傾向/
auカブコム証券は三菱UFJ eスマート証券へ社名を変更
画像引用:三菱UFJ eスマート証券
auカブコム証券は、2025年2月に「三菱UFJ eスマート証券」へと社名を変更しました。
これは、三菱UFJフィナンシャル・グループとしてのブランドをより明確にし、デジタル時代に対応した新たな投資サービスを提供するための再出発を意味しています。
新社名のもとで展開されるサービスは、スマートフォンを中心としたシンプルかつ使いやすい設計が特徴で、特に投資初心者や少額から資産形成を始めたい人に適しています。
また、グループの強みを活かし、三菱UFJ銀行やauじぶん銀行との連携による利便性や、低コストでの長期運用も魅力です。
新しいブランドとしてのスタートにより、より多くの人が投資を身近に感じられる環境が整いつつあります。
三菱UFJ eスマート証券でIPOを行うメリット
三菱UFJ eスマート証券のIPOには、2つの特徴があります。
1. 当選株数の10%以上は平等抽選
三菱UFJ eスマート証券のIPOは、当選株数の10%以上を平等抽選と定めています。
配分の機会を公平に提供するため、原則として一定割合について抽選による配分を行います。個人投資家には、個人投資家と同等のアマ口座扱いの法人を含みます。当該抽選により配分する数量は、配分予定数量の10%以上といたします。
当選株数が少ない銘柄については、100%平等抽選の場合もあります。
完全平等抽選ではありませんが、資産が少ない人でも当選する可能性はあるでしょう。
2. 他の大手ネット証券と比べて申し込む人が少ない
三菱UFJ eスマート証券のIPOは、他の大手ネット証券と比べて申し込む人が少ないと推測できます。
三菱UFJ eスマート証券は、2024年11月末時点で177万3,064口座ありますが、SBIグループ(1,300万口座以上)や楽天証券(1,100万口座以上)の5分の1未満です。
また、三菱UFJ eスマート証券は、IPOの引受人に記載がない場合でも取り扱っていることがあります。
例えば2024年12月17日に上場した黒田グループは、三菱UFJ eスマート証券のIPO取扱銘柄でしたが、引受人の欄には掲載されていません。
【黒田グループのIPOの概要(抜粋)】
三菱UFJ eスマート証券は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が取り扱うIPOの委託幹事になることがあり、その際は引受人として掲載されなくてもIPOに申し込めます。
IPO投資家の間では「裏幹事」とも呼ばれ、表に出ない分、三菱UFJ eスマート証券で申し込めること自体を知らない人が多いため、申込者数は少ないと推測できます。
口座数や委託幹事の仕組みを考慮すると、SBI証券や楽天証券など他の大手ネット証券と比べて競争率が低く、株数が少なかったとしても当選確率が高い可能性はあるでしょう。
\口座数が少なめで競争率が低い傾向/
三菱UFJ eスマート証券でIPOを始める際の注意点
三菱UFJ eスマート証券でIPOを始める際は、以下の2つの注意点を覚えておきましょう。
1. 抽選前に2回の手続きが必要
三菱UFJ eスマート証券のIPOは、抽選前にブックビルディング(需要申告)と購入申込の2回の手続きが必要です。
購入申込を忘れた場合、抽選対象になりません。
抽選後に購入を申し込む証券会社とは手順が異なるため、各銘柄の購入申込期間をカレンダーやメモ帳などに記録し忘れないようにしましょう。
IPO(新規公開株)に関する自動通知サービスに登録すると、三菱UFJ eスマート証券がブックビルディング(需要申告)や購入申込期間に入った銘柄をメールで知らせてくれます。
メールを少なくとも数日に1回以上チェックできる人は、自動通知サービスを利用してみましょう。
2. 他の大手ネット証券と比べて取扱数が少ない
三菱UFJ eスマート証券のIPOは、他の大手ネット証券と比べて取扱数が少ないです。
ネット証券最大手で取扱数が業界No.1のSBI証券と比べると、3分の1~4分の1程度にとどまります。
【大手ネット証券のIPO取扱数】
2023年度 (2023年4月~2024年3月) |
2022年度 (2022年4月~2023年3月) |
2021年度 (2021年4月~2022年3月) |
|
三菱UFJ eスマート証券 | 26社 | 24社 | 39社 |
SBI証券 | 90社 | 92社 | 117社 |
楽天証券 | 62社 | 64社 | 70社 |
マネックス証券 | 56社 | 54社 | 51社 |
松井証券 | 67社 | 59社 | 50社 |
三菱UFJ eスマート証券は、IPOに申し込める数が少ないため、取扱数の多いSBI証券などほかの会社も利用してみましょう。
複数の証券会社で同一銘柄のIPOに申し込むことも可能です。
SBI証券のIPOについて詳しくはこちら
SBI証券のIPOは取扱数が業界最多!特徴や買い方を紹介
\IPO取扱数が業界No.1/
三菱UFJ eスマート証券のIPOの買い方・流れ
三菱UFJ eスマート証券のIPOは、以下の4ステップで購入できます。
申込時に買付余力が必要になるため、あらかじめ「仮条件(値幅)の上限金額×100以上の金額」を入金したうえで申し込みましょう。
サイトは、PC版のみでスマホでも申し込めますが最適化はされていません。
1. 買いたい銘柄にあるブックビルディング(需要申告)を選択
ログイン後のページから「お取引」「新規公開株(IPO)」「新規公開株銘柄選択」の順にクリックし、ブックビルディングを選択してください。
2. 株数と価格を入力する
説明書(目論見書)を確認すると株数と価格の入力画面に移ります。
株数は100株、価格は成行にしましょう。IPOは、非常に人気があり富裕層を除いて当選しても100株がほとんどです。
株数が多いと拘束金額が増えるデメリットもあるため、100株にして複数の証券会社に応募したほうが当選確率は高いでしょう。
三菱UFJ eスマート証券では、申し込んだ価格がIPOの募集(売出)価格以上または成行の場合のみ購入申込ができます。
成行であればIPOの価格を問わず購入申込に参加できるため、成行がおすすめです。
3. 価格決定後に購入申込を行う
IPOの価格が決定したあとは、購入申込をしましょう。
「お取引」「新規公開株(IPO)」「新規公開株銘柄選択」の順にクリックし、購入申込期間内に「購入申込」を選択してください。
購入申込の時点でIPO購入に必要な資金が拘束されます。
4. 抽選結果を確認し、当選したら自動的に購入となる
抽選日時になったら結果を確認しましょう。
三菱UFJ eスマート証券では、当選後のキャンセルはできません。
当選したあとは自動的に購入となります。落選した場合は、資金の拘束が解除されます。
\スマホでもIPOに申し込める/
■三菱UFJ eスマート証券の利用が向いている人・向いてない人
ここでは、三菱UFJ eスマート証券の利用が向いている人・向いていない人を解説します。
登録する証券会社を決めかねている人は、ぜひ参考にしてださい。
三菱UFJ eスマート証券の利用が向いている人
まずは、三菱UFJ eスマート証券の利用が向いている人を見ていきましょう。
1. スマホで手軽に資産運用を始めたい人
2. 三菱UFJ銀行やauじぶん銀行との連携を活用したい人
3. 投資信託でコツコツ資産形成をしたい人
1. スマホで手軽に資産運用を始めたい人
三菱UFJ eスマート証券は、スマートフォンでの使いやすさを重視した設計が特徴です。
口座開設から取引、資産管理まで、すべての操作がスマホ一つで完結します。
特に、アプリのUIがシンプルで直感的に操作できるため、投資初心者でもストレスなく始められます。
「パソコンをあまり使わない」「外出先でも資産状況をチェックしたい」という方に最適な証券会社です。
>>三菱UFJ eスマート証券 アプリ(iPhone版/Android版)
2. 三菱UFJ銀行やauじぶん銀行との連携を活用したい人
三菱UFJ eスマート証券は、三菱UFJ銀行やauじぶん銀行との連携サービスが充実しています。
>>三菱UFJ eスマート証券 MUFG関連サービス
>>三菱UFJ eスマート証券 auじぶん銀行サービス
グループ内の金融機関との連携により、資金の移動がスムーズに行えるほか、手数料の優遇や連携特典などのメリットもあります。
たとえば、auじぶん銀行との連携では、預金残高に応じてPontaポイントが貯まるなど、日常の銀行利用がお得になる仕組みもあります。
グループ全体で資産管理を効率化したい方におすすめです。
3. 投資信託でコツコツ資産形成をしたい人
三菱UFJ eスマート証券では、長期的な資産形成に適した投資信託が充実しています。
積立設定も簡単に行え、少額からでもスタートできるため、無理なくコツコツと資産を増やしていきたい方に向いています。
特に、信託報酬が低めの商品も多く取り扱っており、長期運用でのコストパフォーマンスにも優れています。
初心者から中長期投資を考える人におすすめです。
三菱UFJ eスマート証券の利用が向いてない人
三菱UFJ eスマート証券の利用が向いてない人は以下の3つになります。
1. 幅広い金融商品を取り扱いたい人
2. サポート体制を重視したい人
1. 幅広い金融商品を購入したい人
三菱UFJ eスマート証券は、シンプルで使いやすい反面、取り扱い商品が限られています。
特に外国株や個別株、デリバティブ取引など、より高度な商品や幅広い投資先を求める方にとっては物足りなさを感じる可能性があります。
多様な商品ラインアップの中から戦略的に運用したいと考える中・上級者には不向きといえるでしょう。
2. サポート体制を重視したい人
三菱UFJ eスマート証券は、低コストで手軽に使える反面、有人サポートや対面相談などのサポート体制は限定的です。
基本的にはオンライン完結型のサービスであり、電話サポートも最小限に抑えられているため、投資について直接相談したい方や、手続きに不安がある方にはやや不向きです。
特に投資初心者で「誰かに相談しながら進めたい」という方は、サポートの充実した証券会社の方が安心でしょう。
\MUFGグループの信頼性と使いやすさが魅力/
三菱UFJ eスマート証券のIPOについてよくある質問
三菱UFJ eスマート証券のIPOについて、よくある質問をまとめました。
IPO投資を始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
Q. 購入しない場合のペナルティはある?
三菱UFJ eスマート証券は、IPO抽選前に購入申込をしているため、「当選後に購入しない」という選択ができません。
そのため購入しない場合のペナルティはありません。
Q. スマホから申し込める?
スマホから申し込めますが、三菱UFJ eスマート証券の場合はPC版のサイトになります。
スマホに最適化されたサイトと比べて文字が小さいため、見づらい人は適宜拡大してIPOに申し込みましょう。
なお、スマホアプリからはIPO申し込みはできません。
Q. 当選確率を上げる方法は?
三菱UFJ eスマート証券に億単位のお金を入れて、会社から富裕層とみなされれば当選確率は上がるかもしれません。
ただし現実的ではないため、一般庶民が当選確率を上げる方法はないです。
当選確率を上げたい場合は、初心者におすすめの証券会社をはじめとした複数の証券会社に口座を開設し、IPOに申し込みましょう。
まとめ
三菱UFJ eスマート証券は、スマホ中心の使いやすい設計と低コストを活かし、初心者や少額投資家に最適な証券会社です。
IPOでは取扱数は少なめですが、競争率が低く「穴場」として注目されます。
また、当選株の一部は平等抽選で資金量にかかわらず当選の可能性がある点も魅力です。
三菱UFJ銀行やauじぶん銀行との連携も強みで、グループ全体での資産管理が効率的に行えます。手軽さと信頼性を重視する人におすすめです。
三菱UFJ銀行やauじぶん銀行に口座を持っている、auのスマホを利用している方などでIPOにチャレンジしてみたい人は、三菱UFJ eスマート証券を利用されてみてはいかがでしょう。
すでに他のネット証券を利用されている方でも、IPOの当選確率を高めるため、2つ目、3つ目の証券会社として利用してみてもいいでしょう。
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