インド株に投資できる方法は3種類!買い方やおすすめ銘柄を紹介

インドは、現地での規制が厳しくインド株を日本の個人投資家が直接買うのは難しい傾向です。しかし間接的に投資することはできます。この記事では、インド株に投資できる3種類の方法や買い方、おすすめ銘柄を紹介します。経済成長が著しいインドへ投資したい人は、ぜひ参考にしてください。

インド株へ投資できる3つの方法

個人投資家がインド株へ投資できる方法は3種類あります。

ブルベア型のETFや投資信託以外は、NISAで投資できます。ブルベア型のETFとは、日経平均株価やTOPIXなどの株価指標の値動きより2倍、3倍など大きく価格が動くよう設計されたETFのことです。

インドADR(米国預託証券)を買う

インドのADR(米国預託証券)を買うと間接的にインド株へ投資できます。ADRとは、American Depositary Receiptの略で米国以外の国で設立された企業の株を裏づけとして米国で発行される有価証券のことです。ADRは、株そのものではありませんが現地企業の株式が裏づけとなっているため、実質的にインドの個別株を買う場合と同様の利益や配当が得られます

インドADRの取扱銘柄数は証券会社によって差があり、例えばSBI証券や楽天証券の場合、下表に記載の7銘柄が取引できます。

【主なインドADR】

ティッカー
(銘柄コード)
銘柄名
HDB HDFCバンク
IBN ICICIバンク
INFY インフォシス・テクノロジーズ
RDY ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ
SIFY サイファイテクノロジーズ
WIT ウィプロ
WNS WNSホールディングズ
参照:SBI証券楽天証券
(2024年9月6日現在)

インド株に投資するETFを買う

インド株に投資するETF(上場投資信託)であれば、1銘柄で複数のインド株に投資できます。ETFとは、証券取引所に上場している投資信託のことで、株式と同様に売買できます。インド株に投資する主なETFは、下表の通りです。

【インド株に投資する主なETF】

国内ETF海外ETF
銘柄
コード
銘柄名ティッカー銘柄名
1678 NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信 EPI ウィズダムツリーインド株収益ファンド
188A グローバルX インド・トップ10+ ETF GLIN ヴァンエック・インドグロースリーダーズETF
201A iシェアーズ Nifty 50 インド株 ETF INDL Direxion デイリー MSCI インド株 ブル2倍 ETF
2046 NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN DGS ウィズダムツリー新興国小型株配当ファンド
2047 NEXT NOTES インドNifty・ベア ETN DGRE ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド
233A iFreeETF インドNifty50 02836 iシェアーズ・コア SENSEX インディア ETF
参照:SBI証券楽天証券
(2024年9月6日現在)

国内ETFは、日本株を扱う証券会社であればどこでも購入可能です。海外ETFは、証券会社によって取り扱いの有無が異なりますが、SBI証券や楽天証券であれば6~7銘柄から選べます。

インド株に投資する投資信託を買う

インド株に投資する投資信託は、ADRやETFと比べて選択肢が豊富です。NISAで買える投資信託だけでも40銘柄前後あります。

インド株に投資する主な投資信託
  • iTrustインド株式
  • iFreeNEXT インド株インデックス
  • HSBC インド・インフラ株式オープン

iTrustインド株式であれば、NISAのつみたて投資枠でも購入できます。NISAの場合、投資により得られた利益が非課税になるので、積極的に活用してみましょう。

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インド株の買い方

インド株の買い方は、日本株や米国株、投資信託の買い方とほぼ同様です。あらかじめインド株に投資できる証券会社に口座を開設し、証券口座に入金しておきましょう。おすすめは大手ネット証券のなかでも取扱銘柄が豊富なSBI証券または楽天証券です。詳細は、証券会社ランキング【2024年7月最新】をご覧ください。

ADRやETFを買う場合

ADRや海外ETFを買う場合は米国株、国内ETFを買う場合は日本株と同じ手順です。海外ETFのなかには、香港など米国以外のETFもありますが、外貨に両替して購入する点は変わりません。両替せずに米国株や米国ETFを購入する方法(円貨決済)もありますが、SBI証券や楽天証券ではあらかじめ米ドルに両替した場合のみ為替手数料を無料にしているため、両替したほうがコストを抑えられます。

・米ドルに両替する(国内ETFの場合は不要)

ADRや米国ETFを買う前に米ドルへ両替しましょう。最低でも1株(口)分の米ドルが必要です。

【主なインドADR・米国ETFの株価(2024年9月6日現在)】

ティッカー
(銘柄コード)
銘柄名株価
HDB HDFCバンク 60.51米ドル
IBN ICICIバンク 28.56米ドル
INFY インフォシス 22.54米ドル
RDY ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ 79.20米ドル
SIFY サイファイテクノロジーズ 0.4489米ドル
WIT ウィプロ 6.25米ドル
WNS WNSホールディングズ 56.89米ドル
EPI ウィズダムツリーインド株収益ファンド 48.64米ドル
GLIN ヴァンエック・インドグロースリーダーズETF 52.63米ドル
INDL Direxion デイリー MSCI インド株 ブル2倍 ETF 70.78米ドル
DGS ウィズダムツリー新興国小型株配当ファンド 51.20米ドル
DGRE ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド 26.71米ドル

SBI証券では取引の欄にある「為替取引」、楽天証券では注文の欄にある「外国為替」から両替できます。国内ETFを買う場合は、両替不要です。

・銘柄を選んで購入する

証券口座への入金、ADRや海外ETFの場合は両替が済んだら、銘柄を選んで購入するだけです。SBI証券は「SBI証券 株アプリ」、楽天証券は「iSPEED」から銘柄名またはティッカー(銘柄コード)を入れて検索し、買い注文を入れてください。SBI証券や楽天証券のNISAであれば手数料無料で取引できます

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投資信託を買う場合

投資信託を買う場合は、銘柄を選んで購入または積立を選択し、決済方法や購入金額(積立金額)などを指定してください。例えばSBI証券の「かんたん積立アプリ」の場合は、右下のメニューにあるファンド検索を選択しましょう。「条件を絞る」の検索ワードに「インド」などと入力すると、インド株に投資する投資信託が閲覧できます。

投資信託を買う
画像引用:SBI証券

楽天証券で買う場合は「iSPEED」のメニューから「投資信託」を選んでください。楽天証券のウェブサイトに自動的に切り替わりますので、「探す・購入」から検索しましょう。

「投資信託」を選択
画像引用:楽天証券

NISAのつみたて投資枠では、iTrustインド株式しか買えません。そのため他の銘柄を買う場合は、成長投資枠を利用しましょう。成長投資枠でも積立投資ができます。

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インド株のおすすめ銘柄7選

インド株のおすすめ銘柄をADR、ETF、投資信託に分けて7銘柄紹介します。

ADRのおすすめ銘柄3選

インドADRのおすすめは、以下の3銘柄です。

・ウィプロ< WIT>

ウィプロ
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)
株価 6.25米ドル
配当利回り 0.2032%
参照:SBI証券
(2024年9月6日現在)

ウィプロ< WIT>は、インドを代表するIT業界の大手企業です。インドだけでなく米国や日本など世界66ヵ国に事業所があり、ITコンサルティングを中心にさまざまな業界で活躍しています。設立は、1945年と古く、インドがIT大国として注目され始めた1980~1990年代からIT事業を伸ばし、現在ではITが中心の会社になっています。

株価が安く少額でも買いやすいため、インドのIT企業に投資したい人は購入を検討してみましょう。

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・ICICIバンク < IBN>

ICICIバンク
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)
株価 28.56米ドル
配当利回り 0.8582%
参照:SBI証券
(2024年9月6日現在)

ICICIバンク< IBN>は、1994年にICICIグループの銀行部門を担う会社として設立されたインドの大手銀行です。ICICIそのものの歴史は古く、1955年にインド政府や世界銀行が主導して設立された開発金融機関(特定産業や特定地域の開発のために融資をする金融機関)が始まりです。

1990年代から銀行への転換が図られ、現在ではグループ全体で銀行のみならず証券や保険などの総合金融サービスを展開しています。経済成長率の高いインドでは、ICICIバンクをはじめとした金融業界の成長も期待されています。インドには、さまざまな課題もありますが、今後もインド経済が成長すると考えているのであればおすすめの銘柄です。

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・インフォシス< INFY>

インフォシス
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)
株価 22.54米ドル
配当利回り 2.0854%
参照:SBI証券
(2024年9月6日現在)

インフォシス< INFY>は、日本でも事業を展開するインドの大手IT企業です。1981年に設立し、現在では世界に30万人以上の従業員を抱えるグローバル企業に成長しています。インドADRのなかでは、配当利回りが高めなので、配当狙いの人におすすめです。

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ETFのおすすめ銘柄2選

インド株に投資するETFのおすすめは、以下の2銘柄です。

・iFreeETF インドNifty50< 233A>

iFreeETF インドNifty50
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)
株価 2,000円
配当利回り
信託報酬(年率) 0.385%
※2024年8月16日設定と運用開始から間もないため配当利回りは不明
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)

iFreeETF インドNifty50< 233A>は、2024年8月16日に設定された国内ETFです。インドの証券取引所に上場している主要50社で構成された株価指数「Nifty50」に連動した運用を目指しています。外貨への両替不要で取引でき、同種の投資信託よりも信託報酬(主な運用コスト)が低いのが特徴です。複数のインド株に低コストで分散投資したい人に向いています。

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・ウィズダムツリー インド株収益ファンド< EPI>

ウィズダムツリー インド株収益ファンド
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)
株価 48.64米ドル
配当利回り 0%
信託報酬(年率) 0.87%
参照:SBI証券
(2024年9月6日現在)

ウィズダムツリー インド株収益ファンド< EPI>は、収益性が高いと思われるインド株に分散投資するETFで、主な投資先はエネルギーや金融です。信託報酬は高めですが、直近5年間では米国の主要企業500社で構成された株価指数「S&P500」より高いリターンを出しています(2024年9月6日現在)。

Nifty50と比べて直近5年のリターンは劣るものの、直近1年間の値動きはNifty50を上回っています。インドの高い経済成長率が続く場合、エネルギー関連株や金融株は上昇する可能性があるため、インド経済が今後も成長すると考えているのであれば購入を検討してみましょう。

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投資信託のおすすめ銘柄2選

インド株に投資する投資信託のおすすめは、以下の2銘柄です。

・iTrustインド株式

iTrustインド株式
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)

【iTrustインド株式の概要】

純資産総額 約539億4,900万円
信託報酬(年率) 0.9828%
リターン
(直近5年・年率)
20.56%
参照:SBI証券
(2024年9月6日現在、リターンは8月末時点)

iTrustインド株式は、NISAつみたて投資枠で購入可能なインド株の投資信託です。つみたて投資枠対象商品のなかには、ほかにもインドへ投資する投資信託がありますが、インド株をメインの投資先とする商品はiTrustインド株式に限られます

信託報酬(保有中に負担する主な運用コスト)は、オルカンなど人気のある投資信託と比べて高いものの、直近5年の年率リターンはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を上回っています。NISAつみたて投資枠でインド株に投資したい場合は、iTrustインド株式を選びましょう。

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・HSBC インド・インフラ株式オープン

HSBC インド・インフラ株式オープン
画像引用:SBI証券
(2024年9月6日現在)

【HSBC インド・インフラ株式オープンの概要】

純資産総額 約3,743億4,700万円
信託報酬(年率) 2.09%
リターン
(直近5年・年率)
31.53%
参照:SBI証券
(2024年9月6日現在、リターンは8月末時点)

HSBC インド・インフラ株式オープンは、インドのインフラ関連株に投資する投資信託です。インドは、電力や道路などのインフラ整備が進んでいない地域が多く、今後も経済発展に伴うインフラ需要が期待できます。信託報酬は高いものの、直近5年のリターンはiTrustインド株式を上回ります。インドのインフラ株に投資したい場合は、HSBC インド・インフラ株式オープンを選びましょう。

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成長著しいインド株に投資してみよう

インドは、米国をはじめとした先進国や中国などの新興国と比較して経済成長率が高く、株価も上昇しています。インフラ整備が不十分で若年失業率が高止まりしているなどの懸念点はありますが、投資先として有望な国の一つです。新興国株に投資したい人は、成長著しいインド株に投資してみましょう。

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