NISAは、株や投資信託などへの投資による収益が非課税となる制度です。つみたて投資枠(120万円)と成長投資枠(240万円)をあわせて年間360万円、投資元本ベースの生涯合計で1,800万円までの投資分が非課税となります。つみたて投資枠では、長期投資に資する投資信託、成長投資枠では投資信託のほか、日本株やETF、海外株などが購入可能です。
新NISAで何を買うべきか悩んでいる方は、まず投資信託への投資から始めるのがおすすめです。慣れてきたら日本株や米国株なども選択肢に加えましょう。また通常の投資信託より柔軟に売買できるETFもおすすめです。投資する国やリスク、投資のコストなどを基準として自分に合った資産や銘柄を選んでください。
今回の記事では、新NISAでの投資におすすめの商品や自分にあった投資先の選び方をまとめました。新NISAの活用方法に悩んでいる方は、この記事を参考に投資にチャレンジしてみてください。
新NISAで何を買うべき?おすすめの投資先
新NISAでは、次のような商品に投資するのがおすすめです。
初心者は、投資信託から始めて慣れてきたら徐々に日本の個別株や米国株、ETFへと投資先を広げていくのが一つの考え方です。
初心者は投資信託がおすすめ
投資初心者の場合、NISAでの投資は投資信託から始めるのがおすすめです。投資信託とは、運用会社が投資家から集めた資金を各ファンドの投資方針やガイドラインに基づいてさまざまな資産へ投資する金融商品のことを指します。1銘柄購入するだけで多数の銘柄へ分散投資されるため、リスク分散効果を期待できることが魅力です。
銘柄によって投資する地域や資産が異なります。株式に投資するファンドのほか、債券やREITなどの資産に投資するもの、複数のカテゴリーの資産に分散投資するものなどさまざまです。また特定の市場指数に連動することを目指すファンドを「インデックスファンド」、市場指数を上回ることを目指すファンドを「アクティブファンド」といいます。
インデックスファンドは、市場指数並みのリターンが期待できて商品性がわかりやすく、さらに運用コストが低い傾向にあるため、初心者に特におすすめです。投資信託は、購入時と比べて売却時の基準価額が上昇していれば売買益を得られたり、銘柄によっては定期的に分配金を受け取ったりすることができます。売買益と分配金収入が投資信託への投資による収益の源泉です。
個別株への投資もできる
NISAの成長投資枠では、日本の個別株への投資も可能です。株とは、企業が返済不要な資金を調達するときに発行するもので保有すると企業への出資権が得られます。基本的に日本の証券取引所で上場している株は、いずれもNISAでの購入が可能です。投資信託へしばらく投資して、慣れてきたら個別株投資へチャレンジすることも考え方の一つといえるでしょう。
個別株の収益性は、銘柄により大きく異なります。例えば大手優良企業の株のなかには、相対的に値動きが少なく安定した配当が支払われる銘柄、逆に新興企業では配当が出ない代わりに高い成長が見込まれる銘柄などさまざまです。保有している間に株価が上昇すれば値上がり益を得ることができ、銘柄によっては定期的に配当金を受け取れます。
さらに企業のなかには、株主優待という特典がもらえる銘柄もあります。優待の内容は、銘柄によって異なり投資先の企業製品や、割引券、金券などがもらえるなどさまざまです。
慣れてきたら米国株にチャレンジしよう
米国の証券取引所に上場している株式が米国株です。日本の証券会社でも、ネット証券を中心に豊富に米国株を取り扱っていて、NISAの成長投資枠であれば投資ができます。米国株は、多くの銘柄において年4回配当を受け取れることが特徴です。また米国株の市場は、長期にわたって順調に成長してきた実績がある点も長期投資を考えるうえでは魅力といえます。
ただし基本的に株主優待の制度はないため、注意しましょう。スターバックス<
SBUX>やアマゾン・ドット・コム< AMZN>、アップル< AAPL>などグローバルで有数の大手企業へ投資ができます。現地では、当然米ドルで取引されていますが、ネット証券の複数社では円貨決済のサービスを提供しているところもあります。円貨決済では、証券会社が株を買い付ける前に為替交換をしてくれるため、投資家は日本円のまま米国株へ投資が可能です。かつては、円から米国株を買う場合、為替手数料がかかるケースが多かったのですが、今ではSBI証券、楽天証券、松井証券など複数の証券会社で為替手数料が無料となっています。そのためこういった証券会社のほうが、投資コストをかけずに米国株へ投資できるでしょう。
ETFもNISAで投資できる
成長投資枠では、国内外のETFへの投資も可能です。ETFは、Exchange Traded Fundの略で和訳すると上場投資信託となります。投資信託なので多数の資産へ分散投資しながら、証券取引所でリアルタイム取引できることが特徴です。一般的な投資信託は、銘柄によって発注から約定まで数日~1週間程度かかるため、ETFのほうが柔軟に売買できます。
一方で株式と比べて分散効果が働くため、リスク分散の効果も期待できるでしょう。ETFは、証券取引所の売買を通じてその日の基準価額が更新されます。また銘柄によっては、ETFを保有していると分配金が支給されることも特徴の一つです。日本では、特定指数に連動するインデックス型のETFが多い傾向ですが、一部指数を上回るパフォーマンスを目指すアクティブ型のETFも一部あります。
NISAでのETFについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
新NISAの成長投資枠でETFを買ってみよう!おすすめ銘柄5選と買い方を解説
新NISAで買うべきおすすめの投資信託8選
新NISAで買うべきおすすめの投資信託は、次の8つです。
投資先に迷ったらまず、これらの投資信託を検討してみてください。それぞれの投資信託の特徴や、向いている人を解説していきます。
投資信託選びについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
投資信託を複数所有するメリット・デメリットとおすすめの組み合わせを解説!
1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
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投資対象 | 米国の株式 |
基準価額 | 3万2,000円 |
純資産総額 | 約5兆2,780億4,000万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
0.09372% |
トータル リターン (3年・年率) |
24.43% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドです。米国の代表的な株価指数「S&P500」に連動することを目指して運用されています。S&P500は、米国の主要な大型企業500社で構成されていて、1銘柄購入するだけで米国の大手企業へ分散投資できるのが特徴です。
また本ファンドは、投資コストが安いことも魅力の一つです。信託報酬は、年率0.09372%(税込)と低水準に設定されています。そのため長期投資するうえでコスト負担を抑えて運用が可能です。米国株式市場が好調だったことも背景に過去3年間のリターンは年率24.43%と堅調なパフォーマンスとなっています。
「成長性が期待できる米国株式市場に投資したい」「細かい投資先の精査が難しいので、まずは知名度の高い市場で分散投資したい」といった方には、本ファンドがおすすめです。
2.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
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投資対象 | 日本を含む世界各国の株式 |
基準価額 | 2万6,778円 |
純資産総額 | 約4兆362億3,700万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
0.05775% |
トータル リターン (3年・年率) |
20.21% |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、三菱UFJアセットマネジメントが提供するインデックスファンドです。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動するよう設計されています。本ファンドは、先進国だけでなく新興国も含めた世界中の株式市場に分散投資を行います。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスには、米国、日本、ユーロ諸国など先進国23ヵ国、中国、インド、ブラジルなど新興国24ヵ国の株式で構成されています(2023年9月末時点)。ただし米国の投資比率が高く、2024年6月時点で63.5%を占めていることは押さえておきましょう。
低コストでの運用も本ファンドの特徴です。信託報酬は、2024年7月12日時点で年率0.05775%(税込)となっています。楽天証券が取り扱うNISA対応の投資信託のなかでは、4番目に信託報酬が低い銘柄です。近年は、グローバルに株式市場が好調だったため、3年間のリターンは年率20.21%と堅調なパフォーマンスです。
「できるだけ幅広い国に分散投資したい」「先進国と新興国の双方に投資したい」という方には、本ファンドが適しています。
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3.楽天・全世界株式インデックス・ファンド
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
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投資対象 | 日本を含む世界各国の株式 |
基準価額 | 2万5,619円 |
純資産総額 | 約5,298億2,100万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
0.192% |
トータル リターン (3年・年率) |
19.18% |
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問株式会社が提供するインデックスファンドです。全世界の株式市場に広く分散投資を行うことが目的でFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE Global All Cap Index)に連動することを目標として運用されています。
同指数は、全世界の株式市場の大型株、中型株および小型株を約1万銘柄(2024年4月末時点)カバーした株式指数です。特に小型株まで投資先を分散できるのがほかの世界株へ投資するファンドと比較したときの本ファンドの大きな特徴といえるでしょう。
管理報酬は、0.192%と投資する銘柄の範囲が地域・企業の規模ともに広いことを踏まえるとリーズナブルな水準といえます。低コストで投資先を広く分散できることが、魅力の一つで3年間のリターンは19.18%です。近年グローバルに株式市場は好調であったため、これを反映したパフォーマンスです。
「世界の小型株も含めて株式のなかで可能な限り投資先を分散させたい」という方には、おすすめのファンドといえます。
4.楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
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投資対象 | 米国株式 |
基準価額 | 3万2,300円 |
純資産総額 | 約1兆6,683億6,400万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
0.162% |
トータル リターン (3年・年率) |
22.32% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は、楽天投信投資顧問株式会社が提供するインデックスファンドです。本ファンドは、バンガード・トータル・ストック・マーケットETFへ資産の大半を投資していてCRSP USトータル・マーケット・インデックスへ連動することを目指しています。
米国株式市場全体に広く分散投資を行っていて大型株、中型株、小型株すべてを含んでいることが特徴です。ファンドの投資銘柄数は、2024年5月末時点で3,705銘柄、テクノロジー(投資比率33.5%)、一般消費財(同13.7%)の投資比率が高くなっています。信託報酬は、0.162%(税込)と低コストで中小型株も含めた分散投資が可能です。
米国株式市場は、過去数年全体的に好調だったこともあり、3年リターンは年率で22.32%と高くなっています。「市場規模の大きい米国株へ投資したい」「大手企業だけでなく中小企業にも投資したい」という方にはおすすめです。
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5.eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
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投資対象 | 先進国の株式 |
基準価額 | 3万2,414円 |
純資産総額 | 約8,141億2,900万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
0.09889% |
トータル リターン (3年・年率) |
22.04% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が提供するインデックスファンドです。MSCIコクサイ・インデックスに連動することを目指して運用されるファンドで、日本を除く先進国市場の株式に分散投資します。ただし2024年6月28日時点では、米国の投資比率が74.9%と多くを占めている点には留意しましょう。
信託報酬は、0.09889%と0.1%を下回る低水準で、投資コストを抑えて運用できるのが特徴です。過去3年のパフォーマンスは22.04%と堅調です。「分散投資したいが、新興国まで広げるのはまだ不安」という方におすすめです。また日本株が含まれていないので、日本の個別株やほかの日本株インデックスファンドと組み合わせて投資することも有効な戦略の一つといえます。
6.ひふみプラス
運用会社 | レオス・キャピタルワークス |
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投資対象 | 国内株式(一部海外) |
基準価額 | 6万3,889円 |
純資産総額 | 約6,065億5,000万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
1.078% |
トータル リターン (3年・年率) |
7.56% |
ひふみプラスは、レオス・キャピタルワークス株式会社が運用するアクティブファンドです。日本国内の株式を中心に投資するものの、市場環境に応じて一部海外株にも投資できるルールとなっています。例えば2024年6月時点では、ファンド資産の7.37%が海外株へ投資されています。
ひふみプラスは、国内外の長期的な経済循環や経済構造の変化などを踏まえて割安かつ長期的な成長が期待できる銘柄に分散投資する戦略です。また、ひふみプラスは市場環境に応じて50%まで現金保有率を高められる設計となっています。
これは、市場環境が悪化するタイミングで株式投資を抑制して損失の抑制効果が期待できる設計です。本ファンドの3年トータルリターンは、7.56%ですが2012年5月以降の設定来パフォーマンスではTOPIXを上回っています。
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7.コモンズ30
運用会社 | コモンズ投信 |
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投資対象 | 国内株式 |
基準価額 | 5万4,463円 |
純資産総額 | 約672億2,600万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
1.078% |
トータル リターン (3年・年率) |
13.32% |
コモンズ30ファンドは、日本国内の株式市場に特化したアクティブファンドです。本ファンドは、30年という長い目線で成長が見込まれる30銘柄へ投資する方針が特徴です。目先の価値だけでなく、将来外部環境が変化するなかで、長期的な発展が期待できる銘柄、グローバルな経済成長の恩恵を受けられる銘柄を厳選して投資しています。
こうした方針により、結果的に海外売上比率の高い銘柄が複数含まれています。例えば東京エレクトロン、コマツ、ホンダ、信越化学工業などは、2024年1月末時点で海外売上比率が80%以上です。またコモンズ投信として投資先企業に積極的な対話を行い、企業の成長・発展に貢献しているのも特徴です。
「数十年単位の長期的な視点で投資していきたい」という方には、適したファンドといえるでしょう。
8.eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
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投資対象 | ・国内株式 ・先進国株式 ・新興国株式 ・国内債券 ・先進国債券 ・新興国債券 ・国内リート ・先進国リート |
基準価額 | 1万7,190円 |
純資産総額 | 約2,980億3,800万円 |
管理費用 (含む信託報酬、年率、税込) |
0.143% |
トータル リターン (3年・年率) |
8.91% |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、次の8つの資産におよそ12.5%ずつ均等に等することを目指す投資信託です。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内リート
- 先進国リート
各資産カテゴリーは、それぞれに特定の市場指数へ連動することを目指して運用されています。そのため信託報酬は、0.143%(税込)とインデックスファンドと遜色ない低水準です。1つの投資信託を購入するだけで、地域・資産カテゴリーの双方において幅広い資産に投資できるのが特徴といえます。
投資比率がおおむね固定されているため、市場環境の変化に応じて各資産の価格が動けば運用会社がリバランスしてくれます。また特定資産の下落をほかの資産が補ってくれるリスク分散の効果により、市場悪化時の損失抑制が期待できるでしょう。
そのため経済環境・市場環境が変わっても投資先が偏らずに長期運用が可能です。「株式以外にも投資していきたい」「できるだけ多くの資産に分散投資したい」という方におすすめです。
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新NISAで何を買うべきか決めるときのポイント
新NISAで買うべき商品を選ぶときの主なポイントは、次の5点です。
それぞれのポイントを理解して、自分にあった投資先を選択していきましょう。
投資する資産で選ぶ
投資する資産で選ぶことが、第一の方法です。新NISAでは、投資信託や株式、ETFなどさまざまな資産に投資できます。投資信託は、株以外に債券やコモディティに投資する商品もあるため、うまく活用すれば実質的に投資できる資産の種類はさらに拡大するでしょう。またREITを活用すれば、間接的に不動産へ投資することも可能です。
2024年7月時点で足もとは株式相場が好調なこともあり、ついつい株式や株式型の投資信託に積極的な投資を行ってしやすいかもしれません。しかしリーマンショック時には、S&P500が50%以上の下落となったように市場悪化局面で株式は大幅に下落します。大きな損失を避けたい安定志向の方は、投資信託やETFを活用して株式以外の投資比率を高めることも一つの方法です。
投資する国や地域で選ぶ
国や地域を基準に投資先を選ぶことも選択肢の一つです。投資信託は、銘柄によって日本や米国、欧州といった先進国、そのほかの新興国へ投資できる商品を豊富に取り扱っています。なかには、1銘柄投資するだけで世界中の資産に投資できる銘柄もあります。また証券会社によっては、米国や一部の新興国の個別株やETFを取り扱っているため、これらへの投資も可能です。
「情報収集がしやすい日本がよい」「世界一の経済規模を持つ米国に投資したい」「成長性に期待して新興国に投資したい」など、自分のスタンスにあった国や地域を選んで投資しましょう。
適切なリスクの投資先を選ぶ
リスクの高さを基準にして投資先を選ぶことも一案です。金融商品は、銘柄や資産カテゴリーによってリスクが異なります。例えば個別株は、比較的リスクが高い傾向にありますし、債券に分散投資する投資信託はリスクが低めなのが特徴です。
投資信託をうまく活用すれば、株や債券、REITなどさまざまな種類の資産に投資ができます。ハイリスクハイリターンを追求する場合は「個別の中小型株」、中程度のリスクであれば「株・債券の双方に投資するバランスファンド」、安定志向であれば「債券へ投資するファンド」といったように自分の投資意向を踏まえて適切な銘柄を選んでください。
投資にかかるコストに注意
投資する際にかかるコストにも留意して投資しましょう。資産の種類や投資する国によって、発生するコストは異なります。例えば投資信託は、保有期間中に信託報酬などの管理費用がかかる点に注意が必要です。証券会社や銘柄によっては、売買時に手数料がかかる場合もあります(売却時の手数料は「信託財産留保額」といいます)。
株も売買時に手数料がかかる証券会社もあるため、留意しましょう。また米国株やETFは、たとえNISAで投資しても配当・分配金に対しては米国で10%の税金が徴収されます。投資のパフォーマンスだけでなく売買や保有期間中のコストも加味して、効率的な運用ができる銘柄に投資しましょう。
複数の資産を持ち合わせてもよい
NISAでの投資は、一つの銘柄に絞る必要はありません。投資信託は、1銘柄購入するだけでも分散効果が期待できますが複数銘柄を組み合わせるとさらに効果が高まり、資産構成の自由度も高まります。例えば世界中の株に投資する投資信託の多くは、時価総額などをもとにした加重平均になっていて、実質的に米国への投資比率が高い銘柄が多い傾向です。
そこで日本株へ投資する投資信託と海外株へ投資する投資信託を保有すれば、お互いの投資比率を柔軟に調節できます。「1銘柄では、自分が理想とする資産構成を形成できない」という方は、複数銘柄の保有も検討してみましょう。
新NISAを賢く活用して効率良く資産運用を進めよう
新NISAは、成長投資枠とつみたて投資枠を活用するとさまざまな資産に投資ができます。そのため、かえってどの資産に投資すべきか悩む方も少なくありません。今回の記事を参考にして、自分にあった投資先を探してみてください。これまで投資経験がない方は、多数の銘柄へ簡単に分散投資できる投資信託から始めるのがおすすめです。
少し投資に慣れてきたら日米の個別株やETFへチャレンジしてみるのも良いでしょう。投資信託を購入する際には、今回紹介した初心者向けの銘柄を参考に投資先を選んでみることも一案です。