投資信託や株、ロボアド、FXやREITなど、30万円から投資できる金融商品やサービスは多数あります。うまく投資を継続すれば、30万円を100万円まで増やすことも可能です。
ただし、短期間で増やそうとすると損失リスクの高い投資方法を選ぶことになりかねません。そのため一気に資産を増やそうとせず、長期でじっくりと取り組むことが大切です。
今回の記事では、30万円から投資を始めて100万円まで増やす方法、増やすまでにかかる期間の目安などをまとめました。30万円程度を元手に投資にチャレンジしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- 投資は資産により最低投資金額が異なり、30万円程度あれば投資可能な資産は多数存在する
- 投資信託や株、ロボアド、FX、REITなら、30万円を100万円へ増やせる可能性がある
- 30万円を100万円にするには目標を明確にしたうえで、長期で取り組むのがポイント
- 投資先を分散して過度なリスクを取らないなどの工夫も重要
- リターンが高ければ、より短期間で30万円を100万円に増やせる
- ネット証券での口座開設方法も合わせて紹介
30万円からでも投資は可能
金融商品やサービスにより最低投資金額は異なりますが、30万円程度あれば実践できる投資方法は多数あります。リターンが見込める投資方法で、長期でじっくりと取り組めば100万円まで増やすことも可能です。
最低投資金額は投資方法による
投資方法によって最低投資金額は大きく異なります。例えば投資信託の場合、ネット証券などを利用すれば100円程度から投資が可能です。ロボアドバイザーなど、1万円~数万円程度から投資ができる方法も多数あります。一方で、現物不動産投資のように数百万円~数千万円といった多額の資金が必要な投資方法もあります。
同じ金融商品でも、証券会社や利用するサービスによって最低投資金額が異なる場合もあるため、注意しましょう。例えば日本株式は、本来基本的な投資単位が100株単位ですが、ネット証券などでしばしば見られる単元未満株の売買サービスを利用すると1株単位で売買が可能です。銘柄によっては、数百円程度から幅広い銘柄へ投資できます。
30万円で投資する方法は複数ある
最低投資金額が数万円以下の資産を選択すれば、30万円の自己資金で投資することは可能です。投資信託や株であれば1銘柄数百円程度から購入できますし、REITやFXやロボアドバイザーなども1万~数万円あれば投資可能です。そのため30万円もあれば、複数銘柄への分散投資も問題なくできるでしょう。
長期にわたって継続的に投資すれば、30万円を100万円になるまで増やすことも期待できます。リスクの高い方法を選べば短期間で一気に資産を増やせる可能性もありますが、その分損失リスクも高くなるため、おすすめできません。
投資先によってリスクやリターンの高さは異なります。一時的に損失が発生しても、100万円に達するまで安心して保有し続けられる金融商品を選んで、長期で投資を行うのがよいでしょう。
30万円から100万円にするうえでおすすめの投資方法5選
30万円から100万円へ増やすのを目指すうえでは、次の投資方法を検討してみましょう。
投資先の特性をつかんで、自分に合った方法で100万円を目指してください。
投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金を各銘柄の投資方針に従ってプロの運用者が多数の資産に分散投資する金融商品です。銘柄によって、投資する国や地域および投資資産が異なります。店頭型の証券会社の場合、多くの銘柄が1万円から投資可能ですが、ネット証券であれば1銘柄100円から投資できるところが多い傾向です。
1銘柄買うだけでも多数の資産に分散投資できますが、30万円もあれば多くの投資信託へ投資ができるでしょう。複数銘柄を持ち合わせれば、さらに幅広い資産への分散が可能です。投資信託を保有していると、銘柄によっては定期的に分配金を受け取れるものもあります。また売却時に購入時より価格(投資信託では基準価額)が上昇していれば、売買差益を得ることも可能です。
投資信託は、債券などに投資する低リスクなものからレバレッジを活用したハイリスクなものまで多数あります。30万円から100万円へ増やすことを目指す場合は、株式へ投資する投資信託など適度なリスクを取った銘柄へ投資するのがよいでしょう。
投資信託の購入を検討している方は、こちらの記事も参考にしてください。
投資信託をやめたほうがいい理由と実際の投資結果から本当はどうなのかを解説
株式投資
株式とは、企業が原則として返済不要な資金を調達するときに発行する証券です。株を保有すると、投資家はその企業に出資していることになります。日本の上場株式は、原則100株単位での売買となるため、投資銘柄の株価によっては多額の資金が必要です。ただし単元未満株の取り扱いしているネット証券であれば、1株単位から株を売買することができます。
1株ごとに買う場合、必要資金はその銘柄の株価と同程度になるため、30万円あれば複数銘柄を購入できるでしょう。株式を保有していると、銘柄によって異なりますが企業が利益還元の一環として支払う配当を定期的に受け取ることも可能です。また購入時より値上がりした状態で売却すれば、売買益も獲得できます。
株式は、景気動向やその企業の成長性などにより株価が日々変動するため、うまく値上がりを捉えられれば30万円を100万円に増やすことも充分に可能です。一方で、価格下落による損失リスクも相対的に大きい資産でもあります。値上がりが期待できる企業を慎重に選んで投資しましょう。
株式投資を考えている方は、下記2つの記事も参考にしてください。
株の長期投資によるメリット・デメリットを解説
ミニ株購入のおすすめ銘柄と証券会社選びのポイントを徹底解説
ロボアド
ロボアドサービスも、1万~10万円程度の少額から投資が可能な投資先です。例えば、ウェルスナビの場合、1万円から投資ができます。ロボアドには、いくつかタイプがありますが、その一つが、AIの知見を活用して多数の資産に分散投資してくれるタイプです。少額から世界中のさまざまな資産に投資できます。
市場環境によっては、長期で運用を継続すれば30万円を100万円に増やす余地もあります。例えばウェルスナビでは、2016年1月19日~2024年3月末間の運用成績が+155.2%(リスク許容度5の場合)でした。1年を365.25日(4年に1度うるう年が来ることを踏まえたもの)と換算して年率化すると+約12.1%となります。
もし同程度のリターンが維持される場合は、11年で100万円に到達します。さらに資産額を増やしたいのであれば、積立投資の形式で毎月の余剰資金を順次投資に回していくことも方法の一つです。
FX
FXとは、外国為替証拠金取引の略で為替差益や金利差に伴う収入を得られる投資方法です。投資家は、証拠金をFX口座に預けることで証拠金より大きな金額での取引ができるようになります。30万円を証拠金として預ければ、レバレッジ効果を活用して数百万円相当の為替ポジションを持つことも可能です。
保有している資金より大きな規模のポジションを持てる仕組みのため、見立てが当たれば短期間で100万円を達成することも不可能ではありません。ただし想定外の方向に相場が動くと大きな損失を出すリスクもあります。株や投資信託など、多くの有価証券の最大損失額は株価や価格がゼロになったときに全損する状態です。
しかしFXは、仕組み上損失額が預けた証拠金額を上回るリスクがあります。取り返しのつかないような大きな損失を避けるためには、証拠金対比で過度に大きなポジションを取らないように注意しましょう。
REIT
REITとは投資家から集めた資金を不動産へ投資する投資信託です。東証に上場しているJ-REITの場合、株やETFのように日中リアルタイムで取引ができます。投資口1口単位で売買ができるため、銘柄によっては30万円でも購入可能です。1つの銘柄において多数の不動産に投資をするため、1銘柄買うだけで不動産における分散投資が期待できます。
またREITは、決算期ごとに獲得した利益の大半を分配金として投資家に還元できるルールとなっています。REITの主な利益の源泉は、不動産投資を通じて毎月発生する賃料収入と売買益です。特に前者は安定して発生するため、潤沢な分配金を安定的に獲得しやすいのが特徴といえます。値上がり益をうまく取れれば、100万円に増やすチャンスも十分にあるでしょう。
30万円を100万円にするのに何年くらいかかる?
目標金額に到達するまでの年数は、年間の平均リターンに依存します。それぞれについては、次のとおりです。
年間リターン10%の場合
年間リターン10%の場合、おおむね13年で30万円が100万円まで増加します。例えば、株式に投資すれば年間リターン10%は追求可能な水準です。例えばiシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンドは、10年間の年率リターンがおよそ16.85%となっています(2024年6月19日時点)。
数ある投資手法のなかで株式は、比較的リスクの高い投資です。例えばリーマン・ショックのタイミングではS&P500が50%以上の下落に見舞われたタイミングもありました。年間リターン10%を追求して株式100%で投資する場合、市場環境によっては大きな損失が発生するリスクがあることを認識しておきましょう。
年間リターン8%の場合
年間リターンを8%とすると、30万円を100万円にするまでおよそ16年かかります。年間リターン8%は、個別株のほか株式へ投資する投資信託などでも達成の余地があります。例えばニッセイ日経225インデックスファンドは、20年間の平均年率リターンが7.7%でした。(2024年6月19日時点)
2024年6月時点では、わずかに8%まで届きませんが、今後の環境次第では年率8%に到達できる可能性もあるでしょう。投資信託の場合、多数の株式に分散投資してくれるため、個別株に投資するよりはリスク分散が期待できるのが特徴です。
ただし深刻な経済危機の局面では、世界中の株が同じようなタイミングで下落する可能性もあります。株式のなかで分散投資していても、大きな損失を受けるリスクがある点には留意しましょう。
年間リターン5%の場合
年間リターンを5%と仮定すると、30万円を100万円にするまでおよそ25年かかります。リターンを抑えると達成に時間はかかりますが、それでも長期で臨めば達成可能です。年間リターン5%は、株式と債券の分散投資でも十分に達成の余地があります。
例えば株式・REIT・債券に分散投資するeMAXIS バランス(8資産均等型)においては、10年間の平均リターンが6.49%です。(2024年6月19日時点)債券は、株式と比べると相対的に低リスク傾向となるため、期待リターンとともに損失リスクも抑えられます。また債券と株式は、異なる値動きをする特徴があるため、リスク分散効果も期待できるでしょう。
30万円からの投資を成功させるポイント
30万円から100万円まで増やすためには、次のようなポイントに留意して投資を進めましょう。
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目標を明確にする
まず目標を明確にしたうえで投資に取り組むことが大切です。自分が資金を必要とするタイミングや金額をもとに、最終的に目指す金額と投資期間を整理しましょう。これらの情報と現在の投資可能金額をもとにすれば、どの程度のリスクを取って投資を行うべきかについて整理しやすくなります。
長期視点を持ってじっくりと投資に取り組めるため、やみくもに売却して損失を被ったり、収益機会を喪失したりするリスクも減らせるでしょう。無理な目標を立ててしまうと、ハイリスクな投資を実行することになり損失の危険性が高まります。30万円を100万円に増やす場合は、年間リターン10%でも10年以上かかることを念頭に無理のない計画を立ててください。
長期投資を行うのがおすすめ
資産運用の成功率を高めるためには、長期視点で投資を行うのがおすすめです。投資は、短期間で行うと一時の市場変動の影響を受けて損益がぶれやすくなります。たまたま投資したタイミングが相場悪化局面ですと、当面は損失が発生するおそれもあるでしょう。安易にあきらめず長期間投資を継続していくと、徐々にリターンが安定して目標に向かって資産額が増えていくと期待できます。
少なくとも10年以上、老後資金を貯めるなら数十年間の計画を立てて、じっくりと投資に取り組んでいくのがよいでしょう。長期目線で投資に取り組むからには、一時の損益の発生に慌てて売買しないことも重要です。
過度なリスクを取らない
損失リスクが不安になるほどの過度なリスクを取らないことも大切です。投資先の資産や方法によって、リスクとリターンの特性は多岐にわたります。今回紹介した投資方法のなかでいえばFXや株はリスクが高めで、ロボアドは比較的安定性の高い運用方法です。投資信託は、投資先の資産によって異なり低リスク銘柄や高リスク銘柄があります。
自分が許容しきれないほどのリスクを取って大きな損失を出してしまうと、不安になって売却し損失を確定させてしまいかねません。FXや成長株などでは、元本が大幅に毀損して投資で取り戻すのが難しくなるおそれもあります。投資する30万円がどのような性質の資金なのかも考えたうえで、自分が許容できるリスクの資産に投資しましょう。
例えば「30万円がなくなっても全く問題ない」という方は、ハイリスクの投資にチャレンジすることも一案です。ただし「極力減らしたくない」という方の場合は、ロボアドやバランス型の投資信託など安定性の高い運用手法を選択してください。
投資先を分散する
投資先を分散して、損失リスクを抑えることが有効な考え方の一つです。30万円もあれば、今回紹介した投資先のなかで工夫をすれば分散投資ができます。投資においては、値動きの特徴が異なる資産同士を組み合わせると損失リスクが抑制されて大きな損失を避けることが期待できます。長期で資産運用を行ううえで、投資期間中の損益変動を抑えて、より安定した資産運用が可能です。
例えば「日本と先進国」「新興国と投資地域」などと分散してみてはいかがでしょうか。また株と債券、REITなどさまざまな資産に投資することも一案です。投資信託やロボアドを活用すれば、少額でも複数の資産に分散投資が可能なので、ぜひ実践してみましょう。
積立投資を行うのも一つの考え方
毎月余裕資金が発生する見通しの方は、積立投資を行うことも一つの方法です。投資額を増やすほど運用資産の結果も大きくなることが期待できます。毎月資金を投資に回していけば、一度の投資額は少額でも長期で継続すれば徐々に資産額が大きくなるでしょう。数十年も続ければ、100万円をはるかに上回る金額を実現できる可能性もあります。
また積立投資を行うと、ドルコスト平均法によりリターンの安定化が期待できます。ドルコスト平均法とは、定額で積立投資を行った場合、高値時に少ない単位、安値時に多い単位で買い付けして平均購入単価が下がりリターンを安定化させられる手法です。積立投資を長期で行えば、より着実に資産規模を増やしていくことが期待できるでしょう。
証券口座の開設プロセス
証券口座の開設プロセスは、おおまかに次のとおりです。
ネット証券であれば、オンラインで口座開設が完了できます。適切な本人確認書類があれば、店舗に足を運んだり郵送したりするなどの対応は不要です。投資信託や株式投資で30万円を100万円に増やそうと考えている方は、次に紹介する口座開設プロセスを参考にして早速証券口座を開設しましょう。
ネット証券ならオンラインで完結できる
ネット証券の多くは、スマートフォンからオンラインで口座開設手続きを完結できます。例えば楽天証券の場合は、運転免許証もしくはマイナンバーカードがあればすべての手続きをオンライン上で進められます。郵送などが発生しない分、手続きにかかる日数も短く済む場合が多い傾向です。スマートフォンでの手続きに抵抗がない方は、ネット証券で口座開設を進めるのがよいでしょう。
口座開設ページにアクセス
ネット証券で口座開設するときは、まず証券会社のWebサイトから口座開設ページに遷移します。楽天証券の場合は、多くのページにおいて右上に「口座開設」のボタンが常に表示されるため、入り口がわかりやすいでしょう。
またNISA口座の開設手続きを一緒に進められる証券会社も多く見られます。投資信託や株への投資を検討している方は、あわせてNISAを開設したほうが効率良く投資を進められるでしょう。
基本情報を入力
本人確認との順序は、証券会社により異なりますが、いずれにしても利用者の基本情報を入力することが必要です。そのため、氏名や生年月日、住所、メールアドレスなどの個人情報を入力しましょう。なかには、投資経験や年収などの情報を求められる証券会社もあります。本人確認書類と入力情報に相違があると口座開設に支障が生じるため、必ず本人確認書類に記載された正しい情報を入力しましょう。
本人確認
スマートフォンで手続きを進める場合、本人確認書類と顔写真を撮影することで、すべての手続きをオンライン上で完結できるネット証券会社が多い傾向です。楽天証券の場合、本人確認書類となるマイナンバーカードもしくは運転免許証を撮影します。そのうえで自身の顔写真を撮影しましょう。双方の画像や入力した基本情報を照合して審査が進められる仕組みです。
口座開設完了
本人確認や基本情報の入力後、審査を経て問題がなければ口座開設が完了します。
楽天証券の場合は、最短翌営業日に審査が完了して、ログインに必要なIDが発行されます。IDは、基本情報に登録したメールアドレスに届くのが一般的です。また最初のログイン後にマイナンバーを登録すると取引ができるようになります。
NISA口座も口座開設とともに仮開設される
ネット証券でNISA口座を同時に開設する場合、証券口座の開設と同時にNISAも仮開設となり、売買ができるようになります。ただし実際には、仮開設後に楽天証券が税務署へ提出した情報をもとに審査が実施され、およそ1~2週間後に正式に開設となる流れです。万が一税務署でのNISAの審査が否決された場合、仮開設の間に購入した有価証券は課税口座に移されるため、注意しましょう。
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長期投資で30万円を100万円に増やそう
30万円の自己資金から投資する方法は、多岐にわたります。今回紹介した手法で長期投資すれば、100万円まで増やすことも不可能ではありません。投資の成功率を高めるためには、短期で大勝ちを狙わずに、長期の計画を立ててじっくりと取り組むことが大切です。定常的に余裕資金が発生する見込みの方は、積立投資を導入すればさらに資産規模を膨らませられるでしょう。
株や投資信託、REITといった有価証券で投資する場合は、証券会社での口座開設が必要です。スマートフォンと運転免許証やマイナンバーカードがあれば、ネット証券なら迅速に口座開設ができます。今回の記事を参考に自分にあった投資手法を実践して、30万円を100万円まで増やしましょう。