間30万円の配当金は1,000万円あれば実現可能!おすすめ銘柄も紹介

年間30万円の配当金は、配当利回り3%以上の銘柄に絞って投資すれば1,000万円以内の資金で実現可能です。NISAで日本株を買う場合は、利益だけでなく配当金も非課税にできるので、税金を考慮する必要はありません。ただし日本株(東証プライム市場)の平均配当利回りは、2024年5月時点で2%程度です。

配当利回りが高い銘柄は、直近の利益を超えた配当を出している銘柄もあるため、銘柄選びに気をつける必要があります。この記事では、年間30万円の配当金を安定的に受け取るコツやおすすめ銘柄を解説します。

  1. 年間30万円の配当金に必要な資金は配当利回りから計算できる
    1. NISAで日本株を買う場合は税金を考慮する必要なし
  2. 必要資金を1,000万円(配当利回り3%)にしている理由
    1. もらえる配当以上に株価が下がったら意味がないから
    2. 配当利回りが高い企業は利益を超えた配当を出している可能性があるから
    3. 配当利回りが高い株ほど株価が下がっている可能性が考えられるから
  3. 年間30万円の配当金をできる限り安定的に受け取るコツ
    1. 利益の50%超を配当に充てている株は避ける
    2. 3~5銘柄に分散して株を買う
  4. 配当金を得るためのおすすめ銘柄
    1. NTT<9432>
    2. 日本エスコン<8892>
    3. シチズン時計<7762>
    4. フルキャストホールディングス<4848>
    5. 石原産業<4028>
  5. 配当金目当てで投資をするなら税金がかからないNISAで始めよう

年間30万円の配当金に必要な資金は配当利回りから計算できる

年間30万円の配当金に必要な資金は、配当利回りから計算できます。配当利回りとは、株価に対する配当金の割合を示す指標のことです。

  • 配当利回り(%)=1株あたりの配当金÷株価×100

例えば1株あたりの配当金が30円で株価が1,000円の場合、配当利回りは3%(30円÷1,000円×100)です。配当利回り3%の株で年間30万円の配当金が欲しい場合の必要金額は1,000万円になります。ただし配当金は、企業が公表する決算が出ないと確定しないため、各企業や証券会社などが予想した今後の配当金に基づく「予想配当利回り」のほうがよく使われる傾向です。

そのため配当金目当てで株を買う人は、「予想配当利回りで今後の配当がどれくらい出そうなのか」についてしっかりとチェックしましょう。

NISAで日本株を買う場合は税金を考慮する必要なし

配当金は、20.315%(復興特別所得税を含む)の税金が発生しますが、NISAで日本株を買う場合は、税金を考慮する必要はありません。NISAとは、投資で得られた利益や配当が非課税になる制度のことです。一部の投資信託の積立投資に特化した「つみたて投資枠」と、株が買える「成長投資枠」の2枠が利用できます。

金融庁
※①整理・監理銘柄
②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外
画像引用:金融庁

日本株は、成長投資枠の対象銘柄になっており、年間240万円まで投資できます。配当金を非課税にしたい場合は、証券口座で配当金を受け取る方式(株式数比例配分方式)でNISAを開設しましょう。口座開設時に選択しなくても株式数比例配分方式に設定される証券会社(楽天証券など)もあります。

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NISAの始め方がわからない人はこちらも合わせて確認してみてください。
NISAの始め方は?金融機関選びや口座開設の手順から解説

なおNISAは、日本国内の税金を非課税にする制度のため、配当金が課税される外国の株を買う場合は非課税になりません。例えばNISAで米国株を買う場合、利益は非課税になりますが配当金は10%課税されます。

必要資金を1,000万円(配当利回り3%)にしている理由

年間30万円の配当金に必要な資金が1,000万円というのは、あくまで配当利回りが3%の株を買う場合です。配当利回り5%の株を買えば必要資金は600万円(30万円÷5%)になります。配当利回りが高い株を買うほうが必要資金は減りますが、それでも配当利回りを3%、必要資金を1,000万円にしているのには、以下のような理由があります。

もらえる配当以上に株価が下がったら意味がないから

配当利回りがどれだけ高い銘柄でも、もらえる配当以上に株価が下がったら意味がありません。例えばLIXIL<5938>の配当利回りは、約5.31%(2024年6月6日終値時点)と高いものの、直近2年間で株価が30%以上下落しているため、2年前に購入した人は配当を考慮しても損をしています。

【LIXIL<5938>の直近2年間の値動き】

SBI証券
画像引用:SBI証券

このように配当金目当ての投資でも「将来の株価がどうなるのか」については、ある程度考えたうえで銘柄を選ぶことが必要です。

配当利回りが高い企業は利益を超えた配当を出している可能性があるから

高配当株のなかには「配当利回りの高さでしか投資家をひきつけられない」という企業もあいます。この場合、利益を超えた配当を出している可能性があるため、注意しましょう。配当は、過去に得られた利益から出せるため、直近決算で赤字だったとしても高配当を維持することは可能です。

例えばLIXIL<5938>の2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月末)決算は赤字ですが、前年と変わらない配当を維持しています。

赤字ではなかったとしても、利益以上に配当を出している企業は、家計に例えれば貯金を取り崩して毎年の赤字を補てんしている状態と大差ありません。過去に得られた利益も有限のため、業績が回復しない限り、いずれは減配する(配当を減らす)しかなくなります。

配当利回りが高い株ほど株価が下がっている可能性が考えられるから

配当が増えない場合でも株価が下がれば配当利回りは上がるため、配当利回りが高い株ほど株価が下がっている可能性が考えられます。実際にLIXIL<5938>の過去データを見ると、配当が増えていないのに株価下落によって配当利回りが上がっていることがわかります。

【LIXILの過去データ】

株価
(終値)
年間
配当金
配当
利回り
2023年
3月31日
2,177円90円約4.13%
2024年
3月29日
1,877円90円約4.79%
(CRAZY MONEY Plus 編集部)

直近の日経平均株価は上昇傾向にあるため、配当金が変わらないのであれば株価上昇により配当利回りは下がるはずです。これだけ株高といわれているのに配当利回りが高い銘柄は、配当が増えているのではなく株価が下がっている可能性があります。株価が下がっていても将来上がる見込みがあるなら話は別ですが、上がる見込みがないのに配当利回りだけを見て買うのは得策とはいえないでしょう。

年間30万円の配当金をできる限り安定的に受け取るコツ

年間30万円の配当金をできる限り安定して受け取るためのコツが2つあります。

投資に絶対はありませんが、配当利回りの高さに飛びつくよりは安定的に配当を受け取れることが期待できるでしょう。

利益の50%超を配当に充てている株は避ける

利益の50%超を配当に充てている株は、銘柄選びに自信がある場合を除いて避けましょう。利益のどれくらいを配当に割り当てているかは、配当性向という指標があります。

  • 配当性向(%)=1株あたりの配当金÷1株あたりの利益×100

1株あたりの利益と配当は、どの証券会社でも銘柄情報で載せているので簡単に計算できます。利益の50%超を配当に出している企業は、極端な言い方をすれば「投資をするよりも配当を出すほうが株主にメリットがある」と公言しているようなものです。

将来のための投資を優先していく企業のほうが成長および配当が増える可能性もあると考えれば、利益の50%超を配当に充てている銘柄は避けたほうが無難でしょう。

3~5銘柄に分散して株を買う

どの企業でも配当を減らす可能性があるため、1銘柄に集中投資せずに3~5銘柄に分散して株を買いましょう。業種も被らないようにしたほうが賢明です。同じ業種の場合、似たような値動きをする傾向があり、株価上昇時はよいですが下落時は一気に評価額が減ります。また株価が下がっている原因が業績悪化の場合は、配当も減る可能性があります。

これまで株価上昇や増配(配当を増やすこと)の傾向が続いていた商社などの特定業種に集中させることは、株価下落時のリスクが高いため控えましょう

配当金を得るためのおすすめ銘柄

配当金を得るためのおすすめ銘柄を5つ紹介します。予想配当利回りが3%以上、予想配当性向(利益のうちどれくらいを配当に充てているか)が50%以下のものを選んでいます。

NTT<9432>

SBI証券
画像引用:SBI証券

【NTT<9432>の概要】

株価 151.3円
年間配当金(予想) 5.2円
予想配当利回り 約3.44%
予想配当性向 40%
(2024年6月6日終値時点、CRAZY MONEY Plus 編集部)

NTT(日本電信電話)は、国内最大の通信インフラ企業です。高速かつ低消費電力の次世代通信インフラ「IOWN(アイオン)構想」など、新しい通信インフラの構築にも積極的な姿勢が見られます。またNTTドコモによるマネックス証券の子会社化など他業種との連携も強化も魅力的です。

個人向けの通信事業は人口減少により、これ以上の成長が難しいものの景気に左右されにくい銘柄として選択肢の一つになるでしょう。

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日本エスコン<8892>

SBI証券
画像引用:SBI証券

【日本エスコン<8892>の概要】

株価 1,040円
年間配当金(予想) 48円
予想配当利回り 約4.62%
予想配当性向 45.8%
(2024年6月6日終値時点、CRAZY MONEY Plus 編集部)

日本エスコンは、北海道日本ハムファイターズの新球場(旧エスコンフィールドHOKKAIDO)の命名権を取得したことで知られる不動産開発企業です。マンションや住宅などの個人向け不動産だけでなく、まちづくりや土地区画整理事業でも複数の実績があります。

北海道ボールパークFビレッジは、開業1年目で来場者300万人を突破し、2024年6月8日時点の北海道日本ハムファイターズはパ・リーグ2位で日本一も狙える位置につけています。

日本ハムの成績次第では、秋ごろにさらなる株価の上昇も考えられるので、配当だけでなく値上がり益も期待できる銘柄です。ただし不動産関連で有利子負債が多いため、今後の金利引き上げ傾向なことはマイナス材料です。

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シチズン時計<7762>

SBI証券
画像引用:SBI証券

【シチズン時計<7762>の概要】

株価 1,052円
年間配当金(予想) 45円
予想配当利回り 約4.28%
予想配当性向 49.9%
(2024年6月6日終値時点、CRAZY MONEY Plus 編集部)

シチズン時計は、腕時計ブランド「CITIZEN」で知られる精密機器メーカーです。欧州や国内を中心に腕時計の売上が伸びており、緩やかではあるものの利益が伸びています。工作機械事業の業績が落ち込んでいる点は気になりますが、2024年5月13日の決算で売上や利益の減少を見込んでいるため、株価にはある程度反映されているでしょう。

円安が続く限り海外での腕時計の売上も伸びやすい傾向が続くため、為替が急激に円高になるまでは配当株として保有できる銘柄です。

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フルキャストホールディングス<4848>

SBI証券
画像引用:SBI証券

【フルキャストホールディングス<4848>の概要】

株価 1,453円
年間配当金(予想) 62円
予想配当利回り 約4.27%
予想配当性向 43.3%
(2024年6月6日終値時点、CRAZY MONEY Plus 編集部)

フルキャストホールディングスは、800万人以上(2024年6月8日時点)が登録する人材サービス企業です。1日単位の短期から長期まで幅広い人材ニーズに対応しています。日本では、今後も人手不足が続く見込みのため、人材紹介・人材派遣の双方に対応するフルキャストホールディングスは企業のニーズにもマッチしています。

株価は下落傾向にあるものの、直近の業績は安定しているため配当狙いで買ってもいいタイミングといえるでしょう。

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石原産業<4028>

SBI証券
画像引用:SBI証券

【石原産業<4028>の概要】

株価 1,601円
配当金(予想) 70円
予想配当利回り 約4.37%
予想配当性向 44.6%
(2024年6月6日終値時点、CRAZY MONEY Plus 編集部)

石原産業は、農薬などの有機化学、酸化チタンなどの無機化学の2事業を柱とする化学メーカーです。原材料費の高騰や価格競争による業績の悪化リスクはあるものの、価格の改定や円安効果で安定した売上や利益を確保しています。

2024年度の業績は、2023年度と比べて24%程度利益が悪化する見込みを発表していますが、株価下落によりある程度織り込み済みです。配当狙いであれば候補に挙げられる銘柄の一つでしょう。

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配当金目当てで投資をするなら税金がかからないNISAで始めよう

配当金目当てで投資をする場合は、20.315%の税金が発生しないNISAで始めましょう。配当金を証券口座で受け取る方式(株式数比例配分方式)にすれば、日本株の配当金は課税されません。大手ネット証券のなかでも規模の大きいSBI証券や楽天証券であれば日本株の売買手数料も無料です。

配当狙いの場合、売買頻度はそこまで高いわけではありません。しかしコストのかからない証券会社を選んだほうがお得です。ネット証券であればスマホから簡単に口座開設できるので、これから投資を始める人はSBI証券や楽天証券をはじめとしたネット証券のNISAで日本株を購入してみましょう。

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