NISAのつみたて投資枠で買える銘柄はいくつある?複数買う場合の組み合わせも紹介

NISAのつみたて投資枠で買える銘柄は、2024年2月29日時点で282銘柄あります。ただし金融機関によって扱っていない銘柄が必ずあるため、全銘柄を買えるわけではありません。SBI証券や楽天証券をはじめとした大手ネット証券であれば200銘柄以上を扱っているため、十分な選択肢があるといえるでしょう。

この記事では、NISAのつみたて投資枠で買える銘柄の内訳や人気銘柄、複数買う場合の組み合わせを紹介します。

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  1. NISAのつみたて投資枠で買える銘柄の内訳
    1. インデックス投資信託
    2. アクティブ運用投資信託
    3. ETF(上場投資信託)
  2. つみたて投資枠の人気銘柄を5つ紹介
    1. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    2. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    3. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
    4. 楽天・全米株式インデックス・ファンド
    5. eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  3. 銘柄を複数買う場合の組み合わせの例
    1. 例①リスクとリターンのバランスを取りたい人向け
    2. 例②ハイリスク・ハイリターンを狙う人向け
    3. 例③できる限りリスクを抑えたい人向け
  4. つみたて投資枠で銘柄を買う場合の注意点
    1. 買える銘柄が限られる
    2. つみたてNISAで買った銘柄とは別で管理しなければいけない
    3. 投資枠に限りがある
  5. NISAのつみたて投資枠でも200銘柄以上から選べる

NISAのつみたて投資枠で買える銘柄の内訳

NISAのつみたて投資枠で買える銘柄は、以下の3種類に分類されます。対象銘柄に選定される条件は、2023年までのつみたてNISAと同様です。

なおNISAの対象銘柄は「運用期間が無期限または20年以上」「毎月分配金を出さない」「レバレッジなどリスクの高い運用をしていない」の3つを満たしています。

インデックス投資信託

つみたて投資枠で買えるインデックス投資信託は227銘柄あります(2024年2月29日時点)。以下の条件を満たした銘柄が選ばれています。

インデックス投資信託の条件
  • 日経平均株価などマーケット全体の動きに連動した運用を目指す
  • 投資の対象資産に株式を含む
  • 購入手数料が無料
  • 信託報酬(主な保有コスト)の概算値が通知される
  • 一定以下の信託報酬である
参照:金融庁

一定以下の信託報酬とは、国内の株式や債券などを投資対象にする投資信託は年率0.55%(税込み)以下、海外の株式や債券などを投資対象にする投資信託は年率0.825%(税込み)以下です。インデックス投資信託の信託報酬は、引き下げ競争が激化しており、2024年4月時点では年率0.2%(税込み)を下回る銘柄が増えています。

例えば個人投資家から「オルカン」と呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は、年率0.05775%(税込み)です。

アクティブ運用投資信託

つみたて投資枠で買えるアクティブ運用投資信託は47銘柄あります(2024年2月29日時点)。インデックス投資信託以外から、以下の条件を満たした銘柄が選ばれています。

アクティブ運用投資信託の条件
  • 純資産総額(投資信託の資産のうち運用費などを除いた額)が50億円以上
  • 運用開始から5年以上経過
  • 資金流出より流入のほうが多い回数が全体の3分の2以上
  • 投資の対象資産に株式を含む
  • 購入手数料が無料
  • 信託報酬(主な保有コスト)の概算値が通知される
  • 一定以下の信託報酬である
参照:金融庁

一定以下の信託報酬とは、国内の株式や債券などを投資対象にする投資信託は年率1.1%(税込み)以下、海外の株式や債券などを投資対象にする投資信託は年率1.65%(税込み)以下です。インデックス投資信託よりも運用成績がいいアクティブ運用投資信託はありますが、47銘柄のうち3~5銘柄程度しかありません。将来の値動きは誰にもわからないので、よほど銘柄選びに自信のある人を除いてインデックス投資信託を選んだほうがいいでしょう。

ETF(上場投資信託)

つみたて投資枠で買えるETF(上場投資信託)は、8銘柄しかありません(2024年2月29日時点)。以下の条件を満たした銘柄が選ばれています。

ETFの条件
  • 日経平均株価などマーケット全体の動きに連動した運用を目指す
  • 投資の対象資産が株式
  • 最低取引単位が1,000円以下
  • 購入手数料が1.25%(税込み)以下
  • 信託報酬(主な保有コスト)の概算値が通知される
  • 信託報酬が年率0.275%(税込み)以下
参照:金融庁

つみたて投資枠では、ETFの選択肢が極めて少なく、取り扱っていない金融機関が多い傾向です。ETFに投資を検討している場合は、成長投資枠を使ってみましょう

新NISAの成長投資枠でETFを買ってみよう!おすすめ銘柄5選と買い方を解説

つみたて投資枠の人気銘柄を5つ紹介

ここでは、つみたて投資枠の人気銘柄を純資産総額が多いものから5つ紹介します。投資家が投資信託を購入すると純資産総額が増えるため、純資産総額が多い銘柄は人気があるといえます

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

SBI証券
画像引用:SBI証券

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、日本の投資信託で唯一純資産が4兆円(2024年4月12日時点)を超えている人気銘柄です。米国の主要企業およそ500社で構成された「S&P500」という株価指数に連動した運用を目指しています。業界最低水準の運用コストを目指し続ける「eMAXIS Slimシリーズ」の一つで、これまで米国株の値動きが好調だったこともあり純資産総額が増え続けています。

主な投資先にはMicrosoft、Apple、Amazonなど日本でも有名な企業が含まれており、主要な米国株に分散投資したい人におすすめの銘柄です。

【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の概要】

基準価額 2万8,582円
最低投資金額 100円
純資産総額 約4兆2,310億900万円
信託報酬
(年率・税込み)
0.09372%以内
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

SBI証券
画像引用:SBI証券

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に次いで純資産総額の多い銘柄です。日本を含む47の国や地域の株式2,700銘柄以上に分散投資しています。似たような名前の銘柄は複数ありますが、個人投資家が「オルカン」の愛称で勧めているのはこの銘柄です。信託報酬が年率0.05775%と業界最低水準になっており、低コストで投資できます。

コスト重視で世界の株式に分散投資をしたいと考える人におすすめの銘柄です。

【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の概要】

基準価額 2万4,134円
最低投資金額 100円
純資産総額 約3兆607億7,500万円
信託報酬
(年率・税込)
0.05775%以内
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

SBI証券
画像引用:SBI証券

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、SBIグループの運用会社であるSBIアセットマネジメントが運用している投資信託です。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と似ていますが、VOO(バンガード・S&P500 ETF)という米国ETFに投資しているため、投資信託のコストとは別にETFのコストも発生します。

人気銘柄の一つですが、運用成績はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を下回っています。そのため投資をするのであればeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を選んだほうがいいでしょう。

【SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの概要】

基準価額 2万6,136円
最低投資金額 100円
純資産総額 約1兆5,453億1,600万円
信託報酬
(年率・税込)
0.0938%程度
主な販売会社 SBI証券
マネックス証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

楽天・全米株式インデックス・ファンド

SBI証券
画像引用:SBI証券

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、楽天VTIの愛称で投資家から人気のある銘柄です。米国の主要企業だけでなく中小、ベンチャー企業を含むおよそ3,700銘柄の米国株に分散投資しています。投資先は、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)という米国ETFになっており、投資信託のコストとは別にETFのコストも発生します。

NISAの成長投資枠で買えるVTIであれば運用コストが年率0.03%しかかからず、SBI証券や楽天証券のNISAなら取引手数料や為替手数料は無料または実質無料です。クレカ積立(クレジットカード決済でできる投信積立)でポイントを貯めながら米国株に分散投資をしたい場合は、選択肢の一つになるでしょう。

クレカ積立について詳しくはこちら
SBI証券のクレカ積立におすすめのクレジットカードはどれ?対応カードを一挙紹介

【楽天・全米株式インデックス・ファンドの概要】

基準価額 2万9,051円
最低投資金額 100円
純資産総額 約1兆4,545億9,700万円
信託報酬
(年率・税込)
0.162%程度
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

SBI証券
画像引用:SBI証券

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、アメリカやイギリスなど日本以外の先進国の株式に投資する投資信託です。1,200銘柄以上の株式に分散投資しています。日本や中国、インドなどに投資しない点でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と異なります。米国以外の国に分散投資をしたい人で、新興国や日本を投資先に含めたくない場合におすすめの銘柄です。

【eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの概要】

基準価額 2万9,163円
最低投資金額 100円
純資産総額 約7,035億1,500万円
信託報酬
(年率・税込)
0.09889%以内
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

銘柄を複数買う場合の組み合わせの例

つみたて投資枠で銘柄を複数買う場合の組み合わせを3つ紹介します。なお投資信託は、1本買うだけで多くの銘柄へ分散投資しているため、無理に複数買う必要はないでしょう。

例①リスクとリターンのバランスを取りたい人向け

リスクとリターンのバランスを取りたい人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)を組み合わせてみましょう。ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、株式よりリスクが低い傾向がある債券に全体の50%を投資する方針の銘柄です。

「株価暴落を考えると投資先が株式だけでは不安」という人は、ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)をポートフォリオに加えましょう。株価上昇時の利益は減りますが、暴落時の損失を抑えられます。

【2銘柄の概要】

  eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
基準価額 2万4,134円 1万7,812円
最低
投資金額
100円 100円
純資産
総額
約3兆607億7,500万円 約519億9,000万円
信託報酬
(年率・税込)
0.05775%以内 0.154%以内
リターン
(直近3年
・年率)
18.87% 9.70%
主な
販売会社
SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
※リターンは2024年3月31日時点

例②ハイリスク・ハイリターンを狙う人向け

ハイリスク・ハイリターンを狙う人は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とiFreeNEXT FANG+インデックスを組み合わせてみましょう。iFreeNEXT FANG+インデックスは、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)やApple、Microsoftなど米国の主要なIT企業に投資しています。組入上位10銘柄で全体の90%以上を占めています。

今後も米国のIT企業が伸びていくと考えるなら、iFreeNEXT FANG+インデックスを加えることでより大きなリターンを狙えるでしょう。

【2銘柄の概要】

  eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) iFreeNEXT FANG+インデックス
基準価額 2万8,582円 5万3,428円
最低
投資金額
100円 100円
純資産
総額
約4兆2,310億900万円 約1,629億4,400万円
信託報酬
(年率・税込)
0.09372%以内 0.7755%
リターン
(直近3年
・年率)
23.55% 28.14%
主な
販売会社
SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
※リターンは2024年3月31日時点

例③できる限りリスクを抑えたい人向け

できる限りリスクを抑えたい人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とDCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)を組み合わせてみましょう。DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は、リスクの低い国内債券に45%投資する方針の銘柄です。国内債券の投資先の大半は日本の国債になっており、よりリスクを抑えた運用ができます。

リスクを抑える分利益も少なくなりますが、株価暴落時のマイナスをできる限り抑えたいならDCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)をポートフォリオに加えましょう

【2銘柄の概要】

  eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
基準価額 2万4,134円 2万2,747円
最低
投資金額
100円 100円
純資産
総額
約3兆607億7,500万円 約310億8,600万円
信託報酬
(年率・税込)
0.05775%以内 0.154%
リターン
(直近3年
・年率)
18.87% 5.14%
主な
販売会社
SBI証券
楽天証券
(2024年4月12日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)
※リターンは2024年3月31日時点

つみたて投資枠で銘柄を買う場合の注意点

つみたて投資枠で銘柄を買う場合の主な注意点は、以下の3つです。

買える銘柄が限られる

つみたて投資枠は、買える銘柄が限られます。日本株や米国株が買えず、投資信託の対象銘柄も282銘柄しかありません(2024年2月29日時点)。NISAには、つみたて投資枠だけでなく成長投資枠もあるため、つみたて投資枠で買えない銘柄に投資したい場合は成長投資枠を利用しましょう。大手ネット証券のNISAの場合、日本株や米国株を含めれば7,000以上の銘柄に投資できます。

【大手ネット証券のNISAの取扱商品】

※単元未満株=1~99株の日本株
(2024年4月22日現在、CRAZY MONEY Plus編集部調べ)

つみたてNISAで買った銘柄とは別で管理しなければいけない

つみたて投資枠は、つみたてNISAで買った銘柄とは別で管理しなければいけません。たとえ同じ銘柄を買った場合でも、保有資産の状況を見ると別で計算されることがわかります。

SBI証券
画像引用:SBI証券

NISAのつみたて投資枠とつみたてNISAはよく似ていますが、あくまで別の制度です。

投資枠に限りがある

NISAは、投資枠に限りがあります。つみたて投資枠は、月10万円(年間120万円)までです。成長投資枠の月20万円(年間240万円)を含めても月30万円(年間360万円)までしか投資できません。

【NISAの概要】

金融庁
画像引用:金融庁

ただし楽天証券の調査結果によると、2024年1月末時点の平均積立金額は月5万757円にとどまります。つみたて投資枠の月10万円を超えて積み立てている人は全体の6%しかいないため、投資枠が少ないと感じる人はごく一部でしょう。

NISAのつみたて投資枠でも200銘柄以上から選べる

つみたて投資枠は「対象商品が限られる」といわれますが、大手ネット証券であれば200銘柄以上から選べます。100銘柄でもすべて確認する人はほとんどいないので、選択肢は十分確保されています。つみたて投資枠で投資できない銘柄を買いたい人は、成長投資枠を利用しましょう。2024年に始まった新しいNISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠が併用できます。

NISAは、すべての金融機関のなかで一人1口座しか持てないため、取扱商品やサービスが充実しているSBI証券や楽天証券などの大手ネット証券を選びましょう

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