SBI証券は、業界最多のIPOの取扱数を誇ります。
この記事では、SBI証券でIPOを始めるメリットや注意点、そしてSBI証券でのIPOの買い方を説明しています。
また、SBI証券でIPOを始めるのに向いているタイプについても解説しています。
SBI証券をすでにご利用中の人や、IPOに興味がある人はぜひご覧ください。
- SBI証券はIPOの取扱数がネット証券で最も多い
- SBI証券はIPOの主幹事を務める実績も多く、他のネット証券と比較して当選株数が多い
- SBI証券でIPOに参加する際には、抽選前に証券口座に購入資金を入金しておく必要がある
\IPOの取扱数が業界最多/
IPO(新規株式公開株)とは
IPO(新規株式公開株)とは、未公開企業が初めて株式を証券取引所に上場し、一般投資家に株式を売り出すことを指します。
企業にとっては大規模な資金調達の手段となり、成長戦略の実行や既存株主への還元が可能になります。
上場によって企業の知名度や信頼性が向上し、優秀な人材確保にも有利になるメリットがあります。
一方で、情報開示義務の増加やコンプライアンス対応のコスト増大、四半期ごとの業績評価によるプレッシャーなどのデメリットも伴います。
IPOには通常、証券会社などの引受証券会社が関わり、株価の決定や販売を支援します。
多くの国では厳格な審査基準があり、企業は財務状況や事業計画、コーポレートガバナンスなどの面で一定の条件を満たす必要があります。
SBI証券でIPOを始めるメリット
SBI証券のIPOの主な特徴は、以下の3つです。
1. 取扱数が業界最多
SBI証券のIPOは、業界最多の取扱数を誇ります。
【IPO取扱数上位5社】
2023年度 (2023年4月~2024年3月) |
2022年度 (2022年4月~2023年3月) |
2021年度 (2021年4月~2022年3月) |
---|---|---|
SBI証券:90社 | SBI証券:92社 | SBI証券:117社 |
松井証券:67社 | 楽天証券:64社 | SMBC日興証券:76社 |
楽天証券:62社 | 松井証券:59社 | みずほ証券:75社 |
SMBC日興証券:62社 | マネックス証券:54社 | 楽天証券:70社 |
マネックス証券:56社 | みずほ証券:51社 | 野村證券:62社 |
2012年度からIPO取扱数トップの座を守っており、今後も維持できる可能性が高いです。
取扱数が豊富なSBI証券であれば買いたいIPOを逃すことなく申し込めるでしょう。
\IPOの取扱数が業界最多/
2. IPOチャレンジポイントを利用すると当選確率が上がる
SBI証券には、“IPOチャレンジポイント”という独自のポイント制度があります。
IPOチャレンジポイントを利用して申し込むことで、IPOの当選確率を上げることが可能です。
ポイントを使って落選しても返還されるため、気軽に利用できます。
SBI証券の場合、当選株数の30%は申込ポイント数の多い人から当選する仕組みになっており、IPOの落選回数が多い人ほどチャレンジポイントが貯まって当たりやすくなります。
落選しても根気強くIPOに申し込める人であれば、SBI証券でIPOチャレンジポイントを貯めるメリットは大きいでしょう。
3. 主幹事の実績があり他のネット証券と比べて当選株数が多い
SBI証券は、IPOの主幹事の実績が豊富にあります。
主幹事(証券会社)とは、IPOを支援する幹事証券会社のなかでも中心的な役割を果たす証券会社のことです。
IPOは、主幹事が株数の大半を引き受けることが多いため、主幹事の実績があるSBI証券は他のネット証券と比べて当選株数が多い傾向があります。
【IPOの主幹事実績数上位5社】
2023年度 (2023年4月~2024年3月) |
2022年度 (2022年4月~2023年3月) |
2021年度 (2021年4月~2022年3月) |
---|---|---|
SMBC日興証券:23社 | SMBC日興証券:22社 | みずほ証券:31社 |
大和証券:22社 | みずほ証券:21社 | SMBC日興証券:25社 |
みずほ証券:21社 | 大和証券:20社 | 野村證券:24社 |
SBI証券:21社 | SBI証券:15社 | SBI証券:20社 |
野村證券:20社 | 野村證券:12社 | 大和証券:14社 |
IPOの主幹事数を見ると上位5社にランクインしているネット証券は、SBI証券だけです。
ネット証券でIPOに申し込みたい場合は、主幹事実績の豊富なSBI証券を選びましょう。
\IPOの主幹事実績数が豊富/
SBI証券でIPOを始める際の注意点
SBI証券でIPOを始める際は、3つの注意点があります。
他社のIPOと手続きが異なる点があるため、事前に確認のうえで申し込みましょう。
1. 証券口座に預り金がないと抽選対象外
SBI証券のIPOは、ブックビルディング申込時にお金は必要ありませんが、証券口座に預り金(買付余力)がないと抽選対象外になってしまいます。
IPO投資家のなかにも、うっかり忘れてしまう人が一定数いるため、抽選日時をカレンダーなどにメモをして抽選前に口座に入金しましょう。
預り金なしでIPOに申し込みたい場合は、岡三オンラインや松井証券がおすすめです。
\事前入金不要/ |
\事前入金不要/ |
2. IPOチャレンジポイントを使っても当たらないことが多い
SBI証券のIPOチャレンジポイントは、使ったとしても当たらないことが多いです。
すでに700ポイント近く貯めている投資家もおり、使用したチャレンジポイントが多い人から順に当選する方式を採用しているため、10~30ポイント程度で当選する可能性は極めて低いでしょう。
実際に筆者は、SBI証券のIPOでチャレンジポイントを利用したことが数回ありますが当選したことはありません。
3. 完全平等抽選ではない
SBI証券のIPOは、完全平等抽選ではありません。
60%:平等抽選
30%:IPOチャレンジポイントが多い人から順に配分
10%:取引状況などを踏まえて当社が定めた基準に従い配分
全体の40%は平等ではなく、IPOチャレンジポイントや取引状況に応じて配分されます。
IPOチャレンジポイントは、以前からIPOに申し込んでいる人のほうが有利ですし、取引状況などの基準は事実上の富裕層優遇です。
富裕層優遇は、対面証券のIPOでもよくある話で全体の10%なら少ないほうですが、資産の多い人と比べて当たりづらい点は理解しておきましょう。
完全平等抽選の証券会社でIPOに応募したい場合は、取扱数が多い楽天証券も検討してみましょう。
\100%平等抽選/
楽天証券のIPOについて詳しくはこちら
楽天証券のIPOはスマホで簡単に申し込める!特徴や買い方を紹介
SBI証券のIPOの買い方・流れ
SBI証券のIPOは、以下の4ステップで購入できます。
SBI証券では、IPOの抽選時に申し込んだ分の預り資産(買付余力)が必要になるため、不足している場合は抽選前に入金しましょう。
1. 銘柄を選んでブックビルディングの申込を選択
まずは、銘柄を選んでブックビルディングの申し込みを選択しましょう。
SBI証券のスマホサイトへログイン後、「IPO・POトップ」というボタンを押し、未申込から申込期間中の銘柄にある「ブックビル申込」を選択してください。
2. 株数・価格・ポイントの使用有無を選択
申込画面で「株数」「価格」「使用IPOチャレンジポイント」の使用有無を選択します。
よほど当選株数が多い銘柄を除いて100株当選するかどうかなので、株数は100株で十分です。
価格は「ストライクプライス」を選びましょう。
SBI証券のIPOの抽選では、IPOの公募価格(決定価格)より下の値段で申し込んだ人を抽選対象外にしています。
IPOは、よほどの不人気銘柄を除いて値幅の上限価格で決まる傾向があるため、価格を問わず購入意思があることを示すストライクプライスにしておくのが無難です。
IPOチャレンジポイントは、直近申し込むIPOのなかで一番当選してほしい銘柄に使いましょう。
最後に取引パスワードを入れて「申込確認画面へ」→「申込」のボタンを押すとIPOの申し込み手続きが完了します。
3. 抽選までに口座に入金する
SBI証券のIPOは、抽選時に「公募価格×申込株数(少なくとも100株)以上」の買付余力が必要です。
買付余力の確認は、価格決定日18時以降に行われるため、遅くとも価格決定日の午前中には買付余力を確認し、不足しているのであれば17時59分までに入金しましょう。
メガバンクやゆうちょ銀行などのネットバンキングを利用している人は、手数料無料で入金できて買付余力にもすぐ反映される即時入金が便利です。
\ネットバンキングを使えば入金も簡単/
4. 【当選または補欠当選した場合】購入を申し込む
抽選後、当選または補欠当選した場合は購入を申し込みましょう。
ログイン後、「IPO・POトップ」「申込済」の順に選択し、当選または補欠当選した銘柄の「購入」ボタンを押してください。
補欠当選した分については、繰上当選しないと購入できません。
■SBI証券でIPOに参加するのに向いている人
ここでは、SBI証券のIPOの特徴を踏まえ、どのようなタイプの人がSBI証券でのIPO参加に向いているのかを紹介します。
ご自身の投資スタイルや目的に合わせて、SBI証券でのIPO参加を検討する際の参考にしてください。
1. 多くのIPOに積極的に参加したい人
SBI証券は、他の証券会社と比較してIPOの取扱銘柄数が非常に多いことが特徴です。
年間を通して多数の新規公開株を取り扱っているため、積極的に多くのIPOに申し込み、当選のチャンスを最大限に広げたい方にとってSBI証券は最適といえるでしょう。
様々な業種や規模のIPOに参加することで、ポートフォリオの多様化を図りたい投資家にもおすすめです。
2. コツコツと当選のチャンスを積み重ねたい人
SBI証券には、IPOに落選した場合に「チャレンジポイント」が付与される独自の制度があります。
このポイントは、次回のIPOブックビルディング時に使用することで、当選確率を上げることができます。
一度や二度の落選であきらめることなく、コツコツとチャレンジを続けることで、将来的にIPOに当選する可能性を高めることができます。
長期的な視点でIPO投資に取り組みたい方や、地道な努力が報われることを期待する方にとって、このチャレンジポイント制度は大きなメリットとなることでしょう。
3. IPOに関する情報を幅広く収集したい人
SBI証券のWebサイトや取引ツールでは、IPOに関する詳細な情報が豊富に提供されています。
新規上場予定の企業の事業内容、財務状況、成長性といった基本的な情報はもちろんのこと、過去のIPO実績や市場の動向に関する分析レポートなども閲覧可能です。
これらの情報を活用することで、投資判断に必要な知識を深め、より慎重かつ戦略的にIPO投資に取り組むことができます。
情報収集を重視し、納得のいく投資判断を行いたい方にとって、SBI証券は強力な情報源となるでしょう。
SBI証券以外でIPOを始めるのにおすすめのネット証券
IPOに興味があるけれど、SBI証券以外にも選択肢を知りたいという方もいるのではないでしょうか。
確かにSBI証券はIPOの取扱銘柄数が多いことで有名ですが、他のネット証券にも独自の魅力があります。
複数の証券会社から申し込むことで、当選のチャンスを広げることも可能です。
ここでは、SBI証券以外でIPOを始めるのにおすすめのネット証券を4社紹介します。
それぞれの特徴を比較検討し、ご自身の投資スタイルに合った証券会社を見つけてみましょう。
1. 楽天証券
・楽天ポイントとの連携が魅力
・楽天銀行との連携により入出金がスムーズに行える
・IPOの取扱銘柄数も比較的多く幅広い投資機会を提供している
楽天証券公式サイト
2. マネックス証券
・すべてのIPO抽選を「完全平等抽選」
・主幹事になることは少ないものの、幹事としての参加が多い
・特に初心者にとって公平な抽選環境が魅力
マネックス証券公式サイト
3. 三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)
・三菱UFJグループの信頼感に加え、少額資金でも申し込みが可能
・取り扱い銘柄はまだ少ないが今後の成長が期待
三菱UFJ eスマート証券公式サイト
4. 松井証券
・抽選方式に「完全平等抽選」を採用
・2020年以降はIPO取扱銘柄数も増加傾向
・老舗ならではの信頼性とサポート体制も強み
松井証券公式サイト
SBI証券のIPOについてよくある質問
SBI証券のIPOについて、よくある質問をまとめました。
IPO投資を始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
Q. 落選した場合、IPOチャレンジポイントはどうなる?
使用したIPOチャレンジポイントに1ポイント加えたポイント数が返還されます。
Q. 当選した株の売り方は?
日本株の売却と同様です。「SBI証券株アプリ」の口座管理から売りたい銘柄を選択し、売却注文を出してください。
1つの市場に上場する銘柄は上場日の午前4時ごろ、2つ以上の市場に上場する銘柄は午前8時ごろから注文できます。
ただし上場日は、値段を指定しない成行注文ができないため、値段を指定する指値注文を出しましょう。
Q. 当選確率を上げる方法は?
富裕層を除いて、当選確率を上げる方法は存在しません。
億単位の現金をSBI証券に入金すれば当選確率が上がるかもしれませんが、大半の人には実行できない方法です。
同一銘柄のIPOを複数の証券会社で申し込んで、当選確率を上げることはできます。
まとめ
SBI証券は、業界最多のIPO取扱数を誇り、多くの投資家にチャンスを提供しています。
独自の「IPOチャレンジポイント」制度は、落選してもポイントが貯まり、次回以降の当選確率を高めることができるため、積極的にIPOに挑戦したい方にとって大きなメリットです。
オンラインでの申し込みも簡単で、情報収集ツールも充実しているため、初心者の方でも安心してIPO投資を始めることができるでしょう。
IPOに積極的に参加し、当選のチャンスを増やしたいなら、SBI証券は非常におすすめの証券会社です。