証券口座は複数開設すべきか?メリット・デメリットや証券会社選びのポイントを解説

複数の証券会社に口座開設すべきか悩んでいる人のための記事です。証券口座を複数開設した際のメリット・デメリット、証券会社の選び方のポイントや複数の証券会社を使い分ける実例などを解説します。複数の証券会社に口座開設すべきか悩んでいる人は、参考にしてください。

結論からいうと証券口座を複数もつことで、投資情報の収集が簡単になり、各証券会社の特色を活かした投資が可能になるため、証券口座を複数もつことはメリットが大きいです。

  1. 証券口座は複数開設可能だがNISAは1人1口座
  2. 証券口座を複数もつメリット5つ
    1. 金融商品の選択肢が増える
    2. IPOの当選確率が上がる
    3. セミナーや投資情報などの比較ができる
    4. システムトラブルが起きても別の証券口座を使える
    5. 証券会社の特色を活かした資産形成ができる
  3. 証券口座を複数もつデメリット3つ
    1. 確定申告漏れで損をする可能性がある
    2. ID・パスワードの管理が大変になる
    3. 全体資産の把握が難しくなる
  4. 複数の証券口座を上手に活用する方法とおすすめの証券会社
    1. NISA口座(ポイ活口座)
    2. IPO口座
    3. 外国株口座
    4. ラップ運用口座
  5. 複数の証券口座の活用例
    1. NISA口座+ラップ口座
    2. ポイ活+IPO
    3. 投資情報収集
  6. 複数の証券口座を開設することに関するQ&A
    1. 同じ証券会社に複数口座はもてる?
    2. NISA口座は複数の証券会社で作れる?
    3. 複数の証券口座で保有している株主優待はどうなる?
    4. 複数の証券口座を保有すると確定申告が必要?

証券口座は複数開設可能だがNISAは1人1口座

証券口座は複数開設可能だがNISAは1人1口座
(画像=SETOKA/stock.adobe.com)

証券口座は複数開設できますが、NISA口座はすべての金融機関のなかで1人1口座しか作れません。例えば「野村證券」「SBI証券」「楽天証券」と3つの証券会社に口座開設することは可能です。しかしNISA口座は1つしか作れません。仮に野村證券でNISA口座を開設していた場合は、SBI証券と楽天証券ではNISA口座の開設ができません。

NISA口座は、証券会社を変更することもできますが、手続きに時間がかかるため注意が必要です。NISA口座開設の際は、証券会社の特色をしっかりと確認し「自分が使いやすい」「継続しやすい」と感じる証券会社を選ぶとよいでしょう。なお証券口座は「特定口座(源泉徴収あり)」を選択するのがおすすめです。

なぜなら特定口座(源泉徴収あり)であれば証券会社が投資家に代わって、税金の計算・納付をしてもらえ、面倒な手続きがないからです。特定口座(源泉徴収あり)は、NISA口座とは異なり証券会社ごとに複数開設できます。

\2024年9月30日まではNISAクレカ積立還元率2.2%/

証券口座を複数もつメリット5つ

証券口座を複数もつメリットを紹介します。証券口座を複数もつ主なメリットは、以下の5つです。

金融商品の選択肢が増える

複数の証券会社に口座をもつことで金融商品の選択肢を増やすことができます。NISA口座で購入可能な投資信託は、各証券会社で大きな差はありません。とはいえ外国株式や一般口座で買付できる投資信託の種類は、各社で異なります。なかには、ロボアドバイザーサービスを提供している証券会社もあるため、さまざまな運用を試したい場合は複数の証券会社に口座開設することも選択肢の一つです。

例えば、楽天証券やマネックス証券でNISA口座を開設している場合でも、一般口座は複数の証券会社にもてるため、SBI証券での口座開設は可能です。このように証券会社に複数の口座を開設することで、金融商品の選択肢が増える点は大きなメリットといえるでしょう。

\外国株式の取扱国数が豊富なのはSBI証券!/

IPOの当選確率が上がる

複数の証券会社に口座を開設することで、IPOの当選確率が上がります。

IPOとは、Initial Public Offeringの略で「新規公開株式」「新規上場株式」などと呼ばれており、会社が新しく証券取引所に上場し、株式が一般投資家へ売り出されることを指します。こうした新規に上場する株式を買う場合は、まず抽選に応募して当選しなければなりません。当選した人だけが公募価格で株式を購入し、市場で売却できます。

IPOの応募は、同一人物が複数の証券会社から申し込むことが可能です。特にIPOに関しては、証券会社ごとに規定が異なるため、自分にとってメリットの大きい証券会社を選ぶことが大切です。主要なネット証券各社のIPO規定は、以下のようになっています。

【ネット証各社のIPO情報】

2024年3月25日作成

通常、IPOは申し込んだ株数に応じて抽選に当たりやすくなります。つまり多くの資金を保有している人、多い株数で応募した人のほうが当選しやすいというわけです。しかしネット証券のなかには、マネックス証券のように一人1つの番号が付与されて、資金に関わらず100%平等抽選されるところもあります。

また松井証券であれば口座に買付資金がなくても、実際にIPOに当選してからの入金でいいため、資金が手元にない人でもIPOに参加できます。資金効率を高めたい人や、IPOに当選しやすくしたい人は、ぜひ証券口座の複数もちを検討してみてください。とはいえ実際に買付できる金額以上にIPOに申し込むのは止めましょう。

証券会社によっては、当選後にキャンセルするとその後IPO応募から除外されたり、IPOの辞退そのものが禁止されていたりします。

\IPOは平等抽選・口座に資金がなくても申込ができる!/

セミナーや投資情報などの比較ができる

セミナーや投資情報の比較ができる点もメリットの一つです。各証券会社では、個別の株式銘柄に関する投資情報や為替相場の変動、各国の金利政策など投資環境を取り巻くさまざまな事柄を解説するレポートを出しています。例えば松井証券の場合、「マネーサテライト」で投資情報の動画を配信しており、動画のアップロード状況をメールで配信しています。

米国株式や日本株式市場の動向を5分ほどで解説してくれるため、投資初心者にもわかりやすくスキマ時間でもすぐ見られるでしょう。またauカブコム証券では、三菱UFJフィナンシャル・グループの投資レポートが読めます。著名なアナリストの今後の見通し動画などがあるため、投資の知識を身につけたい人や投資中、上級者の人にもおすすめです。

このように投資情報を比較して投資銘柄の参考にできることは、証券口座を複数もつ大きなメリットといえます。

\MUFGグループの投資情報レポートや動画が見られるのはauカブコム証券/

システムトラブルが起きても別の証券口座を使える

複数の証券口座をもつことで突然のシステムトラブルにも備えられます。2020年12月、SBI証券、楽天証券、DMM.com証券で米国株式の取引が一時的にできないシステム障害がありました。米国の取次先のシステム障害が原因でしたが、最大1時間すべての取引ができませんでした。端末の利用環境次第では、証券会社アプリや取引ツール起動・操作が遅くなり使いにくく感じることがあるかもしれません。

こうした場合でも複数の証券口座を保有していれば接続しやすい証券口座から取引ができます。システムトラブルでの損失リスク回避のためにも、資産を分散して複数の証券口座に分けておくことは有効といえるでしょう。

証券会社の特色を活かした資産形成ができる

証券会社には、それぞれに特色があるため、複数の証券口座を開設することで強みを活かした資産形成が期待できます。例えばSBI証券の場合、外国株式を豊富に取り扱っているため、ベトナムや韓国への投資が可能です。また楽天証券は、楽天グループと連携することで楽天ポイントがたまるため、ポイ活をしている人にはメリットが大きいでしょう。

ほかにもマネックス証券のIPO完全平等抽選や、松井証券のロボアドバイザー、auカブコム証券の充実した投資情報やau経済圏ユーザーへの優遇措置など証券会社ごとに強みがあります。例えば以下のような使い分けも可能です。

  • 楽天証券:投信積立で楽天ポイントを貯める
  • SBI証券:ベトナムなどの外国株式に投資
  • マネックス証券:IPOを中心に運用

このように証券会社ごとの特色を活かして投資を行えば、より効率的な資産運用が期待できるでしょう。

証券口座を複数もつデメリット3つ

証券口座を複数もつことは、デメリットもあります。主なデメリットは、以下の3つです。

証券口座を複数もつデメリット3つ
(画像=kai/stock.adobe.com)

確定申告漏れで損をする可能性がある

複数の証券会社に口座をもつと確定申告が必要な場合があるため、注意が必要です。確定申告が必要なケースとして「損益通算したいとき」が挙げられます。損益通算とは、同一年分の利益と損失を相殺することです。課税口座(特定口座や一般口座)で売買した場合、利益が出ると20.315%(復興特別所得税)の税金がかかります。

しかし別の取引で損が出ている場合は、利益と合算できるため税金を減らすことが可能です。証券会社で「特定口座(源泉徴収あり)」を選択すると、投資にかかる損益や税金を証券会社が代行して計算、納付してもらえるため、原則確定申告は必要ありません。ただしこの場合、取引した証券会社のなかだけで損益と税金が計算および納付されている点には注意しましょう。

特定口座(源泉徴収あり)でも複数の証券会社で損益がある場合は、確定申告で損益通算しないと合算ができません。なおNISA口座での取引は、損益通算の対象ではない点も押さえておきましょう。確定申告は、証券会社が発行する「特定口座年間取引報告書」を利用します。

ID・パスワードの管理が大変になる

複数の証券会社に口座を開設するとID・パスワードの管理が大変になります。IDは、個別の単語登録機能で済みますがパスワードはそう簡単にはいきません。なぜなら証券会社ごとに「何文字以上、英語の大文字を含める」「!や?などの記号を含める」「一定期間でパスワードを変更する」などパスワードに関する規定が異なるからです。つまり同じパスワードの使いまわしがしにくい状態となります。

もちろんパスワードを管理するアプリを活用したり、自分でノートやメモ帳に記載したりする方法もありますが、管理が煩雑になる可能性は高くなるでしょう。複数のID・パスワードを管理する際は、紛失やデータの破損などにも注意が必要です。

全体資産の把握が難しくなる

複数の証券口座で投資すると、それだけ資産が分散されるので全体の把握が難しくなる点もデメリットの一つです。外国株式用、ロボアドバイザー運用、IPO用といった具合に口座を分けて運用していると資金の入出金が必要になることもあります。

例えばA社では毎月積立投資、B社ではIPO投資の入出金とした場合、どの証券口座にいくら入金していたのか、損益は全体でどのくらいなのかが把握しにくくなるでしょう。複数の証券会社に口座をもつ場合、全体の資産額や配分、外貨と円貨の比率などの確認やリバランスが難しくなる点には注意が必要です。

複数の証券口座を上手に活用する方法とおすすめの証券会社

複数の証券口座を上手に活用する方法とおすすめの証券会社を紹介します。複数の証券会社を活用した運用例は「メイン口座」と「サブ口座」です。例えばNISAはメイン口座、ほかの運用は各証券会社の特色に合わせてサブ口座で運用するなどと役割を決めておくと利用しやすいでしょう。

NISA口座(ポイ活口座)

NISA口座(ポイ活口座)

NISA口座でおすすめなのは、自分が普段利用しているポイントをためられる証券会社です。新しいNISAは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があり、併用ができます。投資初心者が始める場合は「つみたて投資枠」を優先するとよいでしょう。つみたて投資枠は、投資信託を長期的に積み立てる仕組みです。

投信積立には、各社ともクレジットカード決済が利用できますが、対応するクレジットカードとたまるポイントは異なります。なんとなく決めた証券会社でNISAを始めてしまうと「ポイントがつかなかった」「普段利用しないポイントだった」となりかねません。

そのためできるだけ自分が普段利用しているポイントが付与される証券会社でNISA口座を開設し、クレジットカード積立で効率的にポイントをためることがおすすめです。以下では、ネット証券各社のNISA口座情報と対応クレジットカード、ポイントをまとめました。

【ネット証券各社のNISA口座情報】

※2024年4月2日時点

【ネット証券各社の対応クレジットカード・ポイント】

(2024年3月25日作成)

ポイントの還元率は、今後変更されたり期間限定であったりすることがあります。そのため現在の還元率だけでなく、自分がためているポイントや普段ためやすいポイントを選ぶことが大切です。例えば三井住友銀行がメインバンクであれば、三井住友カードを作ってSBI証券で投信のクレカ決済をするとVポイントがたまります。

また楽天カードを利用している人は楽天証券、auユーザーであればauカブコム証券がおすすめです。マネックス証券は、ドコモとの連携が発表されており2024年夏ごろからdカードでのクレカ積立によるdポイント付与が予定されています。

\一番利用されている楽天ポイントをためるなら楽天証券へ!/

IPO口座

IPO用の証券口座を開く場合は、IPOの取扱銘柄数が多く抽選が平等な証券会社がおすすめです。2023年度のIPO実績と各社の抽選方法を以下の表でまとめました。

【2023年度のIPO実績と抽選方法】

(2024年3月25日作成)

IPOは、取扱実績の多い証券会社がおすすめです。しかし各証券会社の抽選方法についても確認しておきましょう。通常であれば、申し込んだ株数が多い人のほうが当選しやすいため、より大きな資金がある人のほうが有利です。しかしネット証券のなかには、申込株数に関係なく一人1抽選券として平等に抽選が受けられるところもあります。

例えばマネックス証券やauカブコム証券、松井証券は一人1抽選券なので、少額でIPOに応募したい人におすすめです。特に松井証券は、IPOが実際に当選してからの入金となり、資金が手元にない場合でもIPOに応募できます。そのため効率的に資産運用したい人には、メリットの大きい証券会社です。

\100%完全平等抽選なのはマネックス証券!/

\平等抽選・資金なしでのIPO応募ができるのは松井証券!/

外国株口座

外国株口座

外国株式を運用するために、サブ口座を開設することもおすすめです。各ネット証券で外国株式に力を入れている証券会社の取扱銘柄数をまとめました。

【外国株式の取扱銘柄数が豊富な証券会社】

※2024年4月2日時点

米国株ではSBI証券が最も取扱銘柄数が多く、中国株はマネックス証券の取扱数が最多となっています。SBI証券は、韓国やタイなども取り扱っているため、こうした国の株に投資をしたい人はSBI証券に口座開設すると良いでしょう。

\外国株式の取扱国数ナンバーワンはSBI証券/

ラップ運用口座

ラップ運用口座

ラップ運用とは、投資家のリスク許容度や運用方針に合わせて、オーダーメイドの運用が受けられるサービスです。なかには、1万円程度から利用できるところもあります。入金後は、リバランスなども自動で行ってくれるため、お任せ資産運用が可能です。以下の表では、各ネット証券のラップ運用サービスをまとめました。

手数料は、投資一任手数料のみ記載しています。投資対象の信託報酬は、運用するコースによって異なるため、買付前に確認しておきましょう。

【ネット証券各社のラップ運用サービス】

2024年3月25日作成

松井証券の投信工房以外は、すべて投資一任型の自動運用です。ラップ運用は、銘柄選定や売買のタイミングがお任せできるため、忙しくて時間のない投資初心者に向いています。松井証券の投信工房は、おすすめのポートフォリオが提案されますが、投資信託の銘柄や資産配分は自分でアレンジができるため、自分で運用したい投資中・上級者にもおすすめです。

\投信工房は利用料無料で自分好みのカスタマイズが可能/

複数の証券口座の活用例

複数の証券口座を活用する実例を挙げていきます。メイン口座やサブ口座選定の参考にしてください。

NISA口座+ラップ口座

例)「SBI証券(NISA口座)+マネックス証券・松井証券(ラップ口座)」

ここでは、一例として「SBI証券(NISA口座)+マネックス証券・松井証券(ラップ口座)」を挙げていますが、NISA口座は自分が利用しているクレジットカードや、ためているポイントに合った証券会社を選びましょう。なぜなら、つみたて投資枠のクレジットカード決済でポイントが付与される証券会社が多いからです。

ためたポイントをさらに投資へ回すことで将来の大きな資産形成につながります。一方、ラップ口座での運用はマネックス証券と松井証券がおすすめです。例えばマネックス証券の「ON COMPASS」は、投資一任型の運用サービスです。ON COMPASSは、金融庁が公表している調査において平均パフォーマンスの3年リターン、5年リターンで1位を獲得しています。(2022年末時点)

【マネックス証券オンコンパス概要】

手数料(税込み) 年率0.9775%程度
運用コース 安定型から積極型まで全8コース
運用先 世界約80ヵ国にETFを通じて分散投資
最低積立金額 1,000円~
特徴 ・目標達成率が表示されるため、投資状況がわかりやすい
・目標達成確率が当初の計画から乖離すると計画見直しのお知らせがくる
・自動で最適な投資配分にリバランスされる
(2024年3月25日作成)

毎月一定額を積み立てたり、使う予定のない資金を運用したりするなど活用できます。まとまった資金を運用しながら、毎月決まった額を引き出せる点もON COMPASSの特徴です。一方で松井証券の投信工房は、投資一任型ではなく助言型となるため、サービス利用手数料がかかりません。

ポートフォリオ

投資工房でかかるコストは、実際に買い付けた投資信託の信託報酬や信託財産留保額だけです。提案されたポートフォリオは、銘柄だけでなく配分まで自分で調整できる点もメリットといえます。例えば「信託報酬がより低い投資信託へ変更する」「メインに投資をしたい投資先の比率を上げる」といったことも可能です。

好みのカスタマイズができるため、投資初心者だけでなく中・上級者にも向いています。

\オンコンパスは3年・5年リターンで1位を獲得!/

ポイ活+IPO

例)「楽天証券(ポイ活)+マネックス証券・松井証券(IPO)」

ポイ活の口座は、自分が利用しているポイントが付与される証券会社を選びましょう。以下では「ポイ活をしていない」「特にポイントを意識していない」という人向けに、よく利用されているポイントサービスをまとめました。

【利用されているポイントサービス(複数)】

(2024年3月25日作成)

株式会社GVが実施した「全国20代~60代500人を対象にしたポイント活動に関する調査」によると1ヵ月あたりにたまるポイントの平均は、2,175ポイントでした。

例えば2,000ポイントを毎月投資信託の購入にあてて年利5%で20年間運用すると元本は48万円、最終積立額は82万2,067円にも達します。ポイントを有効に活用するためにも、ポイ活を始めることをおすすめします。

一方でIPOにおすすめの証券会社は、マネックス証券と松井証券です。なぜならマネックス証券と松井証券は、両社ともIPOの取扱実績が豊富で一人1抽選券の平等抽選を採用しているからです。通常、IPOは申し込んだ株数が多い人や資金が豊富な人が当選しやすくなっています。しかし平等抽選であれば資金の少ない人でも当選する可能性が大いにあるでしょう。

松井証券は、申し込み時点(需要申告時)で資金が不要です。IPO当選後、購入申し込みの際に資金を入金すればよいため、資金が手元になくてもIPOに応募できる点はメリットといえます。

\完全平等抽選と資金なしでのIPO応募が叶うのは松井証券/

投資情報収集

投資情報収集

例)「松井証券+auカブコム証券」

「投資情報を各社で比較したい」「投資に関する知識をつけたい」という人には、松井証券とauカブコム証券がおすすめです。松井証券は、マネーサテライトという動画配信サービスを提供しています。前日の米国株式市場や当日の日本株式市場の見通しを5分前後で解説してくれるのが特徴です。

ほかにも「3月のFOMC解説」「AI投資のリスクは?」といった経済ニュースや、投資先のリサーチにも役立つ動画も配信しているため、参考にしてみてはいかがでしょうか。どの動画も10分程度で短くまとめられているため、スキマ時間に見て投資知識を身につけられておすすめです。

auカブコム証券では、三菱UFJフィナンシャル・グループの投資情報レポートが読めます。個別銘柄の解説はもちろん、今後の株式市場や為替の見通しなどが豊富です。さまざまな証券会社の投資情報を比較したい人は、松井証券とauカブコム証券をチェックしてみましょう。

\auユーザーの人、MUFGグループの投資情報を読みたい人におすすめ/

複数の証券口座を開設することに関するQ&A

複数の証券口座を開設する際に、よくある質問をまとめました。

同じ証券会社に複数口座はもてる?

同じ証券会社に複数の口座をもつことはできません。NISA口座と特定口座であれば、2つの口座を保有することが可能です。しかし通常の特定口座や一般口座を同一人物が2つ開設することはできません。例えばSBI証券でNISA口座を開設し、特定口座も同時に開設することは可能です。しかしSBI証券に自分の特定口座を2つ開設することはできません。

複数の口座を保有したい場合は、ほかの証券会社に口座を開設して運用します。

NISA口座は複数の証券会社で作れる?

NISA口座は、すべての金融機関のなかで一人1口座と決まっています。例えば楽天証券にNISA口座を開設した場合、SBI証券や松井証券でNISA口座を開設することはできません。NISA口座を開設する場合は、自分がためているポイントや利用中のクレジットカード決済が対応しているか確認しておきましょう。

NISA口座をほかの証券会社へ変更することは可能ですが、手続きに時間がかかるため、注意が必要です。

複数の証券口座で保有している株主優待はどうなる?

複数の証券口座で保有している株主優待は合算されます。例えば「キリンホールディングス<2503>」の場合、持ち株数によって以下のように株主優待の内容が異なります。

  • 100~1,000株未満の保有:ビール4本詰め合わせ
  • 1,000株以上の保有:ビール12本詰め合わせ
※ここに記載された優待の内容は選択できる例の一つ

キリンホールディングスを例にして、株主優待を説明します。

【複数の証券口座で保有している株の株主優待】

(2024年3月25日作成)

SBI証券、楽天証券、松井証券で各社100株以上保有しているため、ビール4本の詰め合わせが3セットもらえるように感じる人もいるかもしれません。しかし同じ名義人の株数は、合算されるため600株保有とみなされ詰め合わせは1個しかもらえません。なぜなら株式は、証券口座単位ではなく株式を発行している会社ごとに株主名簿で管理されているからです。上記の場合、株主名簿にはそれぞれ「株式600株保有」「株式1,100株保有」と記載されます。複数の証券口座で同一銘柄を保有しても、株主優待の数は増えないため、注意しましょう。

複数の証券口座を保有すると確定申告が必要?

複数の証券口座を保有して確定申告が必要なのは、損益通算をする場合です。損益通算とは、利益と損失を合算することを指します。通常、課税口座内で利益が出た場合は20.315%(復興特別所得税)の税金がかかり、手元に残るのは税金が引かれた分です。しかし別の取引で損失が出た場合は、その損失と利益を合算して利益を圧縮することができます。

源泉徴収されている場合は、損益通算することで税金が戻ってくることがあるのです。NISA口座は非課税口座のため、利益に課税されません。その代わり、損失が出ても課税口座との損益通算はできないため、覚えておきましょう。

成瀬 なぎさ

2級ファイナンシャルプランニング技能士 / 日本FP協会認定 AFP

法政大学法学部法律学科卒業。三菱UFJモルガンスタンレー証券に新卒で入社し、6年間個人営業を担当する。 日本株、米国株、投資信託数、債券の他に、生命保険や仕組債といった金融商品を案内・提案。退職後は自身で株式投資を行い、相場をチェック。同時に、投信や保険といった金融商品も最新情報を集めるようにしている。