止まらぬ円安と物価高。今こそ見直す資産運用のポイント
最近、スーパーやガソリンスタンドで「なんだか高くなったな」と感じていませんか?その原因の一つが「円安」と「物価高」です。ニュースでも頻繁に取り上げられるようになったこの2つの経済現象は、私たちの生活に大きな影響を与えています。
特に2024年から2025年にかけて、円安は一時1ドル=160円台まで進行し、食料品やエネルギー価格が高騰。多くの家庭では家計の見直しを迫られています。こうした状況の中で、今注目されているのが「資産運用の見直し」です。
円安と物価高の関係とは?
円安とは、日本円の価値が他国の通貨、特に米ドルに対して下がることを指します。たとえば、1ドル=100円のときに輸入していた商品が、1ドル=150円になると、単純に価格が1.5倍に跳ね上がることになります。
これは特に輸入依存度の高い日本にとっては深刻な問題です。原油、小麦、大豆といった生活必需品が値上がりし、それに伴ってガソリン代、食品、光熱費など日常生活に関わるあらゆるコストが上昇します。
そして、物価が上がるにもかかわらず賃金の上昇が追いつかない「悪いインフレ」状態にある今、現金を保有しているだけでは資産が目減りしてしまうのです。
なぜ今、資産運用を見直すべきなのか?
従来のように「貯金しておけば安心」という時代は終わりつつあります。日本の銀行における普通預金金利は0.001%前後。100万円を1年間預けても10円程度しか増えません。インフレ率が2%を超えている現在、これは実質的に「資産が減っている」のと同じことです。
そこで重要になってくるのが、インフレや円安に負けない「資産運用」です。適切な運用を行えば、資産の目減りを防ぐだけでなく、将来への備えや生活の安定にもつながります。
今こそ見直したい資産運用のポイント
では、どのような資産運用が今の時代に合っているのでしょうか?以下に注目すべきポイントを解説します。
① 外貨建て資産の活用
円安時代においては、ドルやユーロといった外貨で資産を保有することが一つの対策になります。特に人気があるのは米国株式やドル建て債券、米国ETFです。例えば、「S&P500」や「NASDAQ100」に連動するETFは、日本円で買える商品も多く、為替ヘッジ付き・なしを選べる点も初心者にとって安心材料です。
ただし、為替リスクも存在するため、短期での売買ではなく、中長期で保有するスタンスが基本です。特定口座での管理も可能なため、税金面での複雑さも比較的抑えられます。
② インフレ連動型資産の検討
金(ゴールド)は、古くから「インフレヘッジ」として人気の高い資産です。金は世界共通の価値を持つため、円の価値が下がっても価格が下がりにくい特性があります。また、最近では金に投資できるETFや純金積立など、少額からの投資手段も充実しています。
加えて、不動産投資やREIT(不動産投資信託)もインフレ耐性のある資産です。家賃収入や不動産価格の上昇によって、インフレに連動した収益が見込めます。
③ 積立投資による時間分散
投資初心者に特におすすめなのが、毎月一定額を積み立てて投資する「ドルコスト平均法」です。価格の変動に左右されず、購入単価を平準化できるのが特徴です。つみたてNISAやiDeCoは、この手法をベースとした制度であり、節税効果もあります。
2024年からの新NISA制度では、年間投資枠が拡大され、より柔軟な積立投資が可能になりました。非課税期間も無期限となり、長期投資を支える制度として注目されています。
④ リスク分散によるポートフォリオ設計
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、資産を分散することでリスクを軽減できます。たとえば、日本株、外国株、債券、不動産、現金といった複数の資産に投資する「分散投資」は、リスク管理の基本です。
最近では、バランス型ファンドやロボアドバイザーが自動でポートフォリオを構築してくれるサービスも増えています。初心者でも安心して始められる点が魅力です。
初心者におすすめの始め方
「資産運用は難しそう」「知識がない」と感じている方でも、今はスマホ一つで投資を始められる時代です。以下の方法は特に初心者に人気です。
- 新NISA:月1,000円〜からでも始められ、税制優遇も魅力
- ロボアドバイザー:質問に答えるだけで自動的に資産配分を提案・運用
- ネット証券:楽天証券、SBI証券など、手数料が安く商品ラインナップも豊富
また、金融庁や証券会社が提供する無料セミナーやオンライン学習サービスも活用し、自分のペースで知識を深めていくことが大切です。
資産運用で失敗しないための注意点
資産運用には必ずリスクがあります。焦って高リターンを狙うのではなく、リスクとリターンのバランスを理解し、自分の資産状況に合った投資スタイルを選びましょう。
- 短期で儲けようとせず、長期的な視点を持つ
- 分からない商品には手を出さない
- 信頼できる情報源から情報を得る(SNSの噂に注意)
特に最近は、インフルエンサーによる過激な投資推奨や詐欺的案件も増えているため、情報リテラシーが重要になっています。
まとめ:物価が上がる時代を生き抜くために
円安と物価高という厳しい経済状況の中でも、しっかりと資産運用を行うことで、将来に向けた備えを強化することができます。現金を寝かせるのではなく、賢く働かせる。これが今後の生き方の一つになるでしょう。
最初の一歩は小さくても構いません。大切なのは「行動すること」。今日から、自分に合った資産運用を考えてみませんか?